「夜間主ならでは」の学習スタイルの確立 電気通信大学 情報理工学部 先端工学基礎課程|大学Times

【特集】夜間・通信制学部特集 昼間部に劣らないシステムが充実 今、夜間・通信制学部のメリットが見直されている

「夜間主ならでは」の学習スタイルの確立 電気通信大学 情報理工学部 先端工学基礎課程

これまでの夜間学部に対する世間のイメージは、「昼間部に入学できなかった人のためのコース」というイメージが先行していた。しかし近年では昼間の時間を有効活用できること、学費が安価に抑えられることなど、新しい学習スタイルの一つとして考えられつつある。今回は、「夜間主だからこそ」可能な学びを実現している電気通信大学情報理工学部学部長であり、ご自身も教壇に立つ石川晴雄氏にお話を伺った。

「働きながら学ぶ」「学びなおす」
夜間主本来の姿を実現したコース

貴学夜間主の創立を教えてください

2010年に情報理工学部に改組し、今年で4年目になります。2009年までは昼間コースとそれに対しての夜間主という構成だったのですが、現在は昼間に授業を行う4学科と、主に夜間に授業を行う先端工学基礎課程を設置しています。

昼間コースの夜間主ではなく、先端工学基礎課程として設置した理由は?

昼間コースに対応した夜間主という構成だと、昼間コースの代わりに夜間主を受験するというパターンがどうしても多く見られました。しかし夜間主は、働きながら学ぶ、あるいはもう一度学びなおすために通う人のために存在することが本来の姿であると考えています。そういった志を持った学生が集まるように先端工学基礎課程を設置しました。入学時に「社会人コース」と「インターンシップコース」に分けて、3年次から「情報・メディア・通信プログラム」と「電子・機械・制御プログラム」に分かれて学習することで、さらに専門性の高い講義を可能にしています。

昼間コースの半額で充実したカリキュラム
ネットを利用した無理のない学習も可能

夜間主で学習することは学生にはどのような影響がありますか?

高校新卒者だけでなくさまざまな年齢の方、豊富なバックグラウンドがある方がいますので、社会人と高校新卒者とがお互いによい刺激を与えながら課題に取り組んでいます。そうすることで、同学年同士の横のコミュニケーション能力だけでなく、幅広い年齢の人との縦のコミュニケーション能力が身につきます。これらは就職の際に企業が重視するところでもあります。

そして昼間の時間を有効に使うことができます。本学では昼間コースの単位を30単位まで履修することができ、多摩地区5大学(東京外国語大学、東京学芸大学、東京農工大学、一橋大学及び電気通信大学)でお互いの単位を取得することもできます。この他にも、いくつかの授業は画像、音声を録画したものを自宅学習が可能です。出席できなかった授業の確認はもちろん、授業の復習として無料で確認できます。

そして、学費が昼間コースの半額ということが大きいでしょう。保護者に負担をかけることなく経済的に自立して学習することができます。学費が半額であっても教育カリキュラムは昼間コースに匹敵するほどに充実しており、施設や設備、教授陣も昼間コースと同じなので、充実した教育環境が整っています。

お話を伺っていると大変魅力的ですが、夜間主の今後の課題は?

存在を知っていただくことでしょう。例えば高等学校の進路指導の現場で、進路を考えている生徒に対して、最初から大学の夜間部を勧める先生はいないように思います。保護者の方々も同様でしょう。それは先ほど申し上げたような夜間主で学習することの魅力が浸透していないからだと感じています。もちろんこれは大学側の責任です。まずは夜間主の存在を、高校生や進路担当の先生、保護者に対してアピールしていかなければなりません。近年では、優秀な生徒でありながら家庭の事情で進学を断念して働かなければならないという状況も多々あります。夜間という進学先を周知することができれば、高校生の可能性を伸ばすこともできると考えています。

夜間主への進学を視野に入れている高校生に一言お願いします。

平日の17時50分〜21時と土曜日という少ない時間で学習を行い、さらに昼間の時間を有効に使うことは、相当な努力を必要とします。これは夜間主の宿命でしょう。本学もしっかりした教育カリキュラムを組んでおり、決して緩くはないと自負しています。しかし、それに乗ってついてくることができれば、将来大きく伸びる人材になれるはずです。覚悟が必要ですが、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

石川晴雄氏

【プロフィール】

石川 晴雄(いしかわ はるお)

1972年電気通信大学電気通信学部機械工学科卒業、1974年同大学大学院電気通信学研究科修士課程修了(機械工学専攻)。
1977年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(機械工学専攻)。
1985年電気通信大学助教授、1992年同大学教授、2012年より電気通信大学情報理工学研究科長・学部長に就任。
専門分野は設計工学・協調工学、セットベース設計手法。