【専門職大学/専門職短期大学特集】教授インタビュー:ヤマザキ動物看護専門職短期大学 花田 道子 教授|大学Times

  1. 大学Times
  2. 特集記事一覧
  3. 【専門職大学/専門職短期大学特集】教授インタビュー:ヤマザキ動物看護専門職短期大学 花田 道子 教授

大学Times Vol.35(2020年1月発行)

【専門職大学/専門職短期大学特集】教授インタビュー:ヤマザキ動物看護専門職短期大学 花田 道子 教授

2019年4月、全国に3校の専門職大学/専門職短期大学が誕生した。ヤマザキ動物看護専門職短期大学は、唯一の専門職短期大学(3年制)である。運営する学校法人ヤマザキ学園は、半世紀余りにわたり愛玩動物のスペシャリストを多数育てた実績があり、既存の専門学校と大学にプラスして専門職短期大学が開学。「動物看護」の3学校種を有する構成となった。先の国会で成立した「愛玩動物看護師の国家資格化」の追い風の中、同専門職短期大学のめざす教育や大学・専門学校との学びの違いについて、学科長の花田道子教授に話を伺った。

ヤマザキ動物看護専門職短期大学

ヤマザキ動物看護専門職短期大学
動物トータルケア学科 学科長
花田 道子 教授 博士(獣医学) 獣医師

永年にわたる動物病院での獣医師としての経験を経て、ヤマザキ動物看護大学教授として教育研究。2019年4月ヤマザキ動物看護専門職短期大学開学と同時に現職。

“技”の専門学校 “研究”の大学
“技+知識”の専門職短期大学

ヤマザキ学園は1967年、世界初の「犬のスペシャリスト養成機関」からスタートし、専門学校、短期大学を開学後、専門性を高めるべく短期大学が四年制大学へ移行しました。2019年に専門職短期大学が開学し、動物看護を学ぶ高等教育機関が3校となりました。「ヤマザキでどの学校種を目指したら良いか」というご質問を受けることがありますが、専門学校では卒業後に即戦力となるべく“技術”を身につけ、大学は学位取得と“研究”を主な目的としています。そして専門職短期大学では、専門学校で学ぶ技術に、その裏付けとなる“知識理論”をプラスして学ぶことが異なる点となります。

開学初年度でも多くの学生が入学

本学は2018年11月の開学認可だったため、極めて短い学生募集期間にもかかわらず、初年度は61名が入学しました(定員80名)。18〜19歳が全体の8割で、社会人だった学生もいます。

受験前は大学・専門学校も含めて、どこに入学すればよいかを迷っている様子が見受けられましたが、本学の良さを知り選んでくれた1期生は皆やる気があります。

演習はマンツーマン指導で
柔軟なコミュニケーション力を身につける

ヤマザキ動物看護専門職短期大学

動物看護師は、獣医師や飼い主とのコミュニケーションが大事なポジションで、CO-WORKER(一緒に仕事をする協力者)としての技量が求められる職業です。特に飼い主からは、獣医師には聞きづらいことを直接質問・相談される機会も多く、加えて処方された薬の内訳や飲ませ方の説明もしなければなりません。

本学の「実習」では、1クラス30名の学生を班分けし、教員4名が各班を回りながら指導する少人数教育を実践しています。いかに飼い主に伝えるか、相手の目線に合わせた「説明のロールプレイング」をマンツーマンで行うことで、細やかな指導も可能となりました。専門職短期大学では、このように相手の気持ちになって対処できるよう、臨機応変さを身につけ るための教育を行っています。

最近は「話ができない学生」などと揶揄されますが、学生一人ひとりが工夫をしながら意欲的に取り組めるよう心がけています。本学で「動物看護の専門家になる」という目標が学生のモチベーションアップになっているようで、これも専門職短期大学の特色ではないかと思います。

「実務家教員が全体の40%」の効果

また、「実習」では本物の器具を用いた「動物看護実習」を、今まで以上に繰り返し行えるようになりました。これは現場経験豊富な実務家教員が増えたことの効果です。現場を知るという点では、常に自分の立ち位置を意識し「次に何をすれば良いか」を考えて行動できるよう、指示待ちにならない職業教育を実践しています。動物をよく観察し、シャンプー・カット後の体調にも心を配り、専門用語に慣れるなど、学生はさまざまな実務課題に取り組んでいます。

豊富な臨地実務実習と独自の展開科目

ヤマザキ動物看護専門職短期大学

さらに専門職短期大学では卒業後の就職先を視野に入れた、幅広い「臨地実務実習」を用意しているのも特色のひとつです。1年次は本学併設の動物病院およびグルーミングサロン、2年次は外部の動物病院と関連企業で実務実習を行います。その上で3年次は希望の就職先を考慮し、学生が自ら決めた実習先で学びます。動物病院は規模の大小を選択でき、企業に至っては老犬ホームや訓練所、ペットリゾートホテル、グッズ専門店など、幅広い実習先を想定しています。

臨地実務実習は「飼い主へのアプローチ」を学ぶ貴重な機会でもあり、その中から新たなビジネスを創造するヒントも得られるでしょう。また、最近は「シャンプー・カットのできる動物病院に行きたい」という飼い主のニーズがあります。3年間で合計450時間が臨地実務実習にあてられますので、その後の座学を受ける意識が変わることも期待しており、その点も大学にはない良さではないかと考えています。

もう一つの特色である2年次後期からの必修科目「展開科目」では、動物看護以外の他分野へのアプローチを幅広く学びます。本学では「起業論」「消費者行動論」「老齢学」「死生学」などから応用力を養い、海外展開も見据えた広い視野を持って、新しいビジネスを創造するために必要な内容を学びます。

「愛玩動物看護師」の国家資格化

先日、国会で動物看護師関連法案が成立し、国家資格化が決まりました。遅くとも令和5年12月末までに第一回国家試験が実施される予定です。現在も民間資格の「認定動物看護師」統一試験がありますが、知識があっても丸暗記だけでは合格しない内容ですので、学生の自主性を重んじ「試験対策委員」を学生が立候補してくれればと期待しています。学生主導で助け合いながら「みんなで合格しよう」という機運が大切です。さらに知識だけではない応用力を試される傾向がありますので、素直に「学びたい、覚えたい」という意欲と、裏付けとなる知識の両方が不可欠になるでしょう。

国家資格化は、大学編入希望者の心境にも変化をもたらしています。大学4年と専門職短期大学3年で、同じ受験資格を得られる可能性があるからです。「3年間がんばって勉強して国家試験合格」できるのならば、専門職短期大学のほうが良いという声もあがっています。

他を思いやる素直な心をもった高校生に
めざしてほしい

ヤマザキ動物看護専門職短期大学

入学定員80名のうち、70名には面接試験を実施のうえ合格通知を出しています。動物を扱う職業は飼い主も含めて、他を思いやる心が不可欠であり、学力だけでは測れないからです。それにはまず「自分自身をよく知ること」が大切です。具体的な就業先や職業はこの次でも良いので、やる気のある高校生はぜひ本学をめざしてください。本学で意欲を持って取り組んでいる学生は、とても輝いています。