昭和初期、帝国ホテルと並び称された「旧甲子園ホテル」の客室を武庫川女子大学の大学院生がCGで再現。動画をYouTubeで公開しています。|The大学Times

昭和初期、帝国ホテルと並び称された「旧甲子園ホテル」の客室を武庫川女子大学の大学院生がCGで再現。動画をYouTubeで公開しています。大学通信 2022.9.22

旧甲子園ホテルはフランク・ロイド・ライトの愛弟子である建築家・遠藤新が設計し、1930年に竣工。東の帝国ホテルと並び称されましたが、戦争のためホテルとしての稼働期間はわずか14年でした。戦争中は海軍病院、戦後はアメリカ進駐軍の将校宿舎として使用され、1957年から国の管理下にありましたが、1965年に武庫川学院が払下げを受け、教育施設「甲子園会館」となりました。一部の客室を学寮として使った時期もありましたが、2006年に武庫川女子大学に建築学科が開設するとその校舎となり、建築を学ぶ学生の「生きた教科書」として活用しています。


甲子園会館は地上4階地下1階建て。ホテル時代は1階は食堂、2〜4階が客室、地下は厨房になっていました。現在、客室は講義室や学生のスタジオとして、厨房はアトリエ等に使用しつつ、武庫川女子大学が修復・保存に努めています。映画やドラマのロケ地としてもたびたび使用され、2018年にはNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」に架空の「大阪東洋ホテル」として登場しました。


建物自体はホテル時代の面影を色濃く残していますが、内部は教材や製図机等が配置されて、客室をイメージしづらい状況になっています。大学院生たちは、竣工時の平面図やホテル時代のパンフレット等に残る客室の写真を精査。窓から見える建物や木々の配置等から階数や方角を推測し、現状の部屋と照らし合わせて客室タイプや広さを特定しました。4人の大学院生が約3か月かけて4種類の客室のCGを作成。シミュレーションソフトを使って現実と過去が交差するノスタルジックな動画を作り、ナレーションやテロップも入れて仕上げました。CGではベッドや応接セットの配置、生け花まで限りなく写真に寄せて再現しています。

動画では、現在の甲子園会館のエントランスから宿泊客の目線で移動。長い廊下を抜け、エレベーターで2階に上がったところから、CGに切り替わります。


「いよいよタイムスリップです」というナレーションを合図に、画面は一気に90年前へ。エレベーターの隣には宿泊客の対応をする「フロアステーション」。廊下の左右に客室のドアがあります。一つ目のドアを開けると、CGで再現されたコンパクトながら美しいシングルルームが映し出されます。ツインルームは2方向に窓があり、緑あふれる庭園が見張らせます。現在は講義室として使われていますが、窓からの眺めはほぼ変わりません。広々としたスイートルームは当時の西洋式ホテルとしては珍しく、和室を備え、バスルームも西洋式のものが併設されています。随所に挿入されるホテル時代の客室の写真が、CGの巧みさを際立たせます。


制作した大学院生たちは「限られた角度からしか残っていない写真をもとに、写っていない部分を推測するのが大変でした」「当たり前に見ていた窓からの風景も、ホテルとして見ると設計の工夫が感じられ、名建築ホテルの魅力をあらためて感じます」と話しています。


武庫川女子大学の公式YouTubeで「90年の時を超え、甲子園ホテルのスイートルームがよみがえる」として公開しています。

▼本件に関する問い合わせ先
武庫川女子大学
広報室
住所:兵庫県西宮市池開町6−46
TEL:0798453533
メール:kohos@mukogawa-u.ac.jp

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