【獣医学特集】社会的評価の高い「獣医師」高い倍率での競争も諦めずに受験しよう|大学Times

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大学Times Vol.24(2017年4月発行)

【獣医学特集】社会的評価の高い「獣医師」高い倍率での競争も諦めずに受験しよう

【国公立編】将来は「獣医師」か「研究者」で志望校選択を【2017年度入試状況】

1)国公立大学獣医学部の入試状況

 前期試験では、類別募集の東京大学を除いた10大学合わせて、2013年度の5.2倍、2014年度の5.3倍、2015年度の4.8倍、2016年度の5.2倍と年度ごとの変動はあるものの、厳しい入試であることがわかります。後期試験でも同様に、2013年度の14.3倍、2014年度の14.4倍、2015年度の13.5倍、2016年度は14.0倍と高倍率で推移しており、今後も13〜15倍程度の倍率(志願者/合格者)になると考えられ、こちらも前期試験と同様に厳しい入試であることがわかります。ただし、後期試験は見かけ上高倍率でも、欠席者が多い場合もあるので、最後まであきらめずに受験することが大切です。

2)国公立大学獣医学部のレベル

 国公立大学獣医学部をレベル別に分類すると
@Aゾーン…北海道大学、東京大学
ABゾーン…東京農工大学、岐阜大学、大阪府立大学
BCゾーン…帯広畜産大学、岩手大学、鳥取大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学の3つのグループに一応分類できますが、前期試験のセンターボーダーでAゾーンは88〜90%、Bゾーンは82〜84%、Cゾーンでも79〜83%となりました。2015、2016年度のセンター試験が新課程になったばかりで、やや点数の低い受験者が多く、ボーダーラインが低下したと考えられます。とはいえ、依然高い合格ラインが必要であり、AゾーンとCゾーンに極端な差が見られるわけでもありません。

 また、前期試験・後期試験ともにセンター試験の比率が二次試験よりも高い大学が多く、まずはセンター試験で高得点を稼ぐことが課題となります。尚、岐阜大学と鳥取大学は後期試験を行っておりませんので注意してください。

 Cゾーンは、センター試験の英語の取り扱い比率が様々なので、英語の出来次第で出願大学が変わる場合も多いようです。各予備校の模試データの中には、実際の入試に比べ、Bゾーンのボーダーラインが低くなっている場合がありますが、実際の出願は、センター試験の自己採点後になりますので、ボーダーラインが極端に低くなることは期待しない方が良いでしょう。

3)二次試験の科目について

 国公立大学獣医学部の入試は、意外に多様です。負担の大きい数V、理科の2科目を学習するかどうかを含めて、慎重に考える必要があります。
@二次試験で数Vが必要な大学…北海道大学(前期)、東京大学(前期)、東京農工大学(前期)、大阪府立大学(前期)
A二次試験で理科2科目が必要な大学…北海道大学(前期・後期)、帯広畜産大学(前期、選択可)、東京大学(前期)、東京農工大学(前期)、大阪府立大学(前期)
B特殊な二次試験の大学…大阪府立大学(後期、総合科目)
C二次試験で学科を課さない大学…帯広畜産大学(後期)、岩手大学(後期、小論文)、山口大学(後期、面接)、鹿児島大学(後期、面接)

4)共同獣医学部・学科について

 国公立大学の獣医学部・獣医学科の新しい試みとして、共同獣医学部・獣医学科が創設されました。
【2012年度より】北海道大学+帯広畜産大学、岩手大学+東京農工大学
山口大学+鹿児島大学
【2013年度より】鳥取大学+岐阜大学
※宮崎大学は東京大学・大阪府立大学と獣医学教育連携協定

国公立大学獣医学部 入試に向けて

 「動物」に関する仕事の中でも、獣医師は社会的評価が高い職業です。獣医学部の定員は国公立・私立合わせても16大学で1,000人程度しかいないので、高い倍率での競争に変わりはありません。国公立大上位校(東京大学、北海道大学、東京農工大学、大阪府立大学)は“動物のお医者さん”ではなく、研究者をめざす志向が強く、私立志望者とはレベルが異なります。

 他の国公立大学は、科目の負担は異なりますが、私立大学と大きな学力差がありません。その点が医学部、歯学部、薬学部との大きな違いとも言えます。医学部同様、高いレベルでの競争となりますので、逆転が起こりにくく、センター試験での高得点が必須条件です。得点によっては、私立大学への対策に力を注ぐことも重要です。大阪府立大学の後期試験は特殊な入試形式ですので、受験生は出願に気を付けてください。

【私立編】難易度は高くしっかりした学習必須 2018年度は西日本に新設校も

入試の動向

 獣医学部・学科を擁する私立大学は、東日本に集中しています。関東・関西の有名大学や医学部などと比較しても同程度の難易度であり、しっかりと腰を落ち着けて学習しないと合格が困難であることを認識しましょう。私立大学獣医学部の一般入試の平均倍率(志願者/合格者)は5大学(麻布大学、北里大学、日本大学、日本獣医生命科学大学、酪農学園大学)平均で、2013年度は8.7倍、2014年度は9.1倍、2015年度は8.1倍、2016年度は8.0倍とほぼ一定で、高い水準を保っています。

 2016年度の一般入試では、麻布大学、日本獣医生命科学大学、北里大学の合格最低ラインは得点率75%前後で高い水準です。また、酪農学園大学の合格最低ラインは、得点率65%前後で、理科の難易度が高くなります。日本大学の合格ラインは標準化得点で発表されており、合格ラインは素点の得点率で75%前後と考えられます。

 日本獣医生命科学大学の一般入試第1回とセンター利用方式、麻布大学のセンター利用方式(第1期)の出願が、センター試験前の締切になっているので注意してください。

 3月の2期入試は、酪農学園大学、日本獣医生命科学大学、北里大学が実施しています(日本大学は2月に実施)が、2018年度から麻布大学も実施します。2期入試の合格水準は、1期入試よりも少し下がるので、競争率は高いですが大きなチャンスです。試験日の重なりに注意して、諦めずに受験しましょう。

 2018年度は、岡山理科大学が、愛媛県今治市に獣医学部を新設します(認可申請中)。