新しいゲノム編集技術HoSeI法を開発 ‐‐ HoSeI法により細菌適応増殖は複数遺伝子が相互作用するエピスタシス現象であることを実証 -- 法政大学|The大学Times

新しいゲノム編集技術HoSeI法を開発 ‐‐ HoSeI法により細菌適応増殖は複数遺伝子が相互作用するエピスタシス現象であることを実証 -- 法政大学大学通信 2020.2.28

  生物の親から子へと遺伝する性質情報である遺伝子はDNAの塩基配列としてコードされ、その総体はゲノムとよばれます。大腸菌ゲノムには約5千個の遺伝子が推定され、大腸菌が示す生命現象の多くが複数遺伝子の相互作用によるエピスタシス現象と予想されています。しかし、遺伝子マーカーを用いる既存のゲノム編集技術ではゲノム上に導入する変異数に限界があり、それらの分子遺伝学的解析が困難でした。

 本研究では、CRISPR-Cas9システムと相同配列DNA組み換えシステムを用い、他の生物から由来する遺伝子マーカーを導入することなく、大腸菌ゲノム上の目的DNA配列に数塩基変異を導入する新しいゲノム編集技術HoSeI法を開発しました。これを繰り返し行うことにより、ほとんどの細菌ゲノムで共通に存在する大腸菌ゲノム上の14種類の環境応答システム遺伝子を対象として、大腸菌ゲノム上の複数箇所に変異導入させ複数の遺伝子機能を欠失させた株も含めた30以上の変異株を取得しました。さらに一細胞分析から、大腸菌が外環境の変化を感知し、応答し、そして環境に適応することで発揮する「適応増殖」でompR、phoB、phoP遺伝子のうち任意の2つの組み合わせが重要な役割を示すユニークなエピスタシス現象を発見しました。
 地球上には生存するにも関わらず培養できない未知の細菌が極めて多く存在します。本成果はこれら難培養細菌の増殖能の理解に役立つと考えています。

【発表雑誌】
■雑誌名: Scientific Reports(オンライン版:2020年2月27日[英国時間])
■論文タイトル: Epistatic Effect of Regulators to the Adaptive Growth of Escherichia coli
■著者: Yukari Miyake & Kaneyoshi Yamamoto
■DOI番号: https://doi.org/10.1038/s41598-020-60353-3


▼本件に関する問い合わせ先
(研究に関すること)
 生命科学部生命機能学科 教授 山本兼由
 TEL:042-387-6225
 E-mail:kanyamam@hosei.ac.jp

(広報に関すること)
 総長室広報課 課長 栗山豊太 田村友希
 TEL:03-3264-9240
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