大学Times Vol.26(2017年10月発行)
1986年に工学系の単科大学として開学して以来、時代のニーズに合わせて発展を遂げてきた東京工科大学。2018年度入試よりスタートする「奨学生入試」の出願(12月20日から出願開始)がいよいよ真近に迫ってきた。1試験日の受験で、最大6学科の併願が可能な「統一型の入試」も始動するなど、新たな入試制度でシーズンに臨む。社会の変化に柔軟に適応し、世界の未来を創造する人材育成を続ける同大の入試制度を紹介する。
東京工科大学の2018年度入試が、いよいよ真近に迫ってきた。同大は、時代の要請に応える形で、1986年に工学系の単科大学としてスタートし、今日まで学部の改組や設置をはじめ、社会の変化に対応した発展・進化を実現してきた。現在は工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部の6学部に大学院、研究所を擁し、現代社会で活躍する人材育成に余念がない。
2015年4月には、次世代の社会を支えるサステイナブル工学(持続可能な社会を実現する実学)をコンセプトにした工学部設置に端を発し、全学部が教育連携し、サステイナブル社会(持続可能な社会)の実現に貢献できる人材を育成する理工系総合大学へと進化を遂げた。
同大は開学以来「実学主義」を掲げている。この「実学主義」とは、先端の知識はもちろんのこと、社会の変化に対応しながら活躍するために欠かせない深い教養や、豊かな人間性を養うもの。時代や技術革新に対応する適応力を身につけ、自己発展をしながら、先端分野で活躍し続けられる人材を育成する。
時代の変化に合わせて進化した新たな入試制度が、12月20日出願開始の「奨学生入試」を皮切りにスタートする。
同大は2018年度入試から、奨学生入試を実施する。合格者には、年額130万円の奨学金を最長4年間支給。最大で520万円もの奨学金が支給されるこの奨学金は返還の義務がなく、日本さらには世界の未来を拓く前途有為な人材の夢を全力で応援しようという同大の姿勢を表している。
募集人員は全学部全学科合計で103名。出願は年内12月20日から受け付け、試験日も1月21日という早期にチャレンジできる点が、受験生にはありがたい。また、試験は後述する「統一型」のため2学科を併願できる。併願の際に追加の入学検定料が必要ないこともポイントのひとつだ。
奨学生入試は、年内のAO入試、推薦入試で入学を決めた方でも、入学資格を保持したままチャレンジすることが可能。加えて、試験会場も八王子・蒲田の両キャンパスだけでなく、さいたま会場で受験できる点も特色のひとつといえる。
もうひとつの大きな改革として、「統一型の入試」の導入が挙げられる。これは、先に述べた奨学生入試、メインである一般入試を、「統一入試」として進化させ、受験生一人ひとりの合格のチャンスをより広げる試みである。
同大の統一入試では、学部・学科をABCのグループに分け、グループごとに選択教科・科目、出題範囲を設定。1試験日受験することで、グループ内の複数の学部・学科が併願できる。また、同一試験日である限り、併願の際は追加の入学検定料は不要だ。加えて、学科によっては入試制度や試験日などにより、選択できる教科や出題範囲が異なるため、さらに自分の得意を生かせる可能性が高まる(下表参照)。
この他にも各入試においては、受験生に嬉しいポイントがある。特に一般入試A日程は試験日が4日間あるため、複数日にわたって受験が可能な上、試験日により全国13会場[八王子キャンパス、蒲田キャンパス、札幌、仙台、水戸、さいたま、千葉、新潟、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡]で受験が可能。インターネット出願をすると入学検定料が割引になる「ネット割」や、A日程で複数日を受験する際に入学検定料が優遇されるなど、経済的な支援も整えられているので、同大Webサイトや募集要項で確認してほしい。
センター試験の高得点科目で選抜をするセンター利用試験も実施する。センター利用試験前期は2科目型・3科目型・4科目型があり、それぞれの科目型を併願することができ、併願の際は、入学検定料が優遇となる。このほか、デザイン学部では、上述の各種学力試験による入試制度に加え、デザイン学部実技試験も設定。鉛筆デッサンもしくはイメージ表現による選抜で、オリジナルの着眼点や感じ方などを総合的に評価する。3月1日が試験日の一般入試B日程(統一入試)や、センター利用試験後期なども実施するため、長いスパンで受験の機会を得られるのも、同大の入試の特長といえるだろう。