【グローバル系大学特集】副学長インタビュー 青山学院大学|大学Times

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大学Times Vol.40(2021年4月発行)

【グローバル系大学特集】副学長インタビュー 青山学院大学

青山学院大学の歴史は 、1874年創設のプロテスタント・メソジスト派の学園に源流をもつ。近代日本の歩 みの中で新しい価値観を創出し、国際教育をリードしてきた。大学創設から70年余、伝統校でありながら 先駆けて多様性理解をめざし英語教育を重視、これからの時代のリーダーを輩出するべく人材育成に取り 組んでいる。内田達也副学長に話を伺った。

青山学院大学 副学長 内田 達也(うちだ たつや)

国際政治経済学部 国際経済学科 教授
専門分野:応用ミクロ経済学, 産業組織, 企業経済論
青山学院大学 国際政治経済学部 国際経済学科卒業。青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科 国際経済学専攻一貫制 博士課程修了。青山学院大学 博士(国際経済学)。
2016年4月~2020年1月国際政治経済学部長、2019年12月より青山学院大学副学長(広報及び国際連携担当)、2020年4月より青山学院大学国際センター所長。

すべての人と社会のために
A+B→Cを生み出す

本学の根底にあるのは、キリスト教信仰に基づいた教育です。それは、学院全体で掲げている「サーバント(servant)・リーダーの育成」というスローガンにつながっています。そこに「すべての人と社会のために」というキャッチフレーズをつけているのは、私たちが掲げるリーダー像が、広い視野で自分と異なる考えを持つ人たちと一緒に社会を作り上げていく人物だからです。いろいろな人たちの考え方を集約しながら、AとBからCを生み出すきっかけを創出できる人物の育成が、本学の基本的な教育姿勢です。

多様性を尊重し教員と学生が対等に語り合う

本学の特徴として、1年生の必修科目に「キリスト教概論」があります。また、任意参加ですが、礼拝の時間が平日朝10時半から11時に設けられています。駅伝の壮行会なども必ず「祈り」から始まります。こうしたことから、学生は意識せずにキリスト教の教えを受け止めていくのではないかと思います。それを自然に受け止めていく中で、「サーバント・リーダー」の姿勢を身に付けていってもらいたいと願っています。

聖書の中には、多様性を受け入れ、他者を許していくという教えがあります。「我々は生かされている」ということもよく語られます。そうしたことから、本学の教育現場においても、教員と学生の間に上下関係はなく、いつでも対等に語り合い、議論を重ねるという特徴があります。伝統校ですが、いわゆる権威主義のようなところがない大学だと私は感じています。

異文化の入口に導くマルチリンガル教育
「青山スタンダード」

本学は第二外国語を必修として、教養プログラムに定めています。これは私の考えですが、人は言葉で思考しますので、外国語を獲得するということは、異なる思考ができるようになることだと思います。同時に、外国語は異文化の入り口でもあります。我々のめざす国際化とは、異文化を理解し、受け入れるというところにありますので、その点を重視しています。英語だけではなく多言語を学ぶ、その入り口としての環境をしっかりと作っていくということです。

英語については各学部で特色が出せるように、学部ごとにプログラムされています。第二外国語については「青山スタンダード」という教養教育の仕組みの中で、留学先大学のあるフランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、ロシア語、韓国語から選択します。

国際教育を止めない覚悟

2020年8月、コロナ禍にあっても、「われわれは国教育を止めない」ということを学院全体で決め、公表しました。国際教育が学院全体のアイデンティティのひとつであるためです。2020年度の交換留学は送り出し、受け入れともに行いませんでした。2021年度前期については、送り出しはできませんでしたが、1名の留学生を受け入れることができました。本格的な受け入れは、今年の後期からになる予定と考えています。今年は、通常のプログラムで送り出す予定で準備をしています。このような状況でも学生が留学を希望しており、諦めていないこともわかりました。また、東南アジアへの半期留学をカリキュラムの柱の一つとしている地球社会共生学部は、留学時期を見直すなどの対応を行っています。

留学の目的は
現地体験や対話を通じて成長すること

海外インターンシップ、短期語学研修などは全部中止となりました。また、「オンライン留学」は認めないという立場をとりました。なぜなら、留学というのは学習をするだけでなく、現地に行って様々な体験の中から気づきを得る、いろいろな人と対話をして成長していくことが目的だと考えるからです。しかし、学部単位の短期プログラムではオンラインを利用し、国際政治経済学部はインドネシアのランプーン大学と1週間程度の交換留学を相互に実施しました。

海外大学とオンライン連携のスタートラインに

コロナ禍で世界が同じような状況にあり、それぞれの関係先と話し合いながら進めていますので、海外の大学との関係性が深まっている良い傾向もみられます。またこの1年、オンライン授業を学生は受講し、教員は提供する立場になったわけですから、この経験を、海外の大学とどのように活かしていくかが課題です。日本全体としてもデジタル化が進み、ようやくスタートラインに立てました。コイル教育(COIL:オンラインで海外の大学と結んで授業を行うプログラム)については、東京外国語大学とICUの取り組みに本学も協力し、一緒に行うことも始めています。

これからはどこにいてもグローバル社会
教職員も国際性の意識を高める

これからは海外で仕事をするだけでなく、どこにいてもグローバルな社会です。海外の人が日本に来たり、オンラインでつながっているという実感を持ち、いろいろな人を受け入れて職員は仕事をし、教員は共同で研究を行い、国内に閉じないで世界の人々と協働しましょう、ということを「青山学院大学のグローバル化ポリシー」に掲げています。職員のTOIECRスコア取得補助や、学生向けの英語プログラムを職員にも開放しています。さらに関係大学と協定を結ぶ際、職員の交流も含めて実施しています。

世界の人々と協力して新しい価値を見出す
新しいリーダーを育成

コロナ禍は貧困などと同様、一国だけでは解決できない問題であり、SDGsの課題と捉えることができます。こうした問題は世界のトップが何かを決めて解決できる問題ではなく、我々一人ひとりが意識を変え、その場で小さな課題から解決していかなければなりません。私の問題は世界の問題であって、世界の問題は私の問題であるという実感を持ち、問題に取り組む学生に育ってほしいと思います。国際教育とは、異文化を知り世界の人たちと視野を広げて共感していく力を養っていくことであり、何がそこで起こっているか、人々がどのように関わっているかを知ることが重要です。「サーバント・リーダー」として、いろいろな国の人と協力して新しい価値を見出していくことができる人材になってほしいと思います。コロナ禍によりデジタル化が進み、どこでもリアルタイムにつながるようになりました。オンライン上のものとリアルなものが混在し、ハイブリッドな社会になっていく。その中に主体的に参加して、新しい価値を共に創出してほしいです。

本学の教育理念とSDGsは親和性があって、我々が常日頃行っている教育とSDGsはつながっていると考えています。

自ら考えて課題解決にチャレンジする高校生は本学へ

入試改革(高大接続)に積極的に取り組んでおり、入学者選抜の方法も見直しました。その理由は、「自ら課題を発見して解決していく学力」を重視しているからです。そういう力を持つ学生を受け入れて、さらに伸ばしていきたいと考えています。世界の様々な課題解決に向けて探求的な姿勢を持った高校生にぜひ来てほしいです。大学ではそうした方法や、知識を学問的に身に付けて、他者と新しい価値を見出していく、そうしたチャレンジをしたい人は、ぜひ本学をめざしてください。