定員厳格化時代の併願校選択基準 2019入試報告 成蹊大学/東京農業大学/明治大学/中央大学|大学Times

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大学Times Vol.33(2019年7月発行)

定員厳格化時代の併願校選択基準

成蹊大学

19年度入試の特徴の一つは、センター試験利用入試の大幅な難化です。3教科型では(合格最低点の)得点率が跳ね上がり、例えば経済学部では87%になりました。志願者数が増えたこともあって、成蹊大学はこのぐらいで合格できる、というイメージが覆されてしまったと思います。得点分布を見ると、上位大学からの流れ込みを感じます。

大学としては、まず推薦入試で合格者を出した後にセンター試験利用入試があり、その後に各学部の個別入試が控えています。これほど高い得点率は過去に経験がありませんでしたが、定員超過を避けることを考慮して合格者数を出しました。しかしフタを開けてみると、合格者の入学手続率はそれほど高くない結果となりました。その後、定員の多い各学部個別入試では最初の合格発表の後に追加合格を第3回まで出すこととなり、最終的にどの学部もほぼ100%の定員充足率で収まりました。19年度入試は大学側にとっても非常に難しいものでした。

本学ではセンター試験で5科目以上を利用する多科目型の入試もいくつか行っていますが、首都圏では3教科受験の人口が多いため比較的倍率が低くなります。これらの入試で入学した学生は、入学後の成績が非常に良いのが特徴です。当初は不本意入学であったとしても、入学後は自分の成長につながる学びの機会と積極的に向き合い、充実した4年間を過ごしていることが様々なデータから分かります。そのため多科目型の入試は、本学としても重要視しています。文系でも数学が苦手でない人、理系でも社会科で好きな科目がある人に多科目型の入試があることを、高校生の皆さんに伝えていただきたいと思います。

また、次年度からは次世代のグローバル人材を養成するグローバル教育プログラム「EAGLE」がスタートします。このプログラムは、2教科型グローバル教育プログラム統一入試(G方式)に合格することで入ることができます。この入試では、当日の試験の結果に加え、英語外部検定試験のスコアと活動報告書も評価の対象になります。

東京農業大学

合格者をどのように出すか思慮しました。最終的に定員充足率は全学部合わせて1.05倍になりました。本学は志願者数の増減により合格者数を決めているので、全体では合格者数を増やしました。専門分野に特化した大学なので、他大学併願が少ないことから入学定員厳格化の影響はほとんどありませんでした。

本学は6学部23学科で、農学・生命科学系分野が学べます。学科の分野系統が近いことから学内併願が多いのが特色で、実質倍率は3.3倍。17年に過去最高の志願者があり、18年、19年と減少し、今後は落ち着くことが見込まれます。

19年度入試は一般入試とセンター試験利用者から多く合格させたいという方針があり、合格最低点を前年より下げました。競争倍率も下がっており、上がっている学科もわずかであることが特徴です。20年度入試も同じように考えています。

他大学では学べない学びがある。どうしても東京農大に入りたいと、一般入試の3日間すべてを受験する人が多くいます。3日間とも試験問題が異なるので、その日の出来で得点も大きく変わります。

20年度入試では、AO入試をいくつか新設します。9月9日出願開始のキャリアデザインAO入試、12月7日が試験日の“私の夢”北海道AO入試ともに学力基準「評定平均値を定めない」としており、入学目的の明確な意欲ある人を求めます。変更点としては、生物産業学部(北海道オホーツクキャンパス)の入学定員数が変わり、人気の海洋水産学科と食香粧化学科は枠が広がります。

東京農大は「研究室」を教育研究の主体としています。理系のイメージが強い大学ですが、23学科中10学科は文系科目(英語・国語・社会)だけでも受験できます。大学案内等の研究室の内容をよく読んで、興味のある、将来の夢をかなえる学部学科に入学してもらいたいと思います。

明治大学

19年度入試では志願者が減りました。特に理工学部と政治経済学部で減少しています。これは両学部で前年に大きく合格者を絞っていたため、受験生はそこをよく見ていたのだと思います。女子の志願者は増加傾向にありましたが、過去3年間は増えていません。男子よりも女子の方が現役志向の強いことが原因だと思っています。全学部統一入試は、新たに導入した英語4技能方式について(1度の受験で複数学部に)併願を可能にしたため、志願者が増えています。一般入試は合格者を絞った18年度と比べて、19年度は17年度入試の水準まで戻して来ています。総志願者と実志願者の数をみると、1人で2方式あるいは2学部受験しています。

英語4技能方式は特に得点換算方式を採用している全学部統一入試で合格最低点が上がり過ぎたため、20年度入試では(英語4技能試験利用者は)経営学部以外は別枠方式となります。

本学の入試は合格最低点が高いのが特徴です。問題が難しくない代わりに量が多い。この方が本当に出来る人と出来ない人が分かるからです。これに関連して、生徒さんにいつも申し上げていることが二つあります。一つは、苦手科目を作らないこと。文系では古文・漢文を捨てたら合格は難しい。理系では英語を苦手にしないということです。

もう一つはスピードです。ただし基礎ができていないのに量をこなしても正答率は上がりません。3年生の1学期か夏休みが終わるまでは基礎をしっかり勉強して、秋以降はスピードを意識していただきたい。そして先生方からは是非「日頃の授業の延長線上に合格があるんだ」というメッセージを高校生に伝えて頂ければ幸いです。

本学のオープンキャンパスは、高校2年生が最も多く参加していますが、来年8月のオープンキャンパスは(東京2020開催等の影響で)同じ形でできないことが確実です。現高校1年生には、「出来るだけ今年に行った方がいいぞ」とお伝え下さい。

中央大学

国際経営学部と国際情報学部を新設した効果もあり、19年度入試は本学史上最多の9万人の志願者がありました。ただし既存学部は、英語4技能入試の基準を緩めた経済学部を除いてすべて志願者減です。偏差値帯上位の大学は18年度に多くの大学が志願者増となったため、19年度は反動が来ました。その傾向が本学にもあてはまります。一方で法・商・理工学部では上位高校からの入学者が増えたというのが19年度の特徴です。

もう一つの特徴はセンター試験利用入試の後期の倍率が低下したことです。法学部は前年度に比べて倍率が高くなりましたが、他の学部では明らかに後期の倍率が低くなっている傾向があります。各学部とも最終的な合格者を(年度内に)埋めなければならないので、やはり3月に行う入試で入学者と調整しようと考えることもあり、本学のみならず近年の傾向からは狙い目とも言えるのではないでしょうか。

新設の国際経営学部の授業は英語で全体の70%の授業を行い、短期留学を必須にしてグローバルビジネスリーダーを育成し、国際情報学部はプログラミングだけでなく、法律と情報を重点的に学び、国際間でルールをつくるなどの人材育成を想定しています。

19年度はセンター試験平均点が上がったので、文系で合格ラインが少し高めになりました。20年度はもう少し落ち着くのかなと思っています。
21年度入試は、大学入学共通テストに変わり、「高大接続改革元年」となりますが、基本的に大切なことは変わらないと考えています。学力の3要素のうち、高校生には「知識・技能」をきちんと身につけてほしいです。「思考力・判断力・表現力」は入試の出題の工夫によって取り込んでいきます。3つ目の「主体的に取り組む態度」はAO入試などで採用して行くことになると思います。確かな学力を高等学校でしっかりと身につけて大学でより充実した学修に繋げて欲しいと考えます。