【特集】2013年度「子ども・子育て新システム」導入の影響と幼稚園教諭・保育士養成の大学・短大選択ポイント|大学Times

【特集】2013年度「子ども・子育て新システム」導入の影響と幼稚園教諭・保育士
養成の大学・短大選択ポイント

大都市圏では、幼教・保育士の需要増大多様化する保育施設、今後一層問われる保育者の質

「子ども・子育て新システム」とは

子ども・子育て新システム

平成22年10月、厚生労働省発表の認可保育所入所待機児童数は48,356人、同年4月の待機児童数26,275人から22,081人の増加(1.8倍)である。全国各自治体でも認可保育所を増やしてはいるものの、長引く不況の折、共働きの世帯は増え、働きたいが預ける保育所がないまたは、やむなく無認可保育所に預けているという待機児童数はまだまだ増加の一途だ。

その待機児童解消策として、民主党政権は今年7月、2013年度導入をめどに「子ども・子育て新システム」の中間とりまとめ案を示した。それは数年前から審議されている少子化の影響で定員割れしている幼稚園と不足している保育所を一つにまとめる「幼保一体化」に関する対処である。しかし、当初の幼稚園と保育所の垣根を取り払って新たに「認定こども園」を作るのは現状、難しいとの見解から右図のような新システムが提案された。国の基準をクリアした施設の総称を「こども園(仮称)」とし、幼稚園と保育所を一体化した「総合施設(仮称)」、0〜2歳が対象の保育所、一部の無認可保育所やNPO、株式会社が設立したその他の施設また、小規模保育、保育ママなども補助金の対象とした。

幼保一体化が提案された当初は、幼稚園教諭の資格と保育士の免許を一体化した新しい資格を制定させたいという意向があったが、今回の法案では見送られたようである。

様々な形で増える「こども園」求められる幼稚園教諭・保育士の質

「子ども・子育て新システム」では当面、完全なる幼保一体化とはならないことから保育士、幼稚園教諭の資格・免許には影響はないだろう。今後少子化の影響で、幼稚園教諭、保育士の需要が減るのではないかという心配もあるが、地域格差はあるものの、大都市圏においては新しいこども園が増設されることも予想され、まだまだ保育士・幼稚園教諭の需要は多いだろう。しかしながら、以前のように保護者が近所で子どもを預かってもらえるなら保育所は選べないという状況から、保護者の「こども園」を選ぶ選択肢が広がるということも考えられる。園側も特色を出したり、質の向上が求められるだろう。したがって、保育士、幼稚園教諭も今まで以上に、幅広い教養やヒューマンスキルが必要とされるのではないだろうか。

では、将来的に求められる幼稚園教諭もしくは保育士をめざすために4年制大学、短期大学のどこを基準に選んだらいいだろうか。まず、大学と短大の違いは、幼稚園教諭免許状の種類が挙げられる。大学は幼稚園教諭1種免許状で短大は2種免許状を取得できる。しかし、幼稚園での仕事自体に違いはなく、給与もその資格で差はないという。1年でも早く現場に出て、実際に子どもたちと接し、働きたいと希望するなら短大を選ぶとよいだろうし、まず、基礎知識を身につけ、幅広い教養や資格も多く取得したいと考えるなら4年制大学だろう。子ども教育に特化した大学、また総合大学の中の子ども教育関連学科、音楽・体育・美術の専門大学の子ども教育学科とそれぞれ同じ方向性でも学べる大学はさまざまである。興味を持った大学にはパンフレットだけでなく、実際足を運びオープンキャンパスなどでその学びを体験し、自分に合う大学を見極めるとよいだろう。

新システムに対応すべく、幼・保の両資格・免許また、福祉系の資格取得も有利

子どもの教育に携わるとひとことに言ってもさまざまである。小学校教諭、幼稚園教諭、保育士のほかに、特別支援学校教諭、スクールカウンセラー、また学校ソーシャルワーカーなど福祉系の仕事もある。めざす仕事の資格および免許を確実に取れる大学・短大の学科を選ぶことが肝心である。大学のパンフレットなどには取得可能な資格や免許がたくさん載っているものがあるが、卒業することで取得できるのか、受験資格が得られるのか、また、個人の努力次第では取得可能という難しいものなのかを見極めなくてはならない。特に大学の学科で「こども学科」や「こども発達学科」など取得できる資格や免許がひと目でわかりづらい名称がついている場合があるのできちんと確認したいものである。また、幼稚園教諭免許と保育士資格に、小学校教諭の免許や社会福祉士の資格など同時に複数の資格を組み合わせて取得できる大学もあるので将来就職したい園の形態を見極め、大学・短大を選びたい。詳細を知るためには、卒業した先輩に聞いたり、大学の広報課に問い合わせたりするのが賢明だろう。

最近は高度な児童心理学や音楽、体育、美術を応用した幼児教育が脚光を浴びている。さらに留学し、他国の幼児教育を学べる大学もある。子育ての場も多様化していることから大学の学びの特色を知り、後悔のない学校選びを促したいものである。

幼保一体化の背景―少子化でありながら保育所不足の都市部