【専門職大学特集】高校教員対象アンケート集計結果|大学Times

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大学Times Vol.39(2021年1月発行)

【専門職大学特集】高校教員対象アンケート集計結果

当社では、専門職大学制度施行以来、高校教育現場での専門職大学の認知度合について経年調査している。
今回は、2019年4月の開学以来まもなく2年が経過しようとしている中で専門職大学の認知度は開学前に比べてどの程度向上したのか、また、専門職大学に対する進路指導のスタンスなどについて調査した。その結果をお伝えする。
アンケートにご回答いただきました先生方には、ご多忙のところご協力いただき紙面を借りて感謝申し上げます。

【調査概要】

調査目的

専門職大学・専門職短期大学について、高等学校の進路指導現場における現状と課題を明らかにする。

調査方法

  • ●配布回収:FAXによる
  • ●調査対象:全国の高等学校4,992校
  • ●調査時期:2020年11月10日~11月27日
  • ●回答枚数:419枚(回答率9.3%)
  • ●地域別回答数:北海道…19 東北…50 関東…92 中部…83 近畿…66 中国…33
    四国…16 九州…60

アンケート集計結果

(1)専門職大学についてどの程度ご存知ですか。

●名称しか知らない教員がいまだに4割も

最初の設問のみ経年で認知度がどの程度変化したのかを確認するために過去2回のアンケートと全く同じ内容としたところ、今回が開学2年目ということもあってか「概ね知っている」が初めて半数を超える結果となった。しかし、より注目すべきなのは「名称だけは知っている」、言い換えると「名称しか知らない」という教員が未だに4割もいるという事実であろう。本アンケートは高校の進路指導部宛に送付している。もちろん回答者の中には進路指導に携わって日の浅い教員や他部署の教員が回答しているケースもあると思われるが、生徒や保護者から専門職大学に関する質問や相談があった際、進路指導教員の4割がそれに答えられていない可能性があるということになる。

●産業界との連携をどのように行っているのか不透明

なお、「よく知っている」「概ね知っている」とした回答者には、専門職大学の特色の中で知っていることおよび評価できることをそれぞれ5つの選択肢から複数回答してもらったところ「実務家教員の配置」「長期の臨地実務実習」という、既存の大学には無い特色が突出して多い結果となった。

その一方、上記の特色を最大限に生かすために必須となる「教育課程連携協議会の設置」を選択した教員はごくわずかであった。各専門職大学のWebサイトでは、連携先として誰もが知っている企業が列挙されていることは確認できるが、教育課程連携協議会により各大学のカリキュラム編成にどの程度関与しているのかなど詳細がわからなかったところもあった。これでは教員が知らない、評価できないというのも無理らしからぬことである。

(2)貴校から過去2年間の専門職大学・短期大学への進学実績はありましたか。

●少なくとも84高校から進学実績あり

アンケート回答校の割合が送付校数のうち9%なので上記グラフの結果をそのまま専門職大学進学実績割合と見ることはできないが、未回答校全てが進学実績無しと仮定しても、1.7%の高校(84/4,992校)から進学実績有りということになる。20年度までに開学した専門職大学・短期大学は11校であり、大学・短期大学全体数の中ではまだ1%にすぎないことを考えると、決して少なくない数字と言えるのではないだろうか。一方で、専門職大学を希望する生徒に対して教員の指導のスタンスはどのようなものだったのか。

(3)これまでの専門職大学・短期大学への進学希望者に対する進路指導のスタンスは。

●よく知らないから積極的な指導ができないのか

「生徒に一任」が最も多い結果となった。これに「どちらかというと他の教育機関を勧めた」という希望者への指導に前向きとは言えない回答を合わせると、設問(1)における「名称だけは知っている」「全く知らない」の割合とほぼ合致する。専門職大学制度について理解していないが故に他の教育機関を勧めたり、生徒任せになってしまっている現状が見て取れる。

