専門職大学特集スペシャルインタビュー
単位認定インターンシップを通じて地域社会や産業界と連携しいち早くキャリアデザインを醸成する~グローバルBiz専門職大学~
大学Times Vol.55(2025年1月発行)
2023年開学のグローバルBiz専門職大学は、グローバルビジネスを担う専門人材を育成する経済・経営系大学である。大きな特徴としては、1年次からインターンシップが必修科目であり、単位認定は卒業要件の1/6(20単位)を占めている。長期にわたるインターンシップはどのように進められているのだろうか。今回は同大学の1年生と単位認定する大学、そして学生を受け入れる企業・団体に話を聞き、専門職大学ならではの学びのスタイルに迫りたい。
グローバルBiz専門職大学 グローバルビジネス学部1年 木下 華美さん
グローバルBiz専門職大学 平岩 賢志 学長
(公財)川崎市産業振興財団 鈴木 毅 理事長
(公財)川崎市産業振興財団 栗山 奈央 氏(メンター)
(公財)川崎市産業振興財団 平井 智暢 氏(メンター)
1年生からの長期インターンシップで自分の夢に早く近づきたい
木下 将来の夢が「英語を交えて経営すること」で、その夢に近づくために専門的に学んで一直線に近づける専門職大学を選びました。決め手になったのは、入学パンフレットにあった「1年生から長期インターンシップがある」という点です。知識や理論だけでなく、実務を実践的に学べるのは他大学との差別化にもなり、自分の夢に早く近づけると思いました。
とはいえ、グローバルBiz専門職大学は開学したばかりの大学なので、初めは「どんな所だろう…」と少し心配もありましたが、実際に入学したら友だちも沢山でき、毎日楽しく過ごしています。両親は、新しい専門的な学びができる専門職大学に興味を持ち、「自分も学びたい!」と言って背中を押してくれました。前例がない不安よりも、今は開学1期生2期生としての誇りを持って学んでいます。
大学では、主に経済、経営などのビジネス関係とDX、英語に加えメディア戦略を学んでいます。特にDXなど私には未知の領域であり、日本も導入が遅れていると聞きました。現代社会はデジタルを取り入れたビジネスが有効ですので、若いうちから最先端のビジネススキルを身につけて、日本社会に貢献できるよう頑張っていきたいです。

左から平井氏、木下氏、栗山氏
企業・団体と共に学生を育む
1カ月×4年間=600時間の実務実習
平岩 専門職大学はインターンシップが必修科目であり、卒業要件124単位中20単位という、重要な位置づけです。4年間で600時間の実習が定められていますので、単純計算で年間1ヶ月の稼働を4年間、企業・団体で学んで社会的なスキルを身につけます。既存の大学でも短期のインターンシップを行っていますが、自己啓発や就活の一環と捉え、単位認定もありません。長期インターンシップは、受け入れ先の企業・団体のコストや事前準備も容易ではなく、この趣旨にご賛同いただける皆さまにお願いして、インターンシップを実施しています。経営系大学ですので、幅広い業界で受け入れをお願いしており、公的機関をはじめ教育、観光・ツーリズム、広告、IT、メディアなど大手からスタートアップまで多岐にわたります。
インターンシップの前に、学内では事前学習(臨地実務実習)としてキャリア開発の授業や企業研究の方法を学び、ビジネスリテラシーを身につけて、事業の仕組みや儲かる仕組みを学びます。またビジネスの大学として、eビジネス(DXやファイナンスなど)のケーススタディを重んじています。現在、木下さんは本学に近い川崎市産業振興財団で、ビジネスの企画をご指導いただいています。スタートアップのオーディション(川崎起業家オーディション)など実例を通して、大いに学んでほしいと期待しています。

平岩賢志学長
“産業のまち”として100年の川崎
若手育成の課題に向き合う意義ある事業
鈴木 当財団ではこれまでも地元にある大学のインターンシップを受け入れていましたが、大半は1週間程度でしたので、できることは限られていました。長期のインターンシップは木下さんが第1号であり、財団としても意義ある事業と捉えています。既存の大学とは異なる趣旨に賛同し、グローバルBiz専門職大学の人材育成の重要な要素として、実践的な学びの場を提供しています。財団が取り組む地場産業の課題解決のノウハウを提供できればと思います。
木下さんは将来、起業することを希望しているので、財団の事業全般を勉強してもらっています。川崎は産業のまちとして100年、産業の力で成長を続け、財団では市内の中小・中堅企業の経営支援に注力していますが、現在は特に若手人材の育成・輩出について、多くの企業から「厳しい」との声が上がっています。財団としても大学のお手伝いだけではなく、自ら直面する課題として長期インターンシップを捉え、木下さんの良い経験になるよう事業を提供しています。
栗山 私と平井は中小企業サポートセンターに所属し、経営課題の解決や創業などを支援しています。木下さんは私たちが日頃企業に対して行っているビジネスプランのブラッシュアップを実際に経験しているところです。また起業家オーディションでは、スタッフとして会場設営や受付のお手伝いも経験してもらう予定です。
平井 私は創業班に所属し、オーディションや起業家を応援する業務を担っています。木下さんの事業計画をヒアリングしてブラッシュアップをサポートし、資料に落とし込む作業を支援しています。インターンシップのプログラムについて定型化せず、木下さんのように起業を目指す学生に対しては財団が持っているサービスメニューを体験し、人材育成に繋げてカリキュラムとしての改良改善を図りたいと考えています。多様な経験を通じて学生の起業マインドを醸成し、ステップアップの場を提供していきます。

鈴木毅理事長
インターンシップ単位認定の資料となる「評価シート」とは
栗山 大学の評価シート(下表参照)は項目が多く、業界職種によって異なるようですが、財団では「自分で考えているか」「人のアドバイスを素直に聞いているか」「その上で自分の考えをさらに発展させているか」といった点や、社会人としてのあいさつ、マナーなども見ています。木下さんは1年生なので、学年が進めば今後の評価ポイントも変わっていくと思います。
平岩 評価ポイントは①ビジネスリテラシー(ビジネスメール、あいさつ、電話応対)、②専門的事項については、受け入れ先企業団体にヒアリングして評価ポイントを事前に決定していきます。特徴は、「自己評価」を先に行い、それをもとに「企業評価」をメンターにお願いしています。その結果、差異が生じた項目については本学で学生本人への改善指導を行っています。共通して大切なのは「コミュニケーション能力」です。グローバルコミュニケーションが身に付くよう、評価シートを作成しています。
【評価シートの一部抜粋(見本)】
下表は「職務遂行のための基本的能力」の項目。働く意識や責任感、ビジネスマナー、コミュニケーション、チームワークなどについての設問を評価する。予め学生が自己評価を記入して提出、インターンシップ終了後に企業・団体側が評価する仕組み(A,B,Cの3段階)。双方の評価に差異がある場合などは、大学が学生に改善点などを指導する。評価項目は学年によって内容が変わる。

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