【大学ism】静岡産業大学|大学Times

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大学Times Vol.35(2020年1月発行)

【大学ism】静岡産業大学。地域や企業の課題を解決!社会で学び、価値を創る「SHIZU産プロジェクト」

静岡産業大学では、静岡県の資源を存分に使ってアイデアを実現する「SHIZU産プロジェクト」を展開している。同プロジェクトは、産学官連携事業などを通じて「つながり、ひろげ。あたらしい価値を生み出す。」をテーマに、地域社会や企業等が実際に直面している課題等を教材にしながら、自ら主体的に考え行動することで、より実践的な力を身につけることを目指している。地方にある大学ならではの取り組み事例から、同大学が目指す“地域社会に必要とされる人材育成”について伺った。

地元の企業や行政機関などと協力し、
全学をあげて「実学教育」を推奨

静岡県藤枝市と磐田市にキャンパスを置く静岡産業大学は、開学当初から地元の中小企業や行政機関等と密接な関係を築き、実社会を教科書とした実践的な学習を目指している。その特徴的な学びが表れた同大学の取り組みに「冠(かんむり)講座」がある。これは「静岡県に必要な人材を育てよう」という精神を基にスタートしたもので、名前の由来は「企業の冠(社名)」。初開講からもうすぐ20年を迎えるこの講座は、静岡県と関係の深い企業、行政機関等からお金ではなく、人材と最先端のビジネス情報を提供してもらうことをモットーとしており、毎年20社ほどに協力をいただいている。今まさに対応に苦慮している課題や最先端の取り組みの事例など、現場にいる人だからこそ語れる貴重な話を聞くことができるため、学生には「リアルな社会」を知る機会となっている。

また最近では、学生自身が自ら考え主体的に行動する力を身につけるためには、在学中に多様な「経験」を重ねておくことが大切という考えのもと、地域や企業、行政機関などの課題解決に実践的に取り組む「SHIZU産プロジェクト」を充実させている。

学生たちの将来目標にあわせ、
多彩な課題解決プロジェクトを提供

例えば、9月1日(日)に行われた「ちびっ子チャレンジカップ2019in浜松」では、磐田キャンパス(静岡県磐田市)香村恵介講師のゼミに所属する学生や、スポーツ保育サークル「すきゃもん」の学生が、ボランティア・スタッフとして参加してイベント運営に貢献した。このイベントは、「子どもに体験をさせたい子育て世代」と「子育て世代を応援したい団体・企業」との接点を作り出すことで、子どもたちの豊かな未来を願い、育みの場、出会いの場、発見の場を提供することにより、子どもたちの健やかな成長に寄与していくことを目的に株式会社アプライズ(本社静岡・浜松市)が社内に立ち上げた「子育て世代応援プロジェクト実行委員会」の考えに賛同し、実現したものである。

静岡産業大学の学生は、小学校低学年までを対象とした「ステージイベント」のほか、子どもが親子で楽しく身体を動かせるイベント企画「チャレンジ・アトラクション」の1区画を担当。試行錯誤を重ねながら企画の考案・運営だけでなく保護者向けの「解説書付きチラシ」も制作するなどした。香村講師もプロジェクトに参加した学生たちが「想像していた以上に頑張ってくれた」と高く評価した。また、「保育士の環境が以前よりも改善されてはいるものの保育士に対するイメージはあまり良くない。こうした活動を通して子どもを取り巻く環境の理解を深め、子どもの環境だけでなく親世代の課題についても考えることは、将来、子ども教育に携わる学生にとって大事なこと」とも語っており、このプロジェクトを通して、学生は子育て親世代の課題だけでなく、子ども支援に関わる仕事の難しさなどを理解できる場にもなった。

静岡産業大学

「SHIZU産プロジェクト」はこのほかにも、ラグビーに関する情報満載のオリジナルフリーペーパー「ラ☆ガール」制作プロジェクトや学生目線で地域の魅力を発信する番組「産大TV」など、企業や行政機関等と連携しながら学生が主体的に動き、「経験」を重ねる機会として魅力的なコラボレーションを実践している。

例えば、「静岡県内中小企業の魅力発見」プロジェクトは今年で3年目となる活動であり、これは、若者の多くが静岡を離れてしまうといった問題を解決するために、地元の優良中小企業を学生が経営者へのインタビューや企業研究などを実施しながら、成長の秘密や企業独自の魅力などを発掘するプロジェクトである。その活動結果は毎年冊子にまとめられ、在学生や企業経営者に向けて発表している。このプロジェクトはテーマもメンバーも毎年入れ替わるため、常に新しい視点で企業研究を行い、中小企業の魅力を多角的に探索している点も特徴といえる。

静岡産業大学

地元企業と大学の“対話”を推進し、
静岡県を活性化する人材輩出を目指す

「高大接続から大社接続へ」と言われるようになって久しいが、静岡産業大学では地方の大学であるからこそ、地元の中小企業や行政機関等が「求める人材」を意識した教育設計が必要だと主張している。学生にはこれからのビジネスに不可欠な「経営学」「ICT能力」「コミュニケーション英語能力」などの基礎知識を教養の一つとして身につけるだけでなく、そこに自らの将来に関係するような興味のある話題に沿ったプロジェクトに参加することで、地域・企業・団体と一緒になって自分ごと化しながらアイデアを出し磨き合うことを目指す。実際、自分のアイデアが形になれば自分に自信がつくとともに、プロジェクト達成の過程で発想力・表現力・展開力だけでなく、人間力の形成にもつながる。こうした経験を重ねながら、失敗から立ち直る方法も自然と身につく。

藤枝駅前にサテライトキャンパス「BiViキャン」を開設したのは、学生が市民や企業、行政機関等と交われる場を意識してのことであり、BiViキャン事務室の隣りには藤枝市産学官連携推進センターが設置されるなど、地域との交流の「ハブ」としての役割が期待されている。大学では今後、ここを拠点に「SHIZU産プロジェクト」を更に充実させていきたいとしている。

静岡産業大学