実際に「他の教育機関を勧めた」回答の中にはその理由として「同じ年数で学士の単位が取得できる通常の大学の方が良いと思うから」という、誤った認識を持つ教員もいた。開学後2年近く経っても、専門職大学・短期大学は卒業時に学士(専門職)・短期大学士(専門職)の学位が付与される既存の大学・短期大学と同等の教育機関であることすら浸透していないのである。文部科学省や各専門職大学はこういった基本的なことから再度理解を求めるような施策を取らないと、なかなか進学実績は上がらないのではないだろうか。

(4)専門職大学が高校生の進路先として認知されることに必要なことは(複数回答可)。

その他の回答

※原文を編集部にて一部加工しています。

●他教育機関との間の編入・転出等交流の活性化。
●2019年までは他の教育機関と比較させていたが、2020年はどちらかというとほかの教育機関を勧めた。
●最終学歴が学士(専門職)になることを周知させる。
●他教育機関への編入制度の充実化。
●積極的な生徒への広報PR。
●学校教育法の改正によって設けられた職業大学であることを新しく知りました。良く学び生徒に活かせられるように対応できるようにしたいと考える。
●宣伝活動(TVCMや学校訪問)
●身近に学校があり、先輩たちが入学している実績が必要と思われる。
●就職先
●公立の専門職大学の増加
●高大連携などにより、生徒自身が特色に触れる機会を作ること。
●コマーシャルの増加。
●さらなる広報活動(各大学だけでなく文科省等、国や自治体からの広報も必要)
●そもそも専門職大・短大を知らない生徒保護者がほとんど→メディアなどでの周知から。
●夢ナビガイダンスなど、知るきっかけを多くするとかと思ってます。
●難易度がわからず生徒に勧めにくい。
●世間からの認知。
●情報をもっと出して欲しい。一度検討した際に情報量の少なさから、受験校にはなった。
●専門学校は年限が短く就職に直結しているからこそ人気があると思われるが、専門職大学のメリットは大卒資格ぐらいしか思い浮かばないというところを生徒に如何に周知させるか。財界・経済相マターはどうしても眉唾の意識が高い。
●新しい教育機関として実績をあげること。
●大学や短大と比べないこと。元々無理があります。
●信頼される専門職大学の増加。
●許可がおりたばかりの学校だと宣伝が足りなくなるのが問題。
●利点が知られていないので、担当者が高校等に訪問するところかと思います。
●大まかに知れるポータルサイトの存在が必要。
●宣伝
●認知向上

●早急な解決策は既存教育機関と比較してのメリットをわかりやすく世間に伝えること

過去2回(いずれも開学前)のアンケートの最後は「制度化により懸念されること」という設問内容であったが、当時多かった回答ベスト3が「既存の教育機関との違いがわからない」「生徒や保護者が理解できるか」「就職先や就職率」であった。今回の結果を見ると、開学前の懸念事項がほぼそのまま開学後まで引きずってしまっていると言ってよい。就職実績において答えが出るのは早くても1年後(専門職短期大学の場合)まで待たなくてはいけないが、そこで既存の教育機関とどのような違いが出てくるのか、それが大して変わらないとなるとますます専門職大学への進学意義は薄れてくる。従って、専門職大学・短期大学が今なすべきことは「既存の教育機関との違いをはじめとする徹底した情報公開」であろう。

上述のように産業界とどのように連携してカリキュラムを策定しているのか、学生が今学んでいることは何か、それが既存の教育機関に比べてどれだけ先進的な内容でそれが実社会に出た時にどのような差がつくのか等々・・・、各校のWebサイトやパンフレットだけでは残念ながら見えてこない。事実、本アンケートの自由記述欄にも「良い試みだと思うがいまひとつPRが足りていない」「個別の大学だけではなく、国(文科省)の広報等後押しが必要」「合同説明会を定期的に開催していただきたい」といった意見が挙がっている。そういった意味では1面で紹介した「専門職大学コンソーシアム」の役割は極めて重要となるし、文部科学省も認可へのハードルを高く設定するだけでなく、それを乗り越えて開学した学校への積極的な支援も求められる。

次頁では、継続的に『専門職大学シンポジウム』を主催しているコンテンツ教育学会理事長・高橋光輝氏を取材し、今後の専門職大学の在り方についての提言をいただいたのでご覧いただきたい。
コンテンツ教育学会理事長・高橋光輝氏インタビュー

