理工系総合大学が推し進めるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み〜東京工科大学〜|大学Times

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大学Times Vol.35(2020年1月発行)

理工系総合大学が推し進めるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み〜東京工科大学〜

時代の要請に応え、6学部と大学院・研究所での充実した研究・教育を通して、社会で活躍する人材を多数輩出してきた東京工科大学。2015年に国連加盟国によって採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組んでいる。同大の最新の学修、研究について紹介する。

「実学主義」の学びでスペシャリストを輩出

東京工科大学は、1986年の開学以来、社会が求める深い教養と豊かな人間性を兼ね備えたスペシャリストを輩出してきた理工系総合大学だ。「実学主義」を教育・研究の柱に据え、専門知識はもちろんのこと、国際教養、ICT(情報通信技術)リテラシーについても育むカリキュラムを展開している。

SDGsに関する動き

2015年に国連加盟国によってSDGs(「SustainableDevelopment Goals〈持続可能な開発目標〉」)を中核とした「持続可能な開発目標アジェンダ2030」が採択された。そこでは2030年までに、世界における極度の貧困、不平等・不正義をなくし地球の環境を守るための17の目標が、開発指針として定められている。その目標を具体的な行動で達成していこうと、現在、日本を含む世界各国はもとより、さまざまな企業や大学などの学術機関で取り組みが進められている。

持続可能な社会の実現に貢献する人材育成を目標に掲げている東京工科大学は、SDGsを意識した研究や教育を行い、新しい技術やアイデアで社会を変える、時代のリーダーとなる人材を育成するために、未来志向のカリキュラムや研究の機会を各学部で用意している。

例えば、環境・産業・人間が共存共栄する、持続可能な社会づくりを支えるサステイナブル工学を学ぶことができる工学部の取り組みは、新材料の開発、省エネルギー、資源リサイクル、新しい社会システムの創造など、工学的手法を基盤とする幅広い領域にわたる。工学部の3つの学科、「機械工学科」「電気電子工学科」「応用化学科」では、各学科の専門教育に「サステイナブル工学」「コーオプ教育」「グローバルエンジニア教育」を関連づけて体系的に学び、専門性と実践力、国際性を身につけた優れた人材を育成している。現在は再生可能エネルギーの研究やそれを活用して走らせる電気自動車を開発するプロジェクトも進行中だ。

東京工科大学の全学部に共通する目標は、サステイナブル社会に貢献する人材を育成することである。実は国連がSDGsを打ち出す以前から、こうした取り組みや提案は行われてきた。これからもサステイナブル社会の実現を目指して、さまざまな取り組みに期待が集まる。

東京工科大学

メディア学部の取組み

先に述べたSDGsの掲げる17項目は、すべて一つ一つが独立して存在しているのではなく関連し合っているため、横断的、学際的な問題解決の方法が求められている。東京工科大学メディア学部メディア社会コースでは、発展するデジタルメディアを活用し、どのように教育や、地域、国際貢献に役立てるかといった課題に関する研究を、地域や外部組織との連携を取りながら行っている。以下に実践例を紹介する。

■国際教育開発プロジェクト
オンライン英会話学校 WAKU WORK ENGLISH

SDGsで定められる「あらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる」「子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境の提供を試みる」をターゲットに展開。同大ではフィリピンセブ島の孤児院出身の若者を雇用する社会起業WAKU WORK ENGLISHとコラボレーションし、テーマソング制作と孤児院でのPV撮影を実現した。更にメディア学部による教育ワークショップの開催も現地の孤児院で行っている。

■ビーコンを活用し“山車”の歴史をスマートフォンに提供

世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化することを目的に、江戸時代から続く関東有数の山車祭りといわれる「八王子まつり」に参加する山車19台にビーコン端末を設置。山車に近づくだけでそれぞれの歴史などの情報をスマートフォンから知ることができるサービスを試験的に実施した。専用のアプリをスマートフォンにダウンロードし、山車の半径約30mのエリアに近づくと、山車の情報がリアルタイムに表示されるため、祭りに馴染みの薄い若年層や観光客なども手軽に歴史を知ることができる知見を得た。

視線特性分析による算数困難ろう児へのICT学習支援

算数困難(算数障がい)の一要因として,形式的な数式処理から文脈理解を伴う立式計算処理への移行でのつまずきが指摘されている。小学低学年の算数文章問題にその端緒があるといわれている問題で、アイトラッキング機器を用いて対象児の視線特性データ(注視箇所や視線遷移)を分析し、それを踏まえた上での多様なICT学習支援を推進する研究を行っている。

メディア技術は我々の社会基盤をかたちづくっている。どのように新しいメディアをSDGsの17項目の課題に活用していくかは、今後の重要なテーマである。

東京工科大学