【グローバル系大学特集】学部長インタビュー 神田外語大学|大学Times

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大学Times Vol.40(2021年4月発行)

【グローバル系大学特集】学部長インタビュー 神田外語大学

2021年4月、神田外語大学の新学部「グローバル・リベラルアーツ学部」が始動した。「平和のためのグローバル教養」をテーマに掲げ、全学生による1年次前期後半の海外研修と3年次後期のNY州立大留学が必修というアクティブな教育プログラムを展開する予定だ。コロナ禍が収束しない状況のなか、プログラム実施に向けてどのような対策を講じているのだろうか。ロバート・デシルバ学部長に話を伺った。

神田外語大学 副学長/グローバル・リベラルアーツ学部長
ロバート・デシルバ教授

米ニューヨーク出身。ジョージタウン大学で日本語を専攻。卒業後、外国語指導助手(ALT)として来日。一時帰国しミシガン大学大学院とフィンランドのユバスキュラ大学で言語学を学び再来日。神田外語大学開学の1987年から教壇に立つ。専門は応用言語学。神田外語大学副学長。2021年4月よりグローバル・リベラルアーツ学部学部長就任。

3年次後期のNY州立大留学に向けて
アカデミック・イングリッシュを重点修得

1,2年次は英語の授業が多いのが特徴です。アカデミック・イングリッシュ修得をめざし、読むこと、話すこと(ディスカッションとプレゼンテーションができる)を徹底して学びます。グローバル・リベラルアーツ学部(以下GLA学部)では、全員が3年次後期にニューヨーク州立大学へ留学することになっており、そこでは現地学生と同じ授業を受けることになるからです。2年生からはCLIL(Content a nd L anguage Integrated Learning)という、米国大学の科目の形の授業もスタートします。

1年次前期後半の海外研修
「海外スタディ・ツアー」で研究テーマを模索

もう一つの特徴は入学後の6月~7月に実施する「海外スタディ・ツアー」です。あらかじめ用意した4カ国・地域から、学生全員が希望した1つの国・地域へ行き、3週間にわたり研修します。それぞれの場所で特徴ある体験をしながらグローバルな課題を発見し、その後「自分は世界に対して何ができるか」を考え、帰国後の学びにつなげていきます。「海外スタディ・ツアー」で行く場所は、次の4カ国・地域を予定しています。

①リトアニア「 人道」
かつて杉原千畝が赴任した日本領事館のある町、カウナスの大学で学びます。旧ソ連の一部であった場所で、1950年代まではシベリア抑留がありました。虐殺が行われた要塞跡地を訪れて悲しい歴史を学び、さらにコンピュータ産業が発展した現在の様子と比較し、戦争からどのように立ち直ったかを探ります。

②エルサレム「 宗教」
エルサレムはキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地です。世界中から留学生の集まるヘブライ大 学で学びます。

③インド「 多文化共生」
中堅都市プネーの大学で学びます。学生の街ですが経済発展の著しい地域で、IT企業が多いのが特徴です。インドは貧富の格差があり、研修中はNGOに参加して貧しい地域の人々のサポートや、学校に通えない子どもたちのための教育施設「ドアステップスクール」を訪れます。

④マレーシア「 サステナビリティ」
ボルネオ島北部のサラワーク州の大学で学びます。民族多様社会であり、中国の華僑など移住者の歴史にふれたり、熱帯雨林の開発と環境問題、観光業との共存の取り組みなどの現場を体験します。

2021年は限定特別プログラム
「海外スタディ・ツアー2.0」を実施

今年は「海外スタディ・ツアー」で海外に行くかわりに、4カ国・地域の大学を1週間ずつ、合計4週間にわたるオンライン授業「海外スタディ・ツアー2.0」を予定しています。すべて英語のアクティブ・ラーニングですので学生は事前の準備が必要で、英語で質問も行います。時差の大きい地域の週は、本学の国際研修施設「ブリティッシュヒルズ」で合宿するなど、現地学生との対話も予定しています。さらに、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた段階で、この「海外スタディ・ツアー」の現地へ行く機会を設ける予定です。

GLA入門講座「グローバル・ヒストリー」

1年生後期には「グローバル・ヒストリー」という、GLA学部必修の入門講座を用意しています。この授業は高校の教科書のような「世界史」ではありません。グローバルな問題を考えるときに、知っておかなければならない事実をはじめ、国際問題の背景をその分野の専門家から学ぶ講座です。週2コマ、全30回にわたりしっかりと学びます。

ゼミは2年生後期から
卒論テーマをもって長期留学へ

3年生後期は全員が長期留学となりますので、ゼミは2年生後期から始めます。さらに留学先の大学でのアクティブ・ラーニングを想定した「講読演習」の授業があります。文献などをあらかじめ深く読み、英語でディスカッションを行います。そして3年前期までにキャップストーン(卒業研究)のテーマを決定し、後期は全員がニューヨーク州立大学へ長期留学をします。


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21世紀の学びに即した
「グローバル」と「リベラルアーツ」

グローバルの学びは世界を考えるためのものですが、もう一つは「リベラルアーツ」の学びです。元々は米国の教育スタイルであり、学問分野を幅広く学ぶことが特徴です。基礎教養科目には哲学、宗教学をはじめ、アジア・ヨーロッパなど地域研究、平和を学ぶピーススタディーズもあります。さらにGLA学部のみの教養科目もあり、21世紀ならではの数学的思考や、コンピュータサイエンス、データサイエンスなど社会学的なデータの使い方を学びます。ほぼすべての授業が対話型となり、ユニークなアクティブ・ラーニングを展開します。

入学直後から自分の将来像を考え
生涯学ぶ習慣を身につける

基礎教養や外国語のほかに、キャリアデザインの専門授業も1年生から実施します。海外生活を経験し、民間企業でキャリアを積んだ宮内学長の講座もあります。入学直後から自分の将来像について考える機会をもち、たとえば外交官、国家公務員、地方公務員、民間企業など、GLA学部が想定する国際との繋がりが不可欠な職業のための学び方を示します。また本来「キャリア」とは「人生そのもの」を指しますので、これまで何を学び、人生を豊かにするためには今後何を学んだら良いかというライフスタディをめざし、神田外語大学独自の学習履歴システム「KUISPortfolio」にまとめて、リフレクション(反省、反芻)を習慣づけます。

毎日英語のニュースを聴く習慣と読書を
高校生のうちに英検2級以上

海外に興味があり、外に出て世界を体験したい好奇心旺盛な人は、GLA学部に向いていると思います。総合型選抜(プレゼンテーションを選考に取り入れた選抜)の出願基準を英検2級以上と設定していますので、まずはそれ以上をめざしてください。また世界の出来事に関心をもち、英語のニュースを聴く習慣をつけましょう。スマートフォンなどで聴くことも可能です。英語で「話す」ことは大学入学後にたくさん経験します。日常的に英語を話す環境が整っているので、「話す」に関しては、GLA学部で鍛えることができるでしょう。

さらに、最近は読書習慣の少ない人がいると思いますが、海外の大学生はたくさん本を読みますので、留学先で困らないよう、今から本を読むことをぜひとも心がけてください。