短期大学特集 〜もうひとつの併願作戦〜 多様化する進路に合わせた短期大学の進化と魅力|大学Times

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短期大学特集 〜もうひとつの併願作戦〜 多様化する進路に合わせた短期大学の進化と魅力

四年制大学への編入や専門性の高い仕事への就職など、多数の選択肢を残せる短期大学は、「四年制大学受験の併願対象」や「経済的に浪人できない」、「第一志望の四年制大学を諦められない」、「実学を学び早く社会に出たい」と考える受験生が、もう一度検討すべき進路のひとつになるのではないだろうか。最近の短期大学の編入学体制や、就職状況などを本特集で探ってみたい。

地域に密着し、短期間で高度な
専門知識を取得する

文部科学省が示す短期大学の特色は、『地域の身近な高等教育機関として、短期間で、大学としての教養教育やそれを基礎とした専門教育を提供する点にあります』としている。つまり、高度な専門知識を学ぶ場として、地域に密着した身近な教育機関ということになるだろう。

短期大学卒業時には「短期大学士」の学位が授けられる。これは2005年まで、短期大学修了者に高等専門学校卒業者と同様の準学士の称号を授与していたが、法令改正により学術称号から学位への変更がなされたものである。

併設大学以外にも、
国公立大学や指定校推薦への編入学も増加

短期大学特集

短期大学は、2年間学んだら卒業して就職というイメージが強い。しかし、最近は四年制大学への編入学に、力を入れる短期大学も増えてきている。例えば、青山学院女子短期大学では、併設の青山学院大学へ44名の推薦枠を設けている一方、北海道大学、福島大学、埼玉大学、信州大学(2014年度実績)などの国立大学への編入学を果たしている。上智大学短期大学部でも、上智大学の各学科に22名の編入学の推薦枠があるほか、フェリス女学院大学、清泉女子大学、東洋英和女学院大学、玉川大学、駒澤大学、南山大学、関西学院大学などを編入学の推薦指定枠を有している(2014年度実績)。

もちろん青山学院女子短期大学や上智大学短期大学部などの編入学に力を入れる学校では、細やかなアドバイスを行う担当教員を設けて、進学希望者へのバックアップ体制を築いている。また、立教女学院短期大学のように、2年間の学びにプラスして1年多く学べる専攻科を設けることで、「専門分野への理解をさらに深めながら、資格を取得したい」と考える学生の要望に応えるケースもある。

このように、最近の短期大学は、学生一人ひとりが、本当に満足できる進路を歩めるように変化している。これは高校生にも朗報となるだろう。

たとえば、四年制大学への進学希望者の併願先候補にもなりうるし、「まだどのような分野に進んだらいいのかわからない」と迷っている受験生が、とりあえず短期大学に進学して、四年制大学に進学するかどうかを見極める場としても使えるだろう。また、進学するか就職するかを、決めかねている高校生にとっても、短期大学は将来の可能性を広げるための魅力的なツールになる。

短期大学では、学んだことが仕事に
つながりやすく就職率も高い

短期大学特集

当然、就職を希望して短期大学に入学する学生もいる。短期間で実践的なスキルや教養を身につけられることは、短大の大きな魅力だろう。また卒業時に無試験で取得できる資格や、受験資格が得られる資格も多く、「この道でがんばりたい」とすでに進路を決めている学生の就職を強力に後押しする。

文部科学省の平成27年度学校基本調査によれば、短期大学卒業者が専門的・技術的職業※1に従事する割合は61.1%(うち保険医療従事者16.6%、教員12.9%)と6割以上が学校で学んだことを活かせる仕事に就いている。さらに、同資料に示されている短期大学卒業者における就職者の割合は、78.1%(男子61.3%、女子80.0%)と高い数値を示している。つまり、短期大学では学んだことに関連した、仕事に就きやすいといえるだろう。こうした結果には、様々な要因が考えられるが、短期大学では、就職も含めた将来を、きちんとイメージしている学生が比較的多いことも、理由の一つかもしれない。なお、就職市場自体は、リーマンショックのあった2009年に落ち込んだものの、以後は回復傾向にある。

※1 科学的知識を応用した技術的な仕事、および医療・教育・法律・宗教・芸術・その他の専門的な仕事の意。