通信制大学特集スペシャルインタビュー
学生たちの不安を希望へと変える、学修相談・サポート専用窓口を開設!~日本大学通信教育部~

大学Times Vol.57(2025年7月発行)

【通信制大学特集】スペシャルインタビュー 日本大学通信教育部

日本大学通信教育学部は法学部、文理学部、経済学部、商学部の4学部8学科・専攻で構成されており、通学課程と遜色のない学びの環境を提供している。東京・市ヶ谷の専用キャンパスはスクーリングに通う学生たちの活気に満ち溢れ、通信制大学のイメージが払拭される人も多いだろう。学修相談から履修、生活面にいたるまで、手厚いサポートで学生たちをそれぞれの進路へと導く同学部「学生・学修支援センター」の取り組みを伺った。

日本大学通信教育部 学生・学修支援センター
学生支援と学修支援の双方を目的として2025年2月に本格スタート。「入学課」「教務課」「学生課」の3課と専任コーディネーターが連携して支援に当たっている。昨年、私大にも適用された障がいのある学生に対する「合理的配慮」は、同センターから教員に対して、配慮が必要な学生の学修環境を調整する役割を担う。学修相談から履修、生活面など学生一人ひとりに寄り添い、円滑できめ細やかなサポートを行っている。

通信制高校の増加とコロナ禍で好転した
通信制大学のイメージ

入学課・千代川氏 「現在、通信教育部には約7400名の学生がおり、さまざまな世代の方が学ばれています。そのうち現役の18歳世代は3~4割と増加傾向にあるのは、通信制高校が増えてきたという背景があると考えられます。また、コロナ禍のときにすべての大学がオンラインやオンデマンド授業を整備したことで、学費の安い通信制大学でも同じレベルの授業を受けられるのではないかと考える保護者が増えたことも影響しているのではないでしょうか」

教務課・小澤氏 「学びの選択肢が多いというのが、通信教育部最大の魅力だと考えています。通信制ですが市ヶ谷に通信制唯一の独立キャンパスがあるため、平日の昼間には通学して授業を受けることができます。また、学修スタイルを自分の都合に合わせることができるため、例えば、今年は通学で学び、来年は家庭の事情で引っ越すからオンラインで受講したいという希望も通信教育部では対応可能です。昔の通信制大学のイメージとはずいぶん変わってきていますので、ぜひ現状を知ってもらいたいです」

教務課・鈴木氏 「これからの時代、ライフスタイルや社会の仕組みもますます変わっていくと思いますが、通信制大学は自分の時間軸で大学の勉強にも取り組みつつ、夢や目標に向かって進んでいけるのが強みです」

ライフスタイルに合わせた多様な学修計画や
転籍・転部をめざす学生にアドバイスも

入学課・千代川氏 「通信教育部は単位の修得方法が幾つもあり、入学直後に自分で決めるのは困難です。そこで私たちがガイダンスで説明したり、参考となる資料や動画を見てもらうなどのサポートを行っています。仕事やスポーツと学業の両立など、必ずしも“全学生が4年で卒業”を目指さないのも通信教育部の特徴です。単位の取り方を工夫することで学生個々の学修計画を立てていくことが可能となり、卒業と資格取得に向けて必要なスパンも変わるため、私たちからも学修計画の提案を行っています。また、日本大学の通学課程への転籍・転部も可能で例年15名程度が転籍・転部しています。希望者は過去問を閲覧でき、TOEICスコアを重視する学部であればスコアアップに必要な情報を伝えています。逆に通学課程から転籍・転部してきた学生については、学修方法や単位修得方法に慣れるまで丁寧なサポートを心掛けています」

くじけそうな学生にも心を配る担当教職員の尽力

入学課・千代川氏 「学修があまり進んでいない学生をピックアップして電話連絡したり、郵便物を送るというサポートも行っています。基本的に在学生へのお知らせは専用サイトから伝えているのですが、そういった学生はサイトにも入らなくなる傾向があるからです」

