グローバル系大学特集副学長メッセージ
コロナ禍を経て、進化するグローバル教育
~国際教養大学~
大学Times Vol.54(2024年10月発行)
国際教養大学が考える真のグローバル教育とは
本学は「グローバルリーダーの育成」をミッションとして掲げています。グローバルリーダーは学修に関する資質のみならず、人格形成に関する資質を十分に持ち合わせた人材でなければなりません。国境を越えたコミュニケーションや知識の修得に不自由しないよう、ディスカッションを含めて授業はすべて英語で行われ、必修である1年間の留学では専門的な勉強をこなしつつ、外国で自活する経験を通して多様な価値観や文化を肌で感じ、学生は人間的に成長していくのです。
国際教養大学 副学長 教授
熊谷 嘉隆
2021年4月から、これまで取り組んできた国際教養教育を一歩先に進めるため、「応用国際教養教育(AILA:Applied International Liberal Arts)」と命名した教育手法のもと、カリキュラムを再編しました。国際教養学科は「グローバル・ビジネス」「グローバル・スタディズ」「グローバル・コネクティビティ」の3領域を有します。グローバル・ビジネス領域は「ビジネス」「経済学」、グローバル・スタディズ領域は「グローバル社会」「政治学と国際関係論」「サステナビリティ(持続可能性)」分野の科目を充実させます。また、グローバル・コネクティビティ領域は「人、文化とコミュニケーション」「科学技術と社会創造」の2分野から構成されており、文化・文学・哲学といった人文科学とAIや最先端技術を接続させながら学び、私たちの社会と技術のあり方を考え創造する力を養います。
本学ならではのカリキュラムの核心を再認識
約3年間のコロナ禍を経て、2022年4月からは対面を基本とした授業形態に戻し、世界200以上ある海外提携校との交換留学も、現在は平常時レベルまで回復してきています。全国各地、世界各地から集まる学生たちが形成する多文化共生空間は、まさに本学を象徴するキャンパスの日常風景なのです。
「グローバルリーダー」としての資質のうち、学修に関する資質の修得のみならば、コロナ禍同様にオンライン授業を受けるだけで事足りるかもしれませんが、人格形成に関する資質を修得するには、留学や寮生活などリアルな対人関係の経験が不可欠です。留学や寮生活を通して、例えば、ルームメイトとの生活に関わる日常のルール作りなど、人とのぶつかり合いの中で得られるものがあるとの考えから、1年次の寮生活や1年間の留学義務など、本学のカリキュラムの核心となる部分は開学以来変わらずに徹底してきたところです。
本学ではこのように、グローバルリーダーたる志に応える充実した教育環境と、情熱と可能性を秘めた人材のための多様な入試制度を用意しています。世界を舞台に活躍することを目指す皆さん、ぜひ国際教養大学に挑戦してください。