【インタビュー】 スポーツプロモーションに特化した大学が誕生!|大学Times

大学Times Vol.4(2012年2月発行)

【インタビュー】
スポーツプロモーションに特化した大学が誕生! 2012年度新設大学・学部・学科に見る傾向は地元就職を意識した大学づくり〜通信制のユニークな体育大学も誕生

スポーツ界を活性化するコーディネーターを育成 スポーツプロモーションに特化した大学が誕生!

日本ウェルネススポーツ大学 柴岡三千夫学長

日本ウェルネススポーツ大学 柴岡三千夫学長

スポーツはアスリートやチームだけで成り立っているものではない。今年4月、茨城県利根町に開学する「日本ウェルネススポーツ大学」は、競技を裏舞台から支える仕事、スポーツコーディネーターの育成をめざす通信制の大学である。スポーツが得意でなくとも、スポーツが好きだ、または、スポーツ関連の仕事に携わっていきたいという高校生たちにとって、朗報ともいえる選択肢の誕生ではないだろうか。当大学の開設に至った趣旨、今後の展望等を学長の柴岡三千夫氏に伺った。

スポーツプロモーションに精通した人材を

日本ウェルネススポーツ大学が、他の体育大学と違う特徴と開設の経緯を教えてください。

一般的な体育大学は、アスリートの育成と将来の体育教師をめざした教育を主眼にしていると思いますが、本学はスポーツプロモーションの知識を学び、スポーツ業界を裏で支えるスポーツコーディネーターを育成することを目的としています。スポーツの発展にとって、実技指導のコーチ型の指導者やマネジャー型の指導者も必要であることは間違いないですが、それで十分なわけではありません。全国のスポーツ指導者は約14万7千人と言われており、そのうちの約12万6千人が競技種目別指導者なのです。これは、我が国におけるスポーツ指導者の大半が種目の技術指導を中心とする直接的なスポーツ指導者であることを意味しており、スポーツプロモーションを担う人材養成が大幅に遅れていることが判ります。実際、プロスポーツチームのフロントからもスポーツプロモーションを学んだ若い人材を求める機運が高まってきています。

近年のライフスタイルの多様化に伴い、スポーツ享受のさらなる多様化と高度化が予測されています。新しいビジョンに向けたスポーツプロモーションのためには、「スポーツコーディネーター」の役割が大切であり、その養成が重要という背景がありました。

体育大学で通信制というのは、どういう意味があるのですか?

通信制といっても、一般的なスクーリング期間を集中させるのではなく、平日休日に関係なく、いつでも学校で学べるカリキュラムにしています。スポーツに打ち込みたい学生は単位を取りつつ、思う存分活動できる環境が揃っています。

また、本学はスポーツに特化した大学としては、日本で初となる通信制学習システムを導入し、たとえば、トップアスリートが昼間の大学に通えないとか海外遠征が多い場合などにも大学卒業という夢をかなえられるよう体制が整っているのが特徴です。  学費も一般的な体育系の大学の約半分に抑えられたのも通信制の利点です。

実学で身につけるコミュニケーション能力

プロモーション学部プロモーション学科とはどのような特色があり、また、どんな人材の育成を目指していますか。

スポーツプロモーションのコーディネーターを養成するというのが方針ですから、コーディネーターにとって必要不可欠なコミュニケーション能力の向上に力を入れたゼミを展開させていきます。チーム対抗のディベートを取り入れ、様々なテーマを設定して徹底的に話す機会を創出することで、自分の意見をしっかりと発言できる人材に育成していきます。

また、スポーツに関連した様々な分野の教員を意図的に布陣しました。大学研究者、大学教授、アスリート養成の教員、スポーツジャーナリスト、スポーツ関係の企業に携わっていた人物、法律関係者などがいます。この多彩な教員陣によって学生たちの視野を広げていきます。主体性・包括性・戦略性を身につけるためにメディアリテラシー、スポーツに関連した法律なども学んでいきます。

サッカーのJ1かJ2のチームの一試合だけを任せてもらい、学生たちがプランニングするという企画を練っている最中です。チケット係、試合前のファンサービス、会場の設営から観客の誘導、スタジアムの警備、終わったあとの片づけなどすべてを学生たちが行うという企画です。そうすることで学生たちはグラウンドとスポーツプロモーションのバックヤードが同時に見られるわけです。これが実現すれば、学生たちは非常に大きな体験をすることになると考えています。

また、茨城県利根町と協力提携を結んでおり、町のさまざまなイベント等を町内の方と学生が手を組んで企画・運営を進め、地域活性化のお手伝いをしていくつもりです。

●資格取得、卒業後の進路はどのようにお考えですか?

大きい資格でいうと社会教育主事というのがあります。これは公務員資格になりますね。スポーツ関連の資格でいいますと、健康運動実践指導者、アシスタントマネジャー、幼児体育指導者1・2級、障害者スポーツ指導員の資格取得なども目標としています。

就職に関しまして、本学の母体であるタイケン学園は平成10年開校以来、全国でアスリート、スポーツトレーナー、スポーツインストラクター、スポーツクラブマネージャー、幼稚園教諭、保育士、幼児体育指導者を育成してきました。こうした人材養成の実績と業界との幅広いネットワークから強力に就職サポートをいたします。考えられる就職先としては、トップスポーツの管理・監督者、公共・民間のスポーツ施設管理者などが挙げられます。また、スポーツメーカーの就職はほとんどが大卒なので、その点も有利ではないかと。「キャリア連携センター」も準備していますので、学生たちは思い切って学習や課外活動に打ちこめる環境があります。

【プロフィール】

柴岡三千夫(しばおか みちお)

1998年 学校法人 タイケン学園 理事長
2012年 日本ウェルネススポーツ大学 学長