教務課・小澤氏 「10代の学生は保護者と住んでいるケースが多いので、お知らせを敢えて郵送するのは、大学から本人宛の郵便物をご家族の目にも留まることを狙いとしています。郵便をきっかけに保護者の方がご相談に来校されて、事態が好転することも珍しくありません」

学修への迷いに対しオープンマインドで寄り添う窓口に

教務課・小澤氏 「相談体制に関しても、当センターは通学課程と遜色ないと思っています。大学は社会に出るまでの準備期間。その時間をどう使うかが大切です。通信制大学なら自分の目標に合わせた学修計画を立てられるので、自分に合った学び方をみつけて夢や目標に向かって頑張ってほしいです。その反面、単位の取り方が自由過ぎて何を履修すればいいか分からないときは是非当センターに相談してください。個々の目標達成に対して私たちは寄り添い、伴走しながらより良い提案をしていきます」

教務課・鈴木氏 「個別相談は回数制限がないため、困った際にはいつでも相談できる体制を整えています。また、学修に対する意欲を忘れないように、一度相談に来た学生には定期的に相談に訪れるよう促しています。もし学生のライフスタイルが変わり、履修を続けることが難しくなった場合には、それに応じた学修計画の見直しも行っています。相談に来る学生には、友人に話すような感覚で率直な思いを伝えてもらえるよう心掛けています」

大卒=学士授与の価値は通信制大学も同じ

入学課・千代川氏 「高校生の半数以上が進学するようになり、中には何を基準に大学を選べば良いか、迷っている人もいると思います。今は昔と違って、卒業して最初に就職した会社にずっと居られるかどうか分かりませんよね。その会社を退職して再就職する時にも、「大卒」という学歴が活きてくることは多いと思います。国家資格取得も含めて、大卒=学士だったら社会人になってもやりたい仕事に就けるというケースは多々あります。学士を持っているだけで、道は拓けるということをお伝えしておきたいです。通信制はいろいろな学び方ができるので、入学後は自分のライフスタイルを守りながら、将来について余裕を持って考えてみてほしいです」

心身に不安を抱える学生の頼りとなる専任コーディネーター

入学課・井部氏 「障害者差別解消法の一環として、障がいを持った学生も他の学生たちと同様に教育を受けられるよう支援する「合理的配慮」が昨年から私立大学でも義務化されました。通信教育部は通信制ということもあり、通信制高校をはじめ特別支援学校からの学生を受け入れてきた実績があります。また開設以来、通信課程の学生も通学課程の学生と遜色なく学ばせたいとの方針のもと、学修支援を手厚く行ってきた77年の歴史に基づいた独自のノウハウも持っています。さらに心身に不安を抱えた学生を支援するコーディネーターは3名体制を取り、社会福祉士、精神保健福祉士の資格を有した専門家です。コーディネーターが居るということで入学を決めるなど、彼らを頼りにしている学生は数多くいます」

コーディネーター・小林氏・山田氏 「私たちは障がいを持った学生の環境調整をしているのですが、年々、サポートする学生の数も増えています。数年前までは20名程度でしたが、今年度は既に90名を超える見込みです。私たちコーディネーターは学生が何に困っているかを一緒に考え整理して、学生と教職員を繋ぐ役割を担っています。中には特性上、相談事をうまく説明できない学生もいます。相談に来る時点で「何かに困っている」のは明白なので、そのような学生が窓口に来た場合は性急に答えを求めないように、雑談を交えながら学生のペースに合わせて建設的に話しをすることで、徐々に本題に触れ、環境調整による問題を解決していくアプローチが大事だと考えています。

コーディネーター同士でも相談に来た学生の情報を共有できるツールをつくり、学生の相談内容を申し送りしていますので、担当者が不在の場合でも他の職員が引き継いで対応できる体制を整えています。担当者しか分かりえなかったことを、他の職員が見ても分かりやすく、学生たちの困りごとに即応できるようにしています。その後の経過を全員で見守り、アフターフォローする環境を整えているのも当センターの強みです」