【美大特集】女子美術大学・女子美術大学短期大学部|大学Times

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大学Times Vol.29(2018年7月発行)

【美大特集】女子美術大学・女子美術大学短期大学部 「なりたい自分」を見つけるのは、学生自身の自覚と努力、そして先輩たちのフォローが大きな力に

女子美術大学・女子美術大学短期大学部

女子美術大学の学生の卒業後の進路は、就職・進学・作家活動など多岐に亘る。就職を希望する学生には毎年多くの企業から求人があり、90%前後の高い就職実績を挙げている。企業のデザイナー職・企画職はもちろん、近年は総合職・専門職としても採用されているようだ。キャリア支援センター担当部長の門馬昌道氏とグループ長の新井邦忍彦氏に、こうしたキャリア支援の現状を伺った。

企業でも期待されている女子美大生

女子美術大学の就職状況は、どのような状況ですか。

女子美術大学・女子美術大学短期大学部

新井:おかげさまで就職率はアップしています。大手の広告、デザイン、エンタメ、ゲーム、ITなどが主な業種になります。先生方も力を入れていただいていますが、学生の意識も高く、低学年から相談に来る学生もいます。早め早めの指導で、進路がイメージしやすいのでしょう。保護者の方の関心も高く、保護者説明会やオープンキャンパス時にも、進路についてお話ししています。

門馬:ご家族で娘さんの進路を応援している感じがします。私は、一昨年までサンリオで人事を担当していましたが、女子美生の魅力を強く感じていました。例えば、コミュニケーション能力です。企業の場合あまりアーティスティック過ぎてはチームに溶け込めない。デザイン性を発揮するためには、コミュニケーション能力が必要なのです。グループワークや学外の活動などで鍛えられた女子美生は、それがあります。また、女子大という環境ですから、男性に頼らないで何でもできる。そういったことから、企業に入っても伸びしろが大きいと感じています。

新井:2017年卒の就職率は89.2%、進路決定率は92.6%でした。進学や作家になる学生もいますが、卒業生の6割以上が就職希望者です。就職先は幅広く、自動車、家電、化粧品、百貨店、ゲーム、デザイン、WEBなど、衣食住といった生活に直接関わる企業が多いのが特徴です。そのためエントリーシート講座や筆記試験対策にも力を入れています。

卒業生の積極的な支援が学生たちの気分を盛り上げる

就職に関して、卒業生の方の関わり方はいかがでしょうか。

女子美術大学・女子美術大学短期大学部

門馬:就職に関しては卒業生の力も大きいと感じています。土曜日や春・夏休みなどにOGの方が来校して、ボランティアで講話をしてくれます。ポートフォリオの作り方や作品も見てアドバイスをくれます。 新井 卒業生は後輩の力になりたいと言ってくれます。学生も先輩の話だから素直に聞ける、だから会社のことや作品のことを興味深く聞いています。

門馬:就活で苦労した話をしたがる卒業生もいます。ある卒業生は内定まで50社不採用だったのですが、その50社の会社案内をすべて持ってきて、後輩たちの前で「私を蹴った会社です」とやりました。女子美の学生は、外から見るとおとなしいイメージがありますが、内から見るとなかなか頼もしい。プレゼンもうまいし、グループディスカッションで他校をやり込める学生もいます。

人的ネットワークも大切にされていますね。

門馬:母校愛が強い人が多いですね。サンリオでバリバリ活躍されていらっしゃる山口裕子さんも女子美の卒業生です。キティをはじめとしたキャラクターデザイナーとして、仕事に関して大変厳しい方ですが、「JOSHIBISION」という学内選抜展に審査員としてご出席いただいた時は、たくさんの学生たちに囲まれて、すっかりOGの顔をされていましたね。

見る人に感動を与えることができる女子美生

女子美生ならではの強みとは何でしょうか。

女子美術大学・女子美術大学短期大学部

門馬:一般の大学は1を10に、あるいは100にすることを学びます。ところが女子美では0から1を、-1を1にすることを学びます。つまり、女子美生はどう自分を表現するか、見る人に感動を与える勉強をしているのです。だからクリエイター志望が多いのですが、総合職や販売職も増えています。ただ一般大学出身者と並んで同じ販売の仕事をしても、自ずと違いが出てきます。例えば、ペンを探しているお客様に、「こちらがお客様のお探しのペンです」とお渡しするのが一般の応対です。もちろんそれで正解です。しかし、女子美生なら、「こちらがお客様のお探しのペンです」とお渡ししながら、「そのペンをこう使うとさらに違った応用が可能ですよ」とプラスアルファの提案ができる。お客様は思ってもいなかった提案に喜ばれるのです。これが女子美生のできる感動の部分です。こうした魅力を企業側は感じ始めていて、それを望んでいるのですが、当の本人達はその凄さにあまり気付いていないようです。

新井:女子美には「好きは力」という言葉があります。創作には、寝食を忘れて取り組む根性も必要です。それでも好きが力となるのです。キャラクターでもデザインでも、自分が好きなことを仕事にできることが、女子美生の一番のモチベーションなのです。

キャリア支援センターは、「なりたい自分」を見つけるお手伝い

大学は就職に関して、どのようなサポートをされているのでしょうか。

新井:授業ではグループワークにも力を入れています。また必ず自分の作品についてのプレゼンをします。そしてキャリア支援では模擬面接や面接練習に力を入れています。これでコミュニケーション能力が鍛えられ、就職の面接でも物怖じしない学生が増えました。

門馬:大学は「なりたい自分」を見つける4年間だと思います。どんなカタチで仕事になるかを見極めて、手にする4年間です。キャリア支援センターに相談に来る学生はまだ「なりたい自分」を探している段階。そこで私たちはお手伝いしますが、あくまで学生自身が自分を見つめ直し、進路を決めていくのです。

新井:学園祭やオープンキャンパスも学生が仕切ってやっています。どうやって来場者を喜ばせるかを真剣に考えています。受付から、キャンパスツアー、スタンプラリーなどのアトラクションまで、来場者を飽きさせない工夫をしています。ここで学科や専攻を超えたヨコのつながりやチームワーク、上級生が下級生を教えるタテのつながりが生まれます。そこでスタッフは良い経験をし、それは進路を決める時でも大いに役立っていると思います。オープンキャンパスや見学会に参加いただき、そうした点をぜひとも感じ取っていただきたいと思います。

門馬:面談のリピーターも増えてきましたし、何十回も面談に来た学生がいました。面談の後、笑顔になれば、よしと手応えを感じます。

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