理工系大学特集
メディアを学問として取り扱う国内初の「メディア学部」。4年制大学・最多!「 東京ゲームショウ」16年連続出展を中心に解説
~東京工科大学~
大学Times Vol.46(2022年10月発行)

理工系大学特集
- スペシャルインタビュー 文部科学省
- メディア系学部として日本で初めて設置された「メディア学部」 東京工科大学
- 学部長インタビュー 玉川大学
時代の要請に応え、6学部と大学院・研究所での充実した研究・教育を通して、社会で活躍する人材を多数輩出してきた東京工科大学。メディア系学部として1999年に国内で初めて設置されたメディア学部。4年制大学では最多の「東京ゲームショウ」16年連続出展をはじめとする多様な学修を実践する同学部の特長について解説する。
「実学主義」の学びでスペシャリストを輩出
東京工科大学は、1986年の開学以来、社会が求める深い教養と豊かな人間性を兼ね備えた、変化する社会で活躍し続けるスペシャリストを輩出してきた理工系総合大学である。「実学主義」を教育・研究の柱に据え、専門知識はもちろんのこと、国際的な教養、ICT(情報通信技術)リテラシーについても育むカリキュラムを展開している。
4年制大学で最多の16年連続出展
東京工科大学メディア学部は、本年9月15日から18日まで、千葉県の幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2022」に出展。同学部は、2003年よりゲーム制作の総合的な教育や研究に取り組んでおり、「東京ゲームショウ」には2007年に国内の4年制大学として初めて出展して以来、16年連続で出展を続けている。
コロナの影響でこの2年間はオンライン出展だったが、今年は3年ぶりのリアル開催となり、1年生~3年生200名余りが履修する「プロジェクト演習(インタラクティブ・ゲーム制作)」の成果として、3年生が制作したゲーム6作品を公開展示。ものづくりの実践的な現場を想定した6~10名のチームで制作した作品を「東京ゲームショウ」で発表し、来場者からフィードバックを受け、今後の大学での学びにも生かしていく。
そのほか、VRコンテンツ、AIや機械学習、プレイヤーの生体情報の分析など各種技術をゲームに活用する研究成果などについても展示・プレゼンテーションを行い、好評を博した。

国内初のメディア系学部。ゲーム、サウンド、映像、人工知能やSDGs関連のテーマも開講
メディア学部は国内初のメディア系学部として1999年に誕生。文理芸融合の学びで、あらゆるメディアコンテンツを追究できる環境を整えてきた。今回のゲームショウでの出展は、前述の「プロジェクト演習(インタラクティブ・ゲーム制作)」によるものだが、このプロジェクト演習はゲーム関係以外にもサウンド、映像関連、人工知能やSDGsにまつわるものなど、2022年度は40を超えるテーマが開講されている。1年次から自身がめざす分野の専門的な制作や問題解決などに携わることで、求められる能力を一層高めることが可能だ。加えて、チーム内での協調性やコミュニケーション能力を磨き、さまざまな経験も蓄積できるという、非常に特色ある科目となっている。
自らの興味や目標に応じた挑戦が可能
メディア学部の学びの大きな特長は、最初に全学生が技術中心の基礎科目をしっかり学ぶことにある。基礎を確実に身につけることができるため、高校時代に文系であっても理系であっても、自らの興味や目標に応じてさまざまなメディア分野へ進むことが可能である。入学後、基礎を学んだうえで選択する3つのコースでは、学生の関心の対象や領域別に、より専門性の高い内容を学ぶことができる。
◆メディアコンテンツコース
魅力的なコンテンツの制作を可能にする知識・技術・経験を修得し、コンテンツ制作表現技術を中心に学ぶコース。メディア技術を生かして、ゲーム、アニメーション、CG、映像、音楽、Webなど魅力的なコンテンツや表現手法を創り出す。
◆メディア技術コース
世の中に新しい豊かさや感動をもたらす、革新的なメディア技術の創造者をめざし、人々の暮らし、社会に豊かさや感動を広げるメディア技術の創造を学ぶコース。アプリケーション、音響、音声、ゲーム用デバイスなどに関する幅広い知識と技術を修得する。
◆メディア社会コース
社会とメディアの接点を見つめ、人々に貢献するサービスやビジネスを形にしていく。メディアで人と社会を結び、「情報を広めること」を主眼に置いて学ぶコース。これからの広告、教育、ソーシャルサービス、ビジネスを支える革新的提案を行える能力を修得する。社会に大きなインパクトを与えるソーシャルコンテンツの制作・デザイン技法を、技術面と社会的な応用法の両面から学ぶ。

「学びたい」意欲をもった学生をアドバンスドな環境が後押し
独自性の高い教育・研究を掲げるメディア学部だが、成績優秀な希望者については、早期から研究室に所属できる制度も設けている。これは「先端メディア学」「先端メディアゼミナール」という科目で、低学年次から研究を中心とした学修を可能とする。1年次から段階的に研究分野に必要な知識や素養を身につけ、担当教員指導のもと、最終的に学会発表を実現するレベルの研究成果をめざしていく。また、学部を3.5年、大学院(修士課程)を1.5年の計5年で修了する「学士・修士一貫早期修了プログラム」も用意しており、学びたいという強い意欲をもった学生を後押しするアドバンスドな環境が整っていることも見逃せない。
「国内初」から「国内最高級の質」へ。東京工科大学メディア学部への期待がますます高まっている。