2027年度入試特集オンライン特別講座情報
大学入試広報職員が語る
総合型選抜対策~紙上レポート~
大学Times Vol.60(2026年7月発行)

(株)さんぽう教育総合研究センターは、高校教員を対象とした「総合型選抜」の対策講座を企画、京都橘大学入試広報課の協力を得て、期間限定公開のオンライン特別講座を公開した。視聴には「さんぽう進学ネット」から申し込みが必要だが、YouTube動画のため期間中は繰り返し視聴が可能となっている。ここでは本講座の内容を要約してお伝えする。

【講師】京都橘大学 入試広報課
課長 堀川 雅史氏
関西学院大学卒。大手予備校系列の企業で、入試分析から受験生指導まで、幅広く大学入試サポート業務に従事した後、複数の大学で入試広報業務の管理職を歴任。現在、京都橘大学入試事務部 入試広報課 課長。
1.総合型選抜の現状
総合型選抜は先生方もご存じの通り、実施の時期、メインの時期が9月下旬から10月中旬というところが多いので、「大学入試の早期化」をかなり牽引している入試であると思います。2026年度入試では、多くの大学で志願者が増加して、全体として大体15~16%ぐらい志願者が増えているので、入試自体の早期化だけでなく、総合型選抜の認知拡大が非常に進んだ年であったと考えております。
2.総合型選抜の合否の分かれ目
総合型選抜の合否の分かれ目ですが、次に挙げる5点を大学は見ています。
まず1点目は「自己分析ができているか」というところです。生徒さん本人の強みなどは重要になるんですが、その大学への志望動機ですね。こちらに関して明確に話ができるか、そして書面に落とされているか、を結構見ています。
2点目は「進路志望しているその当該分野の情報収集をする力」です。なによりも、その進路を希望している分野のトレンドをしっかりと認識して情報収集ができているかというところが、非常に重要になってくると思います。
3点目は「進路志望している大学への情報収集力」です。同じ系統の他大学との違いをしっかりと分析できているかというところをやはり大学側としては見ています。
4点目、一番大事なのが「大学4年間の学修計画」です。大学での学びを将来、どんなふうに繋げようとしているのか、ちゃんと可視化できているかという点をものすごく見ています。
5点目は「文章作成のリテラシー」です。プロが校正した文章というものに、「これを読み込んで、読解して、作文ができるか?」というリテラシーが非常に重要視されていると考えていただきたいと思います。ここをきちっと伸ばしてあげて欲しいというのが大学側の意見になってきます。
私がいつも進学相談会のブースで高校生から「総合型選抜、どういったところを重視したらいいんですか?」と相談を受けた際に、以下の話をさせていただいています。「まず、過去と現在と未来が一直線上になっていて、その直線上に行きたい大学があるということが明確に面接官などに伝わるということが一番大事です」(図1参照)
不合格になる生徒さんの要素は「自己分析ができていない」「実績だけPRされても学びに繋げる視点が欠落している」などです。大学側の教員や面接する側の人間の心の中では「結局、あなたの強みは何ですか?」、実績だけPRされても「大学でどう活かそうとしていますか?」という疑問が浮かびます。学びに繋げる視点が完全に欠落し、志望の動機があいまいになると、結局「大学で何をしたいの?」と。また文章の作成力が不足していると、「大学の試験は一問一答じゃないので、レポートを提出して相手に自分の意見を伝えることができるんですか?」と疑問になります。(図2参照)
残念ながら面接のときに生徒さんにこれを伝えることは一切ありません。大学教員は、静かに手元にある配点表のところに×をつけて終わり。そして、静かに不合格通知をその生徒さんに送り付けて、そこで入試が終わってしまいます。先生方は、受験して帰ってきた生徒から「すごく自己PRができたよ」と報告を受けても、不合格という結果がもたらされます。
3.総合型選抜への対策
総合型選抜に関しては、高校2年生の夏休みの段階から取り組む必要性がある入試であることを、先生方がしっかり生徒さんにお伝えいただきたいと考えています。とにかく付け焼き刃ではまったくもって通用しない入試であるということを、まず生徒さんに認識していただく必要性があると思っています。総合型選抜は一番、受験する大学・学部・学科が求めている像が反映されている入試です。発表されている大学の過去問を並べてみると「こんな学生が欲しいんだな」といったところがすごく見て取れます。
総合型選抜で合格した生徒は教科型の入試を経ていないので「実は基礎学力が足りていないのではないか?」と不安視し、大学側もそれを認識しています。不安の解決策として、合格した生徒さんに入学前教育を必須化している大学もあるので、「そこはしっかりとやるんだよ」と伝えて、その上で高校の授業や課題、定期考査もしっかりと取り組んで不安解消に繋げてください。
受験終了後、先生方には
不合格者にもヒアリングを
受験した生徒さんにしっかりとヒアリングをしていただきたいと思います。よくあるのが、合格した生徒さんだけヒアリングをして、それだけを蓄積している高校が結構あると思いますが、不合格となった生徒さんにもヒアリングをして、このデータを校内でたくさん蓄積していただきたいと思います。そして、蓄積したデータをAIにかけると、解答ではないですけど、何となくの傾向が出てくると思うので、それらを高校の先生方で「どういった形で生徒を指導していくのか?」を議論していただければと思います。
オープンキャンパス参加時の
事前準備と心得
大学側としては、やはりオープンキャンパスにはしっかり参加していただきたいです。事前準備として丁寧に大学案内やHPを読み込んだ上でオープンキャンパスに参加していただく。そして、独自の視点で情報収集するという部分が大事になってきますので、大学生としっかりコミュニケーションをとっていただいて、そこでの意見も参考にすることも重視していただけたらと思います。ただ、定性的な意見に流されるのではなく自分で収集した定量的な情報とミックスさせてほしい。また定量的な情報の収集においては、AIを活用してみてもいいかなと思います。AIとのうまい付き合い方、これは「総合型選抜を乗り越える」というところで、重視させていただいています。文理融合型の学部は必ずAIとか情報収集とかが出てきますので、こういう学部を志望している場合、AIのトレンドには、しっかりとアンテナを張っていただくことが重要になってくると思います。
総合型選抜を重視されていると思いますが、大学側は「教科型の入試の方をまだ重要視している」ということを大前提として、高校の先生方には普段の授業や教科型の学習を中心に据えた形で受験計画をお願いできればと思います。
高校教員対象 総合型選抜対策講座
~大学側から伝えておきたいこと~
全国の高等学校の先生方は無料で視聴できます(要視聴登録)
視聴登録申込みはこちら
動画公開期間
2026年6月18日(木)~2026年9月30日(水)
動画時間
32分16秒
視聴登録者全員にさんぽう刊「2027総合型選抜/学校推薦型選抜徹底対策ガイド(東日本版・西日本版)」デジタルブックを進呈⇒登録のメールアドレスにダウンロード用URL送信
問い合わせ
さんぽう教育総合研究センター
TEL:03-3348-7977
