【栄養学特集】食を通じて人々を健康へと導く栄養学。医療・災害対策・産学官連携と職域広がる|大学Times

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大学Times Vol.30(2018年10月発行)

【栄養学特集】卒業生/在学生インタビュー

栄養学特集

毎日の食事で健康へと導く栄養学に興味

高校時代、糖尿病を患った祖父の食事を、毎日祖母が作っていました。元々食べる事が好きで食に関する興味は持っていたのですが、糖尿病の治療には食事療法が大切なことを知り、「栄養学」に関心を寄せるようになりました。高校卒業後は専門的に栄養学を学びたいと思い、埼玉県の女子栄養大学に入学しました。

調理の基礎から給食管理、衛生面まで
バランスよく学んだ大学時代

大学で学んだ講義や実習は、ひとつに絞りきれないくらい今の仕事に活かせています。まず1年次には調理の授業で、基礎をしっかりと教わりました。大学で調理技術を身に付けられたことは、とても良かったと思います。

調理実習は5〜6名分の食事を作りますが、2年次になると対象を決めて約120名分の食事を提供する給食実習を行います。献立作成から食材の手配、実際の調理、配膳、後片付けに至るまで、連携やチームワークの大切さを学びました。臨床実習では病院食や幼児食など対象者に合わせた栄養ケアを立案し、実際に調理、評価を行いました。

また食事を提供するには衛生面の配慮も重要です。大学では厨房の衛生管理や調理する人の健康チェックなど、料理、栄養学にとどまらず、管理栄養士としての仕事に必要な知識と技能を偏りなく学びました。

国家試験は「小テストを繰り返して」苦手を克服し合格

大学4年生のときは就活、卒業研究、管理栄養士国家試験の勉強と、慌ただしく過ごしました。国家試験対策は、同じ志を持った同級生と励まし合いながら一緒に勉強し、苦手分野を作らないようにしました。大学で繰り返し行った小テストが役に立ちました。

国家試験に無事合格し、初めは民間の給食会社に就職しました。企業で一般の方向けの食事を担当していたので、「ごちそうさま、おいしかったよ」のひとことがとても嬉しかったのを覚えています。4年間勤務し、キャリアアップのため病院の管理栄養士として現在の勤務先に転職しました。

教科書通りではないオーダーメイドの栄養指導

敬仁病院は入院ベッドが68床あり、人工透析の患者様も多いのが特徴です。入院、外来の患者様の症状に合わせた栄養管理及び栄養指導を担当しています。患者様の多くは人生の先輩方。食の好みや食習慣、嗜好も異なるので、教科書通りにはいかないこともあります。栄養指導のときには病気治療のために少しでも受け入れていただけるよう、汎用性をもって工夫しながら、毎日の食事を考えるきっかけ作りを行っています。継続してお会いしていくうちに、「病状が改善されてきた」というお話を伺うと、食事療法の効果を実感して頂いたという思いになり、とてもやりがいがあります。

新しい食材、食習慣の違い 日々勉強

病院の管理栄養士として、病態への知識を積み、栄養剤等新しい情報にも目を向け、講習会にも出席し学ぶようにしています。

最近は世界中から新しい食材が開発・輸入され、料理の種類も豊富になっています。国内でも行事食など地域 食習慣も異なりますので、栄養指導では患者様のお話をよく聞き、情報収集に努めながら、常に勉強し指導の参考にしています。

自分が“感染源”にならないための努力

管理栄養士は、検食など毎日厨房に入る仕事があります。暮らしの中で自分が感染源にならないように、食中毒にかかる恐れのある食材(生もの、生肉、二枚貝など)は口にしないようにしています。職場が病院ですので、インフルエンザにも特に注意をはらっています。また、栄養指導では体重に関する話をするケースもあるので、エネルギーコントロールの大切さを納得していただけるよう、自分自身の健康と体型の維持を心がけています。

