兵庫県立大学、京都大学防災研究所、金沢大学らの研究グループが能登地方で継続する地震活動域およびその深部に電気を通しやすい領域を検出|The大学Times

兵庫県立大学、京都大学防災研究所、金沢大学らの研究グループが能登地方で継続する地震活動域およびその深部に電気を通しやすい領域を検出大学通信 2022.10.28

【背景】
 石川県能登地方(珠洲市付近)では、2020年12月頃から地震活動が活発になり、2021年7月頃からさらなる活発化が見られ、2022年6月19日にはマグニチュード5.4の地震(深さ13km、珠洲市で震度6弱)が発生した。現在まで震度1以上の地震の発生は200回以上に及び、一連の地震活動は、依然として活発な状態が継続している。加えて、この地震活動の活発化に同期して地盤の隆起が観測されるなど、地殻変動も継続している。
 このような活火山の存在しない内陸部での群発的な地震活動については、これまで水などの流体が原因であるとの指摘はあったが、確たる証拠は得られていなかった。その発生要因を理解することは、地震活動の推移を予測する上で、基礎的かつ重要な課題である。地下の電気比抵抗構造(電気の通しやすさ・難さ)は、流体の存在に敏感であり、電磁気学的な構造調査はその分布を把握するために有効な手段となる。

【今回の成果】
 本研究では、地下の電気比抵抗構造を推定するために、2021年11月〜2022年4月の期間に、合計32カ所(図1)において地電流・地磁気の観測を実施した。取得したデータを解析することにより、地表から深さ20kmまでの三次元構造を推定し、一連の地震活動が開始した南側クラスタと、現在最も活動的な北側クラスタに沿って電気を通しやすい領域(良導域)が存在することを明らかにした。
 また、南側クラスタの深部には、この良導域が連続して分布することが分かった(図2)。地下の良導域は水に代表される流体に富む領域であり、より深部から供給された流体が一連の地震活動の要因であると考えられる。

【今後の展望】
 今回得られた構造をより詳細に、また深部の推定確度を向上させるために、今年度、海域での追加観測を実施しており、陸域での補充観測も今後予定している。加えて、一部の陸上観測点では1年程度の連続観測を計画しており、地震活動の推移予測に役立てられることが期待される。
 なお、本研究結果の詳細については、2022年11月5日に神奈川県相模原市で行われる「第152回地球電磁気・地球惑星圏学会 総会および講演会」で発表される予定。

(参考)
●兵庫県立大学HP
・能登地方で継続する地震活動域およびその深部に電気を通しやすい領域を検出
 https://www.u-hyogo.ac.jp/outline/media/press/2022/monthly/2022_10.html#PRESS221024

・地震発生と地殻深部の流体の関係を解き明かすために、能登半島沖で海底観測を開始
 https://www.u-hyogo.ac.jp/outline/media/press/2022/monthly/2022_09.html#PRESS220913_02

●第152回 地球電磁気・地球惑星圏学会 総会・講演会および一般公開イベント(SGEPSS)
 https://www.sgepss.org/sgepss/fallmeeting/FM2022/LOC2022/

▼本件に関する問い合わせ先
・兵庫県立大学大学院理学研究科 教授 後藤忠徳
 Tel / Fax:079-267-4941
 E-mail: t.n.goto@sci.u-hyogo.ac.jp

・兵庫県立大学播磨理学キャンパス経営部 総務課
 Tel:0791-58-0101
 Fax:0791-58-0131
 E-mail: soumu_harima@ofc.u-hyogo.ac.jp

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