【専門職大学特集】専門職大学コンソーシアム 第1回学長ミーティング イベントレポート|大学Times

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大学Times Vol.39(2021年1月発行)

【専門職大学特集】専門職大学コンソーシアム 第1回学長ミーティング イベントレポート

「専門職大学/専門職短期大学」は、55年ぶりに新設された学校種として2019年4月にスタートした。既存の大学とは異なる独自の教育カリキュラムを備えるが、卒業時には学位認定される。初年度は3校、2年目は8校が開学の運びとなり、現在は全国で2000名規模の入学者を迎え、本格始動となった。さらに2020年秋には全11校がコンソーシアム(共同事業体)を設立、今後は全体で連携しながら成果を共有し社会への発信等を行うという。専門職大学/専門職短期大学の現状を考察してみたい。

全校参加の学長ミーティング開催

2020年10月13日、専門職大学コンソーシアム初のイベントとして「第1回学長ミーティング」がweb会議方式(Zoom)で開催された。この模様はメディア関係者に中継で公開され、11大学/短期大学の全10名の学長が公の場で一堂に会する初めての場となった。会場の情報経営イノベーション専門職大学(東京・墨田区)から各地を結び、東京保健医療専門職大学の学校法人敬心学園・小林光俊理事長がコンソーシアム設立の目的や活動方針などを説明。続いて文部科学省高等教育局及び高大接続担当の川中文治審議官より来賓あいさつがあり、本コンソーシアムの活動への期待を寄せた。さらに情報経営イノベーション専門職大学の宮島徹雄事務局長よりミーティングのテーマとなる「専門職業人材」ならびに、専門職大学の学びの特徴である①展開科目②臨地実務実習③実務家教員④教育課程連携協議会について改めて説明があり、学長ミーティングへと移った。

専門職大学コンソーシアム 参画11校

新たな価値やサービス創造のため
関連する他分野を学ぶ展開科目

専門職大学の大きな特徴のひとつであり、既存大学との学びの違いの象徴ともいえるのが「展開科目」。各専門職大学が設置認可に臨んだ文部科学省の設置審でも、この展開科目の解釈に苦心したという。学長の発言の一部を紹介する。

「スポーツとの連携や障がい者の社会参加、ユニバーサルツーリズムなどを予定。高齢者の心のケアに繋がる美容(化粧学)は化粧品会社と連携する。次世代を見据え、経営戦略マネジメントも学ぶ」(東京保健医療専門職大学・陶山学長)

「愛玩動物である犬や猫も高齢化を迎えている。人間の高齢化社会を参考に、たとえば老老介護や死生学などを学ぶ授業を準備」(ヤマザキ動物看護専門職短期大学・山北学長)

学生に好評の実務家教員は
レベル向上に寄与 一部課題も

これも専門職大学の特徴のひとつである「実務家教員」(全教員のうち4割以上の構成必須)については、次のような成果や課題が述べられた。

「実務家教員による授業はおもしろい、と学生の反応がある。しかし実務のプロであって教育のプロではないので、今後は教え方の技術向上が課題」(開志専門職大学・北畑学長)

「全教員の8割近くが実務家教員。企業250社との教育連携があり、最先端技術を伝えているので、教育研究面に力を入れることが重要」(情報経営イノベーション専門職大学・中村学長)

「実務家教員は臨床能力の高さが特徴であり、地域医療のレベル向上をめざしている」(岡山医療専門職大学・浅利学長)

「実務家教員であっても研究が必要。たとえば科学の中でも兵器や核など、何が人間にとって必要なのか?といったテーマもあり、実務家教員ならではの新しい学問体系を作るなど、今後は実務家教員の在り方についても考えたい」(東京国際工科専門職大学・吉川学長)

「実務家教員と一般研究の教員との連携が課題」(国際ファッション専門職大学・近藤学長)

臨地実務実習では
組織の中の一員としての視野を育む

専門職大学では4年間で600時間以上の臨地実務実習を必須としている(短期大学は300時間以上)。インターンとの違いはどこか。

「実務実習は生命線であり、3年で450時間を充てている。産業界で活躍する人材育成を視野に入れており、深さと広さの両立は難しいが、その両方とも修得することをめざしている」(ヤマザキ動物看護専門職短期大学・山北学長)

「実務実習は“世の中を見る”ような受動的なものではなく、組織の中の一員として責任ある仕事を全うし、能動的に取り組む」(東京国際工科専門職大学・吉川学長)

「前身校(静岡県立農林大学校)は技術者養成を行っていたが、次の段階として後継者、経営者育成を目的としている。主に農業生産法人への実務実習を予定」(静岡県立農林環境専門職大学/同短期大学部・鈴木学長)

世界のどこにもない大学をつくる

最後に、全学長が自学の教育理念について述べ、ミーティングを締めくくった。一部を紹介する。

「健康に関わる包括的な考え方を養い、スペシャリストとゼネラリストの両方をめざす」(高知リハビリテーション専門職大学・小嶋学長)

「世界のどこにもない大学をつくる。学生は全員が起業をめざす」(情報経営イノベーション専門職大学・中村学長)

「現在の情報学はまだ完成していない。実務がプラスされることでどう変化を与えるかを探究したい」(東京国際工科専門職大学・吉川学長)

「地域共生社会の実現をめざし、社会に役立つ専門職を育成するべく、学生が楽しく学ぶ環境づくりをしたい」(びわこリハビリテーション専門職大学・山川学長)

専門職大学が足並みを揃え、質の高い教育を共にめざし広く発信するのは歓迎すべきことであり、2021年以降も続々と開学、新設を予定している(下表参照)。
一方の受け手である、高等学校の進路指導の先生方は今、専門職大学をどのように認識しているのだろうか。
当社が実施したアンケート調査の集計結果をぜひご覧いただきたい。

2021年開学専門職大学/専門職短期大学
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