看護・医療系特集スペシャルインタビュー
~ヒューマンケアの理想を目指す~
看護職としてのキャリアの一歩を国立看護大学校からふみ出しませんか
~国立看護大学校~

大学Times Vol.46(2022年10月発行)

【看護・医療系特集】学部長メッセージ 国立看護大学校

100年を超える日本の看護界にあって、「新しい風であってほしい」と願いを込める国立看護大学校。パンフレットの表紙には【ヒューマンケアの風になる:The wind of human caring】と記されている。新たな世紀に生まれた学生が、「病める患者さんにとって、さわやかな優しい癒しの風になってほしい」との意味。国立看護大学校の求める学生像について飯野京子看護学部長に話を伺った。

国立看護大学校 看護学部長 飯野 京子(いいの けいこ)
国立高度専門医療研究センター、厚生省勤務を経て、2001年から国立看護大学校で教育に従事。専門はがん看護学、成人看護学であり、研究課程部にてがん看護専門看護師教育課程担当。

国立看護大学校は、21世紀の幕開けである2001年に、厚生労働省により設置されました。その目的は、国立高度専門医療研究センター*における高度先駆的医療の現場や広く海外で活躍できる看護職を育成することです。本学の教育理念として、「ヒューマンケアの精神に貫かれた看護の実践ができる人材の育成」を掲げています。これは、人間という存在を丸ごと理解し、受け止め、そして、それぞれの対象に合わせた看護ができる人に育ってほしいということです。

本学のパンフレットの表紙に記載されている【ヒューマンケアの風になる:The wind of human caring】というキャッチコピーは、新たな世紀に生まれた本学の学生が、「病める患者さんにとって、さわやかな優しい癒しの風になってほしい」ということ、 100年を超える日本の看護界にあって「新しい風であってほしい」という願いがこめられています。

*国立高度専門医療研究センターとは、国の医療政策の中心的施設であり、国立国際医療研究センター病院/国府台病院、国立がん研究センター中央病院/東病院、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センターのこと。

看護師になるための学び

看護師になるための履修は、生命科学、人文科学、保健学、倫理学、情報学などの幅の広い学びを基盤とします。そして、看護の専門科目まで講義・学内演習により積み上げながら履修し、臨地実習において実際の看護経験を通じて学びを統合するとともに、自らの看護観を養っていきます。看護実践の場での実習には、知識・技術・態度のすべての側面を学習したうえで臨むことが不可欠であり、重要です。

また、看護職は高い倫理性を求められる職業であり、日々進歩している医療に対応するためには、自学自習を続けることが必須です。人々を理解し、寄り添い、柔軟に対応できる能力も期待されています。本学は、これらの能力を4年間にわたって切磋琢磨できる学生を求めています。そのためには、人や社会に関心を持ち心身ともに健康であること、そして、科学的・論理的思考を有し、自らの言葉で的確に表現することができることが重要であると考えています。また、臨機応変に対応できること、多様な人々との連携に必須であるコミュニケーション能力を有していることと、誠実で、かつ積極的に学修する習慣が培われていることが必要です。

多様なキャリア形成を目指せる仕事

学生は、高等学校までの学びを経て、看護職となるための学業を修め、倫理観を涵養していきます。そのプロセスで、自己への理解を深め、看護職としての適性を考えながら、今後のキャリア形成への期待や疑問・不安など多くの克服すべき課題に直面することがあります。本学では、チューター制度をとっており、1名の教員が12名程度の学生を担当しながら、一人一人の学業や心身の個別の相談に対応するためのきめの細かい支援を行っています。4年間を通したかかわりの中で、それぞれが自らの適性をふまえたキャリアを目指せるように心がけています。

看護職として就職したのちには、専門看護師、認定看護師、認定看護管理者等の資格を取得し活躍する人も増えるなど、多様なキャリア形成が可能となってきています。人生100年時代に向けて、これからの時代を担う若い人たちの活躍を期待しています。

卒業生の進路(H25年度以降)
国立国際医療研究センター病院/国立がん研究センター中央病院/国立がん研究センター東病院/国立成育医療研究センター/国立循環器病研究センター/国立精神・神経医療研究センター/国立国際医療研究センター国府台病院/国立長寿医療研究センター ほか