【大学入学者選抜改革特集】事例紹介〜千葉商科大学〜|大学Times

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大学Times Vol.30(2018年10月発行)

【大学入学者選抜改革特集】事例紹介〜千葉商科大学〜

千葉商科大学

2021年度の大学入試新制度移行に先がけて、今年度から「総合評価型入試」を部分的に先行導入した千葉商科大学。その意図や準備期間、合否判定、入学から今後の課題まで、どのように取り組んでいるのだろうか。入学センター長・入試広報部長の出水 淳氏に話を伺った。

あと2回できる総合評価型入試の「プレテスト」

本年度から部分導入した理由は新規事業の発想からで、大きな変革があるときに早期にプロトタイプを導入しておくとメリットが大きいと考えたからです。具体的には2021年度の本格導入の前に複数回予行演習ができることや総合評価型入試を経由して入学した学生がどのように成長していくのかをみることができることなどです。2018年度入試は24名がこの入試経由で入学していますが、1年次の前期試験終了時点ではいい結果を出しています。

高校の先生方からは「よくやりましたね」という感想をいただきましたが、2021年度で急激に変更することの方が怖いと思いましたので、部分的に段階を経て導入するスケジュールを組みました。具体的には昨年9月〜10月ごろには一通りの骨組みを作り上げ、年内には準備を整えました。

ベンチャー起業の方法論である「リーンスタートアップ」のように、部分導入した今回の結果と反応を検証しながら、改良を重ねて本入試制度の認知度を徐々に上げていきたいと考えています。

卒業後を見据え採りたい学生像が明確にある

本学は商科を中心とした実学を学ぶ大学であり、現在約750社の企業・団体と提携しています。産業界を支える中堅企業が多く、たとえば「コミュニケーション能力が高くフットワークのいい学生を採用したい」といった要望を頂戴しますので、アクティブ・ラーニングで明確になった学生の傾向を鑑み、企業が採用したい学生像を見据えながら遡って入試を行っています。本学ではアクティブ・ラーニングやプロジェクト型授業を重視してますが、学力だけの入試ではプロジェクトリーダーになれるようなコア人材を発見することができないので、調査書を判断基準に加えることで欲しい学生に近づけるのではと考えています。

総合評価型入試は全学科で実施しましたが、アドミッション・ポリシーに照らし合わせて評価基準を変えています。ポイントは評価の軸がブレないことです。公平性を担保しながら評価基準を設定しデータ化することで、評価が明確になりました。

大学入学者選抜改革特集

合否判定会議で「育ててみたい」の声があがる

一般入試の合否判定会議は、通常は合格の最低点を決めるために行っています。ところが今回、総合評価型の判定会議で教授陣から「育ててみたいからこの受験生をとりたい」といった声があがったのです。一般入試ですから面接は行っていません。それでも、調査書と筆記試験の結果をもって、受け入れる側の教授たちにそう言わせるだけの判断材料が揃うのです。面接を行わず受験生の総合評価ができるのか、といったご意見もいただきましたが、少なくとも一般入試における筆記試験の成績で合否を決める制度よりも、受験生の姿が立体的に見えるようになり、より本学が採りたい学生を合格させることができるのではないかと捉えています。

JeP導入のメリットは先生、生徒双方に

JeP※導入の最大のメリットは、調査書を作成する高校の先生方の負担が軽減されることです。登録のための入力は生徒各自が行うので、たとえばクラブ活動の履歴や生徒会役員歴などの誤記も減るでしょう。実際に調査書における同項目の誤記は約4割(5月6日讀賣新聞・関西学院大学調査より)といった報道もありました。大学側は受領した調査書を信用するしかありませんが、もしも役職経験者が未記入だった場合、本学の総合評価型入試では10点程度マイナスになってしまいます。合否判定の重要な資料としての調査書に、エビデンスとなる正確な情報を提供いただくためにも、JeP導入を推し進めていただければという思いに至っています。

※高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」の略。文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性分野)で構築・運営する、高校eポートフォリオ、大学出願ポータルサイト。

入試制度の違いを知ってもらうためのオープンキャンパス

年々入試制度が複雑になり、一般入試の総合評価型がどのようなものなのか、受験生にはまだ伝わりきっていません。そのなかで重要になるのがオープンキャンパスです。

当日は本学を知ってもらうことと同時に、本学の入試方法の違いや特徴を知ってもらう機会として捉えています。今後は開催時期によって、春夏はAOや推薦、給費生入試対象者、秋冬は一般入試対象者といった機能に応じて分けることができるのではないかと予想しています。