【大学ism】静岡産業大学 スポーツの経験や想いを、未来につなぐ!「スポーツプレゼンテーション入試」をスタート|大学Times

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大学Times Vol.43(2022年1月発行)

【大学ism】静岡産業大学 スポーツの経験や想いを、未来につなぐ!「スポーツプレゼンテーション入試」をスタート

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、これまで気づかなかったスポーツの価値に目を開かれた想いの方も多いのではないだろうか。スポーツはアスリートのためだけのものではない。身体づくりや健康づくりに貢献することは勿論、文化であり、希望であり、人と人を繋ぐものであるといった事実が、今まさに見直されている。静岡産業大学はスポーツを専門に学ぶ「スポーツ科学部」開設にあわせて、受験生に伝えたい学部の特色や資質、能力を入試で問い、評価する「スポーツプレゼンテーション入試」をスタートさせた。新入試の企画に携わったスポーツ科学部入試委員の江間諒一准教授に話をうかがった。

スポーツへの幅広い興味や関心が
「スポーツ科学部」への入り口になる

2021年4月、静岡県に初めて誕生したスポーツ科学部は、スポーツを「する」「みる」「ささえる」に「知る」を加えて、スポーツを学問として理解し、研究することを目指している。体育学だけでなく、教育学、社会学、医学、心理学、統計学など、すべてがスポーツ科学の領域だ。幅広い学問分野からスポーツが持つ価値や可能性を社会で展開していくための力を携えた「スポーツを活かせる人材」を育成することを、学部のゴールに掲げている。

スポーツを活かせる人材について、江間准教授はこう話す。「私は運動生理学の視点から、筋肉の研究に取り組んでいます。たとえば、運動した後に筋肉痛がなぜ起きるのか。成長や加齢が体格や身体能力にどのような影響を及ぼすのかなど、身近にある疑問をテーマにして数値データを取得します。さまざまな情報をもとに疑問を解決し、そこで得た知見などをスポーツ界や地域住民の身体づくりに役立てます。また、スポーツを通して得たデータ収集力や分析力などは、ビジネスでも十分に活かすことができます。スポーツは“する”人だけのものと考えられがちですが、実は、スポーツへの興味や関心すべてがスポーツ科学につながるのです」。

また、同学部ではスポーツに関する理論と実践の融合を図るために、地元企業や自治体、教育機関などと連携した「実学教育」に力を入れている。たとえば、磐田市や農林環境専門職大学、企業等と連携して実施する健幸プロジェクト「ジュビロ飯」もその一つだ。同プロジェクトにはスポーツ科学部の髙橋和子学部長や江間准教授などの教員だけでなく、学生も参加する。「ジュビロ飯は、食とスポーツで住民の健康促進や経済の活性化をめざすものです。将来、スポーツを活かせる場の広さを経験的に知ることができるのもスポーツ科学部の学びの魅力といえます」。

合格者全員が学業特待生になる
「スポーツプレゼンテーション入試」とは?

スポーツプレゼンテーション入試の特徴は、合格者全員に「学業特待生」の資格が付与されること。審査方法は、スポーツをテーマにしたプレゼンテーション(発表と質疑応答)と書類審査の総合評価であり、特に、プレゼンテーションの評価を重視している。

プレゼンテーションのテーマ設定は受験生自らが行い、スポーツ競技や運動の技術、やり方など、出願時に届け出たテーマに沿った技術・方法の実演(見本)に加えて、資料(動画やスライドなど)を活用することを必須条件にしている。「プレゼンには、伝える相手がいることを忘れてはいけません。相手にどういったリアクションをしてほしいのか、発表する側の意思表示が重要です。その他にも、説得力を持たせるために根拠となる数値データや資料などを準備すること、話し方や目線など伝え方の訓練も必要です。これらは社会に出てから必ず必要とされる力です。受験生には、プレゼンの準備を通じてスポーツについて深く考えてほしいという想いがあります」。

とはいえ、プレゼンテーションに苦手意識を持つ受験生は少なくない。そこで、希望者に向けて「プレゼン対策講座」を実施し、優れたプレゼンテーションを実施するための指導を行っている。「プレゼン入試では、合格者全員が学業特待生の資格を得ます。それは、プレゼンのために行うすべてが学びにつながっているためです。話し方や資料を作成するための技術的な部分は、プレゼン講座に参加していただければ問題ありません。講座では、『正しい努力の仕方』を説明しますが、素晴らしいプレゼンを披露するには受験生のさらなる努力と工夫が必要です。これは、スポーツと全く同じことです」。

高校までのスポーツの経験や想いが
社会で活かせる資質・能力の向上につながる

2022年度より、高校での新課程が実施されると学びに対する理解の深化が進み、新しい時代で求められる資質や能力の育成、高大連携による学びへの注目度はさらに高まると予想されている。

「スポーツは“する”人だけのものではありません。今後、高校での探究学習の重要性が増してくれば、スポーツの学びの広がりを理解できるかもしれませんが、現段階ではスポーツを学ぶ将来はスポーツ指導者や高校の保健体育教員といったイメージになります。スポーツ好きやスポーツ経験者が持つ資質と能力を伸ばしながら、学び得た知識や技能を未来に活かせる人材育成をめざす本学部は、スポーツを活かせる領域の広さや学びの面白さ、スポーツが持つ可能性など、常に情報発信することが求められます。プレゼン入試もスポーツの学びへの興味・関心を持ってもらうきっかけにすぎません。プレゼン入試では、受験生の『知識・技能』の素養が多少不足していたとしても、『学びに向かう姿勢や意欲』、『表現力』、『思考力』などがあれば、入学前や初年次教育で不足分を補うことができると判断し、合格者には学業特待生を付与するとともに、入学前後の学修支援を充実させています。スポーツへの想いがあれば学びへのモチベーション維持につながり、資質や能力の向上につながっていくと考えたのです」。

スポーツ科学部では、スポーツプレゼンテーション入試以外にも多様な入試制度を設けており、受験生はスポーツの得意・不得意にかかわらず受験生の得意分野で入試に挑むことができる。