【次代を担い、進化・発展し続ける大学】東京工科大学|大学Times

  1. 大学Times
  2. 特集記事一覧
  3. 【次代を担い、進化・発展し続ける大学】東京工科大学

大学Times Vol.27(2018年1月発行)

【次代を担い、進化・発展し続ける大学】東京工科大学

開学当初から実学主義を教育の柱とし、時代の要請にあわせて進化を重ねてきた東京工科大学。2017年度から、実学主義教育のさらなる実践とハイレベルな教育・研究の推進のため、新しい教育システムとして「戦略的教育プログラム」をスタートした。本記事では、10のプログラムのうち、工学部で実施している「ロボット開発による先進的教育プログラム」と「再生エネルギー利用EV製作教育プログラム」を紹介する。

新プログラムで実学主義教育の
推進と学内研究をさらに活性化

東京工科大学は、ハイテク産業の成長が著しい1986年に、時代の要請に応えるかたちで工学系の単科大学としてスタートし、激しく変化していく世の中に対応した進化を続けてきた。現在は、工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部の6学部と大学院、研究所を擁する理工系総合大学に発展している。

同大が教育の柱に掲げているのが「実学主義」である。これは最先端の技術や知識を身につけ、社会に役立つ力を養うと同時に、社会の変化に柔軟に対応していくための教養や人間性を育てていく教育のことを意味している。大学の役割は、教育と研究にある。同大はこれまで以上に実学主義を推進するために、2017年度より新たな教育プログラム「戦略的教育プログラム」を開始した。このプログラムは、理工系総合大学としての利点を最大限生かして、社会の要請に応じた戦略的かつ実践的な教育活動を実現するもので、各学部および教養学環において10テーマが設けられている(表1)。本記事では、10テーマのうち、工学部で実践しているロボット開発や電気自動車(EV)開発をテーマにした2つのプログラムを見てみよう。

戦略的教育プログラム 10のテーマ

ロボットコンテストに挑戦することで
最新技術やチームでのモノづくりを学べる

工学部の戦略的教育プログラムの一つ、「ロボット開発による先進的教育プログラム」はNHK学生ロボコン(以下、ロボコン)に挑戦するプログラムである。ロボコンとは、全国の学生の中から選抜されたおよそ20チームが、自分たちで作製したロボットを競技に参加させ、その優劣を競うものである。よい成績を収めるには、アイデアとチームワークが不可欠で、本戦に出場するだけでも、書類選考やビデオ審査などの厳しい審査を通過しなければならない。優勝チームは、日本代表として世界大会「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」への出場権を得る。

学生たちは、ロボコンに挑戦することで、機械工学、電気工学、電子工学、情報工学が融合したメカトロニクスの高度な知識や技術を吸収できる。さらに、仲間と協力して一つのものを作り上げるための協調性、コミュニケーション能力、プロジェクトを完遂するための総合力を磨いていくことにもつながっていく。

募集対象は同大の1年生から4年生までの学部生。工学部機械工学科の学生が多いが、学部学科を問わず受け入れている。2017年度の参加メンバーは約40名で、機械工学科の学生以外にも工学部電気電子工学科、応用生物学部の学生も在籍する。代表教員は制御工学やメカトロニクスを専門とする機械工学科長の松尾芳樹教授が務め、制御工学、ロボティクスが専門で、かつてロボコンで優勝した経歴を持つ、上野祐樹助教が中心となって指導を行っている。

本プログラムは、自ら希望した学生が集まっているだけあり、各メンバーは熱心にそれぞれの課題に取り組んでいる。最終目標は、ロボコン国内大会優勝、そして世界大会での優勝である。

学部全体で作り上げる電気自動車
サステイナブル工学を学ぶ機会にも

東京工科大学

同大のテーマのひとつに、地球の環境等を保全しつつ持続可能な発展や開発を目指す、サステイナブル社会(持続可能な社会)の実現がある。「再生エネルギー利用EV製作教育プログラム」は、このようなサステイナブル社会の実現にも関わる同大を象徴するようなプログラムだ。再生可能エネルギーのみを使って走る電気自動車(以下、EV)を製作して、学内走行はもちろんのこと最終的には、全日本学生フォーミュラ大会への出場を目標にしている。

将来、自動車はCO2の排出を削減するため、エンジンから電気に置き換わるとされており、EVは社会的にも非常に注目されている分野だ。また、さまざまな要素技術が集結するEVなら工学部のさまざまな特性を活かして取り組むことができる。このプログラムに参加することで、学生らはEV製作に必要な最新の技術を実地で学び、同時にサステイナブル工学の知識を身につけることもできる。

このプログラムを指揮しているのは、パワーエレクトロニクスやエネルギー工学を専門とする電気電子工学科の高木茂行教授だが、先述の通りEVは多彩な専門領域が融合している。そのため、車体フレームおよびカウル(車体カバー)については工学部の機械工学科と応用化学科も参画。2017年度の参加学生は3学科合わせて約50名で、カウル、車体フレーム、パワートレイン(モーター・電気系統)の3つのチームに分かれてEV製作を推進しており、チームの振り分けは各学科の専門性を発揮できるように調整されている。こうした学部内の異なる特性を持つ3学科の知識が結集することに加え、車体のデザインに関しては、同大デザイン学部とも連携していく予定である。
2018年にはEVを試乗できるレベルに仕上げるため、日夜、学生たちは実験や試作に取り組んでいる。