【イベントレポート】将来の看護従事者を目指す高校生の進学に関する不安や悩みを解決「看護系大学フェア2014」|大学Times

大学Times Vol.15(2014年12月発行)

【イベントレポート】将来の看護従事者を目指す高校生の進学に関する不安や悩みを解決「看護系大学フェア2014」

看護系大学フェア2014

2014年10月26日(日)、株式会社さんぽう主催の、看護・医療系大学への進学を志す学生のための進学相談会「看護系大学フェア2014 新宿会場」が実施され、看護・医療系大学への進学支援と魅力の紹介を行った。また、上智大学総合人間科学部看護学科教授の津波古澄子先生、聖路加国際大学准教授の小野智美先生による特別講演も行われ、看護・医療に対する憧れをより一層高める機会となった。

これからも続く看護学部の新設
「なにを学べるか」大学の特徴に注目

看護系大学フェアは、看護師・保健師・助産師を目指す高校生や保護者、予備校生、高校教員を対象に実施された。参加者たちからは計14の看護系大学に対して、学校ごとの最新の入試情報、学部・学科別について熱心な質問が投げかけられた。

近年看護学部の新設が相次いでいることもあって看護系分野への進学、とりわけ4年制大学の看護学部志願者数も大きく上昇している。そのような状況下で多く聞かれた質問は「どのようなことを学べるのか」という点だ。総合大学が看護大学を新設するケースも珍しくなく、やはり生徒としては入学後の学び、卒業後の進路が気になるようだ。一言で“看護師”と言っても、どのような看護師になるのか、どんな現場・立場で活躍できるのかなど、看護師として医療現場に従事する姿は数多く存在する。志願者が増加している=将来の看護師数が増加する、と考えるならば、大学で何を学ぶことができて、どのような看護師として就職できるかという点は非常に重要なことであり、参加した生徒や保護者が質問を繰り返すことも納得できる。

参加大学

学費の合計、支払い方法や
時期が保護者にとっての最大の関心事

看護系学部や医療系学部は、他の学部と比較して初年度納入金が高い傾向にある。私立大学看護学部に4年間通うとなると大変高額になるため、主に学費を支払う保護者たちからの質問が目立った。授業料の収め方や時期は学校ごとに違いがあり、施設費や維持費、教育費も金額が異なる。また病院実習にかかる費用など、細部に渡って確認しなければならないことが多く、募集要項では確認しづらいことが担当者と面と向かって話せたことは大きな収穫となったようだ。

これからも増加傾向の看護系希望者
これまでとは異なる人材育成に期待

2015年度も多くの大学が看護学部の新設を予定しているが、看護・医療系以外の大学による新規参入や、これまでに培った実績を活かし、学びの場を看護へと広げる大学も見られる。

少子高齢化によって医療制度の充実と改善が勧められているが、そのためには現場に従事する医療人の質も高水準でなければならない。看護系学部希望者が増加している今、看護学部の新設とともに大学での看護師養成とこれまでとは異なる人材の育成に期待が集まっている。

これだけ大学の看護学部が新設されてくると、よくある疑問として「大学と専門学校のどちらで看護師を目指すのがよいのか」「看護師として就職した際に違いはあるのか」ということが挙げられる。短大や専門学校の看護学科と比較すると修業年限が1年長く、その分の学費も必要になるため、大学に進学して学ぶメリットが見いだせないという人も多い。しかし実際には、大学で4年間看護学を学ぶことには多くのメリットが存在する実践的な能力を養うカリキュラム、関連医療系学部との実習、賃金等を含めた就職、さらに進学を考えた際には大学院への進学を目指しやすいなど、看護師の能力向上を図るには最適な環境が整っていると言えるだろう。

大学の教授・准教授による講演で看護の奥深さを再認識

特別講演

進学に関する悩みは、入試方法や学費だけにとどまらず、学生や家庭の状況に応じた悩みがある。地域医療振興協会医療事業本部が参加した何でも相談コーナーでは、多くの生徒や保護者が今感じている悩みや不安を話すことで、現状を打破するためのアドバイスを受けた。

また、現場で教鞭をふるう教授・准教授の講演も好評だった。上智大学総合人間科学部看護学科津波古澄子教授と、聖路加国際大学小野智美准教授による特別講演も行われた。津波古教授は「子どものヘルスプロモーション」と題し、健康観の変化を語りかけた。健康とは身体的、精神的および社会的に最も良い状態であり、ただ単に疾病、虚弱ではないということではない。文化、個人差、年齢、経済的条件も加味されるものであり、「年齢」という言葉にこそヘルスプロモーションにおいて子どもの存在が考慮されることが重要だそうだ。小野准教授は「子どもの認知とプレパレーション」の理解を訴えた。病気の子どもにも意見を表すこと、表現すること、伝えることなどさまざまな権利がある。子どもの理解はおとなの理解とは異なるため、適切な方法で説明し、その子なりに状況を受け止めて、納得の仕方で治療や処置を受けることができるために必要なのがプレパレーションなのだそうだ。
先生方の熱心な講義は、これから看護の世界での活躍を志す生徒にとって、看護という学問・仕事の奥深さを再認識できた素晴らしい時間となったようだ。

特別講演 上智大学/聖路加国際大学