(5)その他、専門職大学に対する疑問点やご要望がございましたらご自由にお書きください。

※原文を編集部にて一部加工しています。

●学科を増やして欲しい。
●長期実習の費用負担を明確にすること。
●就職実績を詳しく知りたい。
●2021年3月卒予定者が2名進学希望しています。
●学校説明会で「専門職大学へ移行する」と案内があった学校もあったが、実際には移行していない学校がある。私としてもまだほとんどわかっていない状態です。
●教育機関として位置付けが不明確であり、現時点で進路選択の選択肢とはなり得ない。
●専門学校のトップが大学に対抗したいがために設置した学校であるため、大学と同等などと言うこと自体が全くお門違いである。このことから始まっているため高校側から評価されないことは当然である。専門職大学は厚生労働省管轄であるため学歴にはならない。なぜその事に気付かないのだろうか。
●高等教育機関としてのレベルを維持できない大学が多数ある。専門職大学が世間にも広く認知され既存の大学と競争し、大学の淘汰や再生につながることを期待したい。
●専門学校と大きな違いを感じない。教育行政の数ある迷走のうちのひとつではないか。よい人材(生徒)が集まり成功するイメージが湧かない。
●総合学科もそうだが、ねらいや目的は素晴らしい。しかし、現状や実際に働く教員の声を聞くと課題は山積みで既存のものの方が結局良いのでは?という答えに行きつく人も少なくない。新しい教育にチャレンジすることは素晴らしいと思う一方で、既存のものを超える(もしくは同等の価値)を作ることの難しさを感じる。それが明確にならない限り知名度は上がらず、明確になれば自ずと広まるものと考える。
●卒業生が出て職業の実績が明確になってから評価が出ると思う。
●実業高校と連携させるべき。座って授業を聞くことが困難な生徒は早く社会に出て世の中を変える努力をしてほしい。
●魅力のあるカリキュラムでも、不透明な社会情勢の下、生徒・保護者の方は一番の安全・安定志向なっており、「ブランド」「伝統」にさらにこだわるようになっています。それよりまだ「実績」のない専門職大学は教員が説明しても、選択肢に入れて考えることすらしない状況。それ故、個別の大学だけでなく、国(文科省)の広報等、後押しが欲しいです。
●2年間(?)の学費、国家試験の合格パーセンテージ、退学者・留年等の人数公表、アクセス など
●学士が取れる以外に専門学校でダメな理由がわからない。
●許可がおりるかどうかわからない状態では生徒にもすすめ難い面があるので、早い時期にわかればよいと思う。
●専門職大学は本来理念から考えると社会人を主なターゲットとすべきかと思います。または医療系などの特定分野限定の校種とした方が理解はしやすいです。現状、高校生の進路先としては勧めにくいです。まずは高校・大学の精選が先かと思います。
●初年度のドタバタ騒ぎを見てしまっているため、第一期生の卒業後の様子を見て判断したいのが正直なところだと思う。
●今のところは必要性をあまり感じていない。どれだけ本気で取り組むのか、既存の学校との差別化をどうはかっていくのかがあまり見えてこない。
●卒業時の学士取得、実務家教員の件は知識としてありましたが、まだまだ独自の特徴があった事を知りました。もう少し訪問など周知できる機会があればと思います。
●前身の大学校や専門校と比べ、入試の難易度が上がるように思える一方、卒業後の進路について企業等の評価がどの程度上るかがわからない。
●大学とまちがえやすいので名称をかえてほしい。専門学校の方がよい。
●設置理由、目的等に必要性を感じない。そのような財源があるなら既存の学校の方にまわして授業料の減額等を行ってほしい。
●制度が始まったばかりでどのように運用されていくのか見えにくい。校数が少ないこともあり現段階では生徒に勧めにくい。
●専修学校に対するアドバンテージがいまいち明確ではない。専修学校に進む生徒の多くは経済的事情が背景にあり専門職大学へ進ませることは難しい。また、高校生(と保護者)に認知されていない現状を考えると「大学」として生徒に紹介することは今後の課題と思われる。
●入試・授業料等の情報、学校の魅力。
●企業などの評価が不透明で積極的に勧めることができない。
