【グローバル系大学特集】理事・副学長インタビュー 法政大学|大学Times

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大学Times Vol.44(2022年4月発行)

【グローバル系大学特集】理事・副学長インタビュー 法政大学

国際社会に通用する人材の育成は、今この時代の総合大学における命題だ。法政大学もまた、自らの掲げるグローバル戦略に従い、多くの人材を送り出している。ではその戦略の中心に位置する「グローバル教育センター」では、どのような取り組みが行われているのか。同大学で常務理事、副学長、グローバル教育センター長など多数の役職を兼任する、ダイアナ・コー氏に話を伺った。

法政大学 常務理事・副学長・グローバル教育センター長
ダイアナ・コー

法政大学 常務理事・副学長・グローバル教育センター長 ダイアナ・コー

1983年香港大学社会学科卒業。1985年同大学院社会学研究科修士課程修了、1987年スタンフォード大学大学院社会学研究科修士課程修了、1994年同大学院社会学研究科博士課程修了、Doctor of Philosophy。1999年に法政大学第一教養部専任講師に就任。以降、同大学で第一教養部助教授、法学部教授、グローバル教養学部長等を歴任。2021年同大学常務理事、評議員、副学長に就任。

海外で活躍できる人材教育の場を提供し、学生を支援する

貴学のグローバル教育センター設立の背景や目的について教えて下さい。

本学では1970年代から、国際交流センターが外国人留学生の受け入れ、学生の海外派遣支援、法政大学国際交流基金(HIF)制度や協定校からの交換留学生や外国人研究者の受け入れを積極的に支援してきました。2012年設立のグローバル人材開発センターでは、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成を図るべく、英語強化プログラム(ERP)、国際ボランティア、インターンシップ・プログラムなど、多彩なグローバル人材育成のための教育プログラムを提供してきました。

その後、本学のグローバル化をさらに深化させるため、国際交流センターとグローバル人材開発センターの功績を引き継ぎ、2014年にグローバル教育センターを発足させました。グローバル教育センターの主な役割は、法政大学の研究や教育を海外に発信するとともに、海外で活躍できる人材を教育する環境を提供し、支援していくことです。

法政大学は2022年2月現在、47の国・地域の260の大学・機関との間で学術一般協定、学生支援協定を締結しています。従来から行ってきた海外からの留学生や研究者の受け入れおよび本学学生の派遣支援をより積極的に支援するとともに、留学生の生活面の充実にも力を入れています。

各種留学制度やネイティブ英語授業など
7つのプログラムでグローバル能力を育成

グローバル教育センターは、具体的にどのようなプログラムを提供しているのでしょうか?

主なものとして、7つのプログラムを提供しています。

①正規留学プログラム(派遣留学・認定海外留学)
派遣留学制度(協定校留学)は、2年生と3年生の応募者の中から選考のうえ、3・4年次に奨学金を支給し、各協定大学に1年間または半期派遣する、本学独自の留学制度です。奨学金は派遣先大学により70~100万円(半期の場合は半額)が支給され、派遣先の授業料は全額免除されます。
留学先の大学で修得した単位は審議の上、学部により30~60単位を限度に本学の卒業所要単位として認定されます。派遣留学先の数は、22地域・国の65大学・機関に上ります。認定海外留学は、学生が希望する留学先の大学から入学許可を受け、1年間または半期留学する制度です。こちらも留学先大学で修得した単位は帰国後に、本学の単位として認定されます。

②国際インターンシップ、国際ボランティア
学生が海外での様々な体験を通して世界を違う視点から見ることで、グローバル人材を養成します。

③英語強化プログラム(ERP)
ネイティブスピーカー講師による、英語スキルの養成とその統合を目的としたプログラムです。学生のレベルに合わせて、1クラス15名程度で、双方向の4技能統合を重視したすべて英語で実施する授業を提供します。

④グローバル・オープン
「世界のどこでも生き抜く力を身につけたグローバル社会のリーダー」を育成することを目的とした、学部横断型の公開科目群です。単位を一定数修得することで修了書が発行されます。

⑤海外留学ファーストチャレンジ奨励金
入学後早期からの主体的な海外留学・海外研修活動への参加を奨励し、その後の更なる国際交流活動を動機づけることを目的に、学外機関が主催する海外留学・研修プログラムに参加・修了した学生に奨励金を支給します。