今私は先輩方の背中をみながら知識や経験を積んでいます。いつか後輩たちにリーダーシップのとれる存在となれるよう、これからも努力していきたいと思っています。

知識と経験が活かせて末長く働ける

管理栄養士は、自分の口に入るものへの興味が、自分自身の健康へと直結する仕事です。国家試験も含めて勉強を頑張れば、管理栄養士として働ける職場はたくさんあります。特に病院には人と人とが向き合うかけがえのない時間があり、食事療法により病状が回復し退院される際に「ありがとう」と言われることが、喜びと励みになっています。

【栄養学特集】卒業生/在学生インタビュー

栄養学特集

充実した実習環境と雰囲気が決め手

高校生のころは薬剤師になりたいと思っていました。しかし、体の不調は薬で治す前に、日常の「食」の段階から改善できるのではないかと考え、食に携わる仕事を調べたところ管理栄養士という職業を知り、その道を志したいと思うようになりました。

大学のオープンキャンパスに参加して、首都圏にある大学から、管理栄養士になるための学びができる大学5〜6校を選びました。実習先が2〜3か所の大学が多い中、実践女子大学の病院、特別養護老人ホーム、保健所など、3か所を選んで実習に行ける点に魅力を感じました。さまざまな実習を通じて経験を積めること、キャンパスの雰囲気が最も自分に合っていることなどから、実践女子大学への入学を決めました。

偏見に踊らされない「正しい知識」を得る

授業は2年次で座学がおおかた終わり、3年次は実験や実習が中心になります。特に、今興味深いのは食品衛生学の実験です。着色料や保存料といった食品添加物や微生物、食品の鮮度が細菌の増殖や付着に及ぼす影響を調べる実験なのですが、「どうしてこの結果になるのか」という理論や工程を理解したうえで、実際に食品を用いて実験を行なうことができます。私たちの学問では、こうした授業を通して「正しい知識」を教わります。

勉強をしていると、世間には偏った知識が広がっていると感じます。例えば着色料や保存料は「食品添加物は体に悪い」と思われがちです。しかし実際には、食品添加物の摂取は許容範囲内なら健康を損なうことはありません。また、若い女性の間では、一般的に痩せていることがキレイであると認識されています。しかし、食べる量を減らしすぎて栄養素が足りなくなれば、体調を崩す原因にもなりかねません。こうした偏った知識の広がりに対して、私たちは管理栄養士の卵として「正しい知識」を広めていきたいと思います。

国家試験対策は1年次から

実践女子大学では、管理栄養士の国家試験対策として模試が行なわれます。それに向けて、長期休暇の間に課題に取り組んだり、授業内でも先生から過去問をもらえます。このように1年次から国家試験対策に取り組んでいるので、少しずつ力がついて来ていると思います。

管理栄養士として伝えていくべきこと

就職先として、現在は病院や保育園、給食委託などの企業を考えています。そのために今は調理がしやすく、食べる人が飽きないような献立を考えたり、病態ごとの栄養管理の違いや、「食育」の方法などについて勉強して、それらを自分のものにしようと頑張っています。

「食育」は大切です。例えば、魚の開きや切り身がその形のままで海を泳ぐと思っている子どもがいるそうです。管理栄養士として、子どもたちに魚が食卓に並ぶまでの過程などを教えてあげることも大切だと思います。また、子どもの孤食も今は増えていますが、食事の楽しさやマナーは家族と一緒に学んでいくものだと考えています。共働きの家庭が増えていく傾向にあるのは仕方ないと思いますが、孤食は出来れば減らしていけたらいいなと思います。

AI・ロボットの時代、だからこそ「食」は人の手で

今後、AIやロボットが活用される時代になります。しかし、それらが数値やデータだけを基に食事を作っても、彩りや嗜好を無視すれば、食べる人もきっと食欲を失くしてしまいます。

今後、AIやロボットが活用される時代になります。しかし、それらが数値やデータだけを基に食事を作っても、彩りや嗜好を無視すれば、食べる人もきっと食欲を失くしてしまいます。

「食」の知識は一生モノ

管理栄養士は仕事に必要な知識を日々の生活に役立てることのできる職業です。仕事から身を引いた後も、日々の食事を充実したものにすることができます。人のために何かをしたい、「食」というものに何かしら興味がある。そういう気持ちがあって、管理栄養士という仕事に少しでも関心があれば、ぜひオススメしたいですね。