【薬学系大学特集】薬学実務実習、4期制へ|大学Times

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大学Times Vol.28(2018年4月発行)

【薬学系大学特集】薬学実務実習、4期制へ

より優れた薬剤師を養成するため、薬学部はこれまで薬学教育の改善を目指してきた。6年制の設置、養成プログラムの作成などの他、特に最近では実務実習に注目が集まる。過去3年間の薬剤師国家試験結果を踏まえつつ、薬学部をとりまく最近のトピックスに着目した。

実務実習、4期制がスタート

薬学系大学特集

2019(平成31)年、薬学部の実務実習が3期制から4期制にいよいよ変更される。
国はより優れた薬剤師を養成するため、これまで薬学教育の改善を目指してきた。2006(平成18)年に薬学部に6年制を設け、その6年制課程の卒業生のみ薬剤師になれるように仕組みを改正。また、薬剤師として必須となる全国共通の教育を設定するため「薬学教育モデル・コアカリキュラム」と呼ばれる養成プログラムを作成した。ちなみに薬学部には4期制課程も置かれているが、ここは研究者養成を目標とした学部・学科となる。

その養成課程で薬学生に必修とされたのが実務実習だ。座学だけでなく、実習を通じた技能、態度の学習が医療現場で活躍できる薬剤師として重要との理由から義務化されたものだ。薬学生は病院と薬局の協力のもと、22週間の実務実習を行う。それぞれ現役の薬剤師を指導員として、薬学生は現場の実務を体験しながら学ぶことになる。

薬学の実務実習は、もともと病院の研修医制度がアイデアのベースとなっているが、受け入れ施設のない薬学部のため、病院と薬局の協力は不可欠。実習をスムーズに進めるため、薬学部を含めた3者で話し合いが続けられ、実務実習が4期制に変更されることとなった。

4期制のメリット

4期制の実務実習で大きく変わるのは開始時期だ。これまでの実務実習は薬学生が5年次に履修していたが、2019(平成31)年からは4年次の2月か らスタートできるようになる。薬学生はいずれかの期に エントリーし、期連続で実習を行うことになる。

平成30年度実務実習実施日程
T期 5月7日(月)〜7月22日(日)
U期 8月6日(月)〜10月21日(日)
V期 11月5日(月)〜1月27日(日)

平成31年度実務実習実施日程
T期 2月25日(月)〜5月12日(日)
U期 5月27日(月)〜8月11日(日)
V期 8月26日(月)〜11月10日(日)
W期 11月25日(月)〜2月16日(日)
(一般社団法人 薬学教育協議会)

より多くの患者に接し、代表的な疾患を体験する実習期間を確保するための4期制であるが、薬学生にとってもメリットはある。例えば、従来U期―V期を実習に割り当てると平成29年度は就活解禁日と重なり、6年次の就職活動への負担も大きかったが、4期制になると同時に就活解禁日が3月になるので、平成30年度は負担が減りそうだ。一方で、4期制になることで5年次のインターンシップに参加できる日程が限定されることも危惧されており、3年次にインターンシップを行う動きもある。

ふるさと実習でかかりつけ薬剤師へ

さらに、ふるさと実習も期待されている。都市集 中を避けつつ、生まれ育った土地で学ぶため卒業 生の協力のもと、訪問指導を行う仕組みだ。
将来ますます急増する社会保障費を抑えるため、調剤報酬の見直しが行われるなど、薬剤師の働き方も刻々変化しそうだ。厚生労働省は全国5万7000軒の薬局を「患者本位のかかりつけ薬局」に再編、住民や医療関係から薬剤師=薬のプロフェッショナルと認識されるようなプランを進めている。将来の地域包括ケアシステムを意識し、かかりつけ薬剤師など、地域において活躍する薬剤師、そして薬のプロフェッショナルとして、患者のためのチーム医療に貢献する病院薬剤師など注目すべき改定点が多くあげられる。そのための貴重な臨床の機会となるよう、4期制実務実習の準備は着々と進められている。今後の動向に注目だ。

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