⑥春季・夏季短期語学留学
夏季と春季の休暇中に大学附属の語学教育機関で実施される、2~4週間程度の短期の語学研修プログラムです。対応言語は英語、中国語、朝鮮語、ドイツ語、フランス語です。

⑦短期交換留学生プログラム(ESOP)
ESOPでは、日本の文化、社会、政治、経済などのテーマを中心とした科目を英語のゼミ形式で学びます。本学学生もESOPに積極的に参加するので、日本国内にいながら交換留学生と共に学ぶことでグローバルな視点を身に付けることができます。

さらにこれらとは別に海外学生向けのプログラムとして、本学生が交換留学生とバディを組んでサポートを行う「HUBs」、日本語・文化短期プログラムなども行っています。

コロナ禍からオンライン転換を進め
海外学生との交流機会をより充実化

貴学のグローバル教育を経て、学生はどのように成長していると感じますか?

留学経験や多文化に触れることによって、学生は、どこでもやっていけるという自信を持つことになります。特に留学や国際インターンシップ・ボランティアを経験した場合は、違う文化、社会や大学の制度で、さまざまな学習・活動上や日常生活上の諸問題を経験し、それらを解決することが大きな自信につながりますし、慣れない環境への恐怖感や不安をやわらげる自分の問題解決力を信じることができるようになります。世界のどこでも生き抜く力と自信を持つことによって、自分の将来についてもっと幅広く想像できることになります。

コロナ禍においてグローバル教育のあり方に変化はありましたか?

水際対策強化によって、入国や渡航ができないため、できるだけオンラインに転換することになりました。オンライン授業を提供している協定校、国際インターンシップ・ボランティア、短期交換留学生向けのプログラム、短期語学留学プログラムはオンラインで行っています。他の学内プログラムは感染状況によって、オンラインもしくはハイ・フレックスで行います。オンライン・ツールを活用して学生交流の機会を以前より充実させていますので、従来であれば海外に行かない学生も海外の文化に触れる機会や海外の学生と交流することができるようになりました。

多様な学生間の交流を促し、
全ての学生にどこでも生き抜く力を身につけさせたい

貴学におけるグローバル教育の今後のビジョンをお聞かせください。

あらゆる側面からグローバル社会を体験し、グローバルな視点に気づくことのできる環境をつくることで、全ての学生に「グローバルマインドセット」を養うことです。英語学位学部・プログラムやグローバルオープンの授業で多様な視点を身につけることはもちろん、学生の交流やさまざまな課外活動を通じた多文化への理解や考え方の柔軟性などを養うことも重要です。法政大学は本学学生の留学や海外から学生の受け入れについて長い歴史を持っていますし、今は多彩なプログラムも実施しています。これらのプログラムは今後も続けていきます。

またこれらに加えて、在学中誰もが日常的に国際情報に触れる機会提供の体制を強化し、オンラインを有効活用したグローバル体験の機会提供に向けた支援および取り組みを行いたいと考えています。特に、法政大学の中にも留学の在留資格を持つ外国人留学生と日本国籍を持つ日本人学生以外もさまざまな海外経験や多文化ルーツをもつ学生がいるので、これらの多様な学生間の交流を促すさまざまな企画を通じて、全ての本学学生にどこでも生き抜く力を身につけさせることを目指します。

高校生へメッセージをお願いいたします。

まずはしっかり勉強をしてください。勉強したことをいつ「使える」かはわかりませんが、一生自分のものになります。語学はもちろん重要ですが、語学以外のあらゆる科目・分野もしっかり勉強し、学術的な基礎能力を養ってから大学に入ると、自分の可能性をもっと発揮できますし、大学が提供する多彩な学びプログラムやさまざま活動にも参加しやすくなりますので、もっと楽しくなります。高校生のうちに、学校の勉強だけではなく、社会、世界で起きていることにも関心を持つようにしてください。そして大学を選ぶ際には、特定の学部だけではなく、学部を越えた学びプログラムや、大学全体で行っている学生の能力を伸ばすための様々な取り組みにも目を配るよう心がけてください。