【京都精華大学】芸術、文化に関わる「専門性」だけでなく、「教養」と「社会展開力」を持った人を育てる大学へ。|大学Times

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大学Times Vol.20(2016年4月発行)

「2017年度以降の次年度新設学部・改組新キャンパスの動向」

【京都精華大学】
芸術、文化に関わる「専門性」だけでなく、
「教養」と「社会展開力」を持った人を育てる大学へ。

経済成長の終焉、環境問題の深刻化、テロリズムの蔓延など、正答のない課題に囲まれている時代に求められるのは、新しい価値をうみ出す想像力と創造力です。京都精華大学は、芸術や文化、人文学の視点から人間や社会を変革し、新しい未来をつくる人を育成するため、全学的な新プログラム「SEEK」の導入、芸術学部とマンガ学部の再編を皮切りに、社会と向き合う教育をスタートさせます。

大学改革の背景

情報技術の発展と急速なグローバル化、少子高齢化や人口分布の変容・・・私たちの社会はこれまで経験したことのない問題を前に、思考法や価値観を見直す必要に迫られており、その影響は18歳人口の減少や就職難などさまざまなかたちで大学の周辺にも表れています。

今後10〜20年以内にアメリカの仕事のうち、47%が自動化される可能性があるといわれ※、世界中で大きな反響を呼びました。主に小売やオフィスワークなど経済の中心を担う職が、近い将来、コンピュータや人工知能に代替される可能性が高い反面、クリエイティブやアートのもつ問題解決力や創造力は自動化が難しい能力(つまり人間にしかできない能力)であるとされ、これからの社会における競争力として、芸術や文化の力が大いに期待されています。

このような社会を背景に京都精華大学は「全学部を横断する教養・副専攻科目の設置」「芸術学部の1学科制」「新世代マンガコースの設立」という3つの改革を皮切りに、この先の未来に求められる「社会展開力をもつ芸術文化人」の育成をめざします。

※マイケル・A・オズボーン「The Future of Employment: How Susceptible are Jobs to Computerization?」

「教養教育」と「副専攻」が実現する社会展開力

新しい全学部共通プラグラムに名づけられた「SEEK」とは、「Social Engaged Educational Key」の頭文字をとったもので、「社会につながる教育の鍵」と訳すことができます。また、「SEEK」それ自体には「さがす、求める、探求する」という意味もあります。所属学部と一味ちがう教養教育と副専攻という2つのカテゴリーを学ぶことで、芸術と文化への理解がより深まることをねらった、京都精華大学のオリジナル教育プログラムです。

これまで大学としての強みであった専門性が「木の幹」だとすると、2017年に新しく設置する教養科目はそれを支える「根」、そして副専攻科目は「枝葉」のようなものと考えられます。(下図)

京都精華大学

教養科目は、歴史、思想、人権、法律、政治など、人間と世界への理解を深め、すべての活動を支える基盤となる、普遍的な知識を養うことが目的です。具体的には語学、自然科学、人文科学、社会科学、キャリア教育などを含んだ11のカテゴリーごとに豊富なカリキュラムの開講を予定しています。

副専攻科目は世の中の変化を鋭敏に感じ取り、専門性を社会に展開する切り口を提供します。たとえば、近年急速に成長を続ける「観光」を、空間を軸とした専門性である「建築」と組み合わせてみると、ゲストハウスの新しい可能性を提示できます。また「グローバル」と「マンガ」という組み合わせも、世界中で電子書籍などのプラットフォームが整いつつある今、成長が期待される領域です。

これまで本学が培ってきた高い専門性を、教養という根を広げることで支え、環境の変化を感知して伸びる枝葉のように副専攻が社会との接点を創出する。専門・教養・副専攻という3つの要素を兼ね備える新たな教育システムが、高く世界を見通す大樹のように、社会展開力をもつイノベーティブな芸術文化人を育成します。

異なるメディア、価値観に触れる、芸術学部1学科制
(平成29年4月学部再編に向けて届出予定)

これまで受験時から洋画、日本画、立体造形、陶芸、テキスタイル、版画、映像という7コースに分かれていた芸術学部は、2017年より領域を横断して学ぶことができる1学科制を導入します。1年間にわたる広範な素材・技法の試行錯誤を通して、より深い素材の理解と表現の視野を広げることが目的です。また、さまざまな興味関心をもつ学生や教員との対話から異なる価値観に触れることで、ものの見方を顧みる機会を増やし、自身の専門性をより深めたり、新たな専門領域を発見したりすることが期待できます。

京都精華大学

時代の変化に対応できるマンガ家を育成。新世代マンガコース
※平成29年4月設置予定

20代の94%はスマホを所有し、SNSを通してコミュニケーションをする時代。売上の8割をコミックが占める電子書籍市場は2019年に約2900億円規模にのぼると見込まれており、マンガの流通・消費のかたちは前代未聞の変革期を迎えています。

このような背景を受け、2017年に設置される「新世代マンガコース」は、デジタル環境に適したマンガ表現を開拓できる人材の育成を目標に掲げます。また、描くことに留まらず、自ら作品をプロデュースし、社会に発信していくための、総合的なプレゼンテーション力やマーケティングスキルを養うプログラムを実施。出版社が新人を育てデビューさせるという従来のモデルではなく、個人事業主としてのマンガ家を着実に育てることや、包括的なITリテラシー教育によって、マンガ家だけではなく、企業広報やニュースメディアなどへの進路も開かれると考えています。

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