「大学ism」〜わが大学の誇り 淑徳大学|大学Times

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「大学ism」〜わが大学の誇り 淑徳大学

2014年4月に誕生した、淑徳大学人文学部。日本や東洋の歴史を学ぶ歴史学科と、言語などによる表現を追究する表現学科で構成されている。国際・グローバル・コミュニケーション関連の学部が流行する昨今にあって、なぜ人文学部を新設したのか。2年目を迎え、改めてその意義について伺った。

開学2年目を迎え、求められている人文学部の役割を教えてください

淑徳大学人文学部

3.11(東日本大震災)以降、私たちは「人としてどう生きるか」という根源的な問題に直面しました。先が見えにくい、混沌とした世の中にあって、人間を深く学ぶことの意義が重要になっていると考えます。そこに人文学部の果たす役割があるのです。

人文学部では人類が創出した言語による表現と、人類が積み重ねてきた歴史を柱とし、研究を通じて幅広い教育を展開し、新たな知識を創造すると共に、幅広い視野から物事を捉えて的確な判断を下す人材の養成を目的としています。

歴史を知ることは自分を知ること

歴史学科の学びの特徴はどのような点でしょうか

たとえば、あらゆる事象というのは歴史と深い関わりがありますので、歴史を学ぶことによって自分自身がどんな存在なのか、自分たちが取り巻く地域がどんなところなのか、あるいは自分たちの属している国はどういう国なのかを知ることになるのです。

さらに外国の歴史を学ぶことによって、自分の立ち位置もわかるようになります。自分を理解して他人を理解するということは、実は簡単なように見えて難しい。相手がなぜあえて反論するのか、相手はどういう存在で、自分はどういう存在なのかを理解するための学問が、歴史学なのです。歴史とは、言い争いの道具に使うものではなく、本当の意味でのコミュニケーションを図るためのものだと考えます。今後はますます、歴史的な思考のできる人材が求められるのではないでしょうか。

カリキュラムの特色を教えてください。

歴史学科は日本史コースと東洋史コースで構成されています。
人間が培ってきた歴史から、現代社会が抱えるさまざまな問題を解く知恵を学んでいきます。歴史学を学ぶ上で大切なことは、座学だけでなく、キャンパスを飛び出して史料や史跡、博物館などを実際に触れながら歴史の息吹も学ぶためのフィールドワークです。そのため、1年次からフィールドワークを行い、コース分けする前に全体を俯瞰して見る機会を設けています。さらに3年次からは、金曜日には時間割に講義を組まず、土・日と合わせて3日間を有効活用してフィールドワークを深く掘り下げる学びの場とするなど、カリキュラムにも工夫を凝らしています。

このように充実した4年間の学びを経て、将来は学校教員をはじめ公務員、旅行代理店、博物館学芸員など、歴史的な思考を活かして実社会で大いに活躍してもらいたいと考えています。

表現する力=生きる力、共に生きる力

表現学科での学びの特徴はどのような点でしょうか

表現学科で育むのは「伝える力」。淑徳大学の建学の精神が土台にあります。大乗仏教の理念である「共に生き、活かしあう」(自分の力だけで生きているのではなく、他者に活かされて生きている)という共生の理念が息づいています。ひとりの「いのち」は、他の一切の「痛み」と深いところでつながっている、自己の「幸せ(痛み)」と、他者の「幸せ(痛み)」は、その根本において別々のものではないという考え方です。

自分の気持ちを伝えるには、他者の気持ちがわかることが前提となります。自分の表現したいことを伝えるには、他者の「幸せ(痛み)」を知る必要があります。聞く力、書く力、話す力、人と人との関わり合いのなかで「言葉」を通して表現する力は、「生きる力」であると同時に、「共に生きる力」となるのです。自分をアピールする、自分を認めてもらう、そうした「自利」だけではなく、他人を尊重する「自利利他」の精神に基づいた「伝える力」なのです。

そしてインターネットやコンピュータゲームなどバーチャルの普及により、不足しがちなコミュニケーション能力を育成し、リアルな現場で発揮することによって、「真の生きる力」につなげていくのが目的です。

カリキュラムの特色を教えてください。

1年次に「演劇」と「文章表現」を必修で学びます。
書く、話す、見せるといった様々な表現方法を駆使する演劇に必修科目で挑戦します。教鞭をとるのは、プロの演出家です。舞台という総合芸術から刺激を受け、自らの新しい可能性を引き出します。

また表現のすべての基礎となる、「書く力」を必修講義で磨きます。日常的なコミュニケーションからレポート論文の書き方まで、徹底指導しています。書くことは論理的思考力を磨き、表現したいものを呼び覚ますことにもつながります。

入学の時点で、行きたいコースが決まっていなくても構いません。「文芸」「編集」「放送」の3コースを横断的に学びながら、2年次以降に専攻を決定します。「文芸表現コース」「編集表現コース」「放送表現コース」では、テレビ、出版、新聞などで活躍する各業界の実務者から直接、プロの技法を学ぶことができるのも大きな特徴です。将来は作家、ライター、編集者、広告プランナー、アナウンサー、声優、ナレーターなどへの道が拓けています。

本学で表現力を高め、伝える力をつけることで自らが発信者となる可能性を秘めていますので、さらに上を目指して挑戦してほしいと思います。

最後に、読者である高校生や保護者の方にメッセージをお願いします。

本学は、人間を深く学ぶことを目指しています。実学を重視する教育方針の下、「学び方を学ぶ」ことで学生は成長し、さらに現代に生きるために必要な力を養います。

2015年、本学は創立50周年を迎えました。新たなる50年を見据え「共生社会の創出をめざして」というビジョンの実現に向けてスタートを切ったところです。他人との関わりを苦手とする若者が多い中、人文学部では歴史・表現を通して共生の理念を学び、優れた社会人として送り出すことを使命としています。