●最近知ったばかりで1から知りたいと思います。基本的なことから特集して下さい。
●大学等への希望が多い。それを越える理由があれば教えてほしいと思います。
●専門職大学へ進学し就職を決定していくメリットや実績が不明。
●専門職大学で指導してくださる方々のどのくらいが非常勤でどのくらいが常勤、また正規教員なのかが知りたいです。
●魅力のある制度、学校だと思うが、生徒と保護者に認知度が低い。
●卒業後の進路実績について知りたいと思います。
●よく分からない所なので理解する必要性も感じていない。
●他大学が行っているキャリア教育・システム・支援とのちがい。
●大学と専門職大学の決定的なちがい又は専門学校と専門職大学の違い(疑問)・専門職大学に進学するメリット(疑問)・特定の分野だけでなく幅広い分野での専門職大学の設立、設置(要望)
●認可が出るはずが出なかったという件をきいています。数もふえて安定していければと思います。
●かつて専門士、職業実践課程などが話題になったがそれほど社会評価は定まらない。同じようなことになるのではないか。安心してすすめられない気がする。
●2021入試で指定校枠に、本校初の志願者が出現しました。またもう一人志願者があった先は認可されず、専門学校に進路変更しました。まだまだ制度的に不安定と感じます。
●専門職大学について最近まであまり知らず、少し前に案内が送付され知った。大学や短大へ進学する生徒の中で、むしろ専門職大学の方が合っていると思われる生徒もおり、研究が必要かと感じている。本校のような専門学科の高校にとっては1つの選択肢となりうると思う。
●就職先。
●専門職大学そのものが、あまり認知されていないと感じる。
●専門職大学に興味があるものの、まだその実態が不明瞭で不安が先立つのだと思う。かなり多くの実習時間でどのような学生生活になるのか、大学や専門学校を出るのと実社会でどう差がでてくるのか、そのあたりの不安が解消されないと進路先として候補に挙がらないのではと思う。
●個人的には大学と専門学校を組み合わせた良い試みだと思っておりますが今一つPRが足りていないと感じます。
●福岡県の福岡都市圏には、認可校がないので、紹介しようがない。
●卒業後のキャリアが本当に専門学校と差別化できるのか気になっている。
●専門学校や短大、大学とどこがどのように異なっていて、専門職大学は「ここがメリット」という所がよくわからない。
●今後の展開予想・社会での需要予想。
●TVのコマーシャルで見たような気がしますが、もっと情報を発信されたらよいのではないでしょうか。専門学校のような学部もあるようですから。
●本年度国際ファッション専門職大学へ進学する生徒がいて専門職大学のことについて調べるようになりました。
●大学や専門学校も、1年や2年ごとに編入や、連続的でなくても可能なカリキュラムになれば、専門職大学も同時に考えられるかも。
●専門職大学という名称を聞くようになったが、内容がよく分からないので、詳しく知りたい。(生徒に希望が出はじめたため)
●専門職大学でなければならないことが何なのか、まだ分からないので、生徒にも勧めていません。
●現状の進路指導では専門学校の枠内で行われているが、今後、専門学校と専門職大学がどの様に差別化され認知が広まるかによるところが大きい。
●既存教育機関とどこが違うのかをわかりやすく示してほしい。(専門職大学のメリット)…デジハリ大のような既存校との違いは?
●専門職大学の特集があると助かります。
●まだなんとなくのイメージですが専門学校を4年制にして進学するという状況に感じている生徒も多い。「学士がほしいから」という選択ということもあり(生徒)、実際はどうなのかという実情を理解するに至っていない(教員側)。※専門学校で十分という考え方もある。
●今後、公立の専門職大学・専。
●M学園系列はすぐに認可されるが、他は認可されるのにすごく厳しいように感じる。
●専門職大学が集まっての合同説明会(教員向け、生徒向け共に)を定期的に開催して頂きたい。
●授業料が安くなるといいと思います。
●生徒の希望やニーズに合っているかという意味で他の教育機関と比較させた。
●特化しすぎた教育は就職先をせまくするのでは?
●正直なところ、専門学校との違いが理解できていません。