【名古屋大学】世界に通用する勇気ある知識人を育成し世界大学ランキングトップ100へ|大学Times

大学Times Vol.16(2015年3月発行)

【名古屋大学】世界に通用する勇気ある知識人を育成し世界大学ランキングトップ100へ

若者が海外で学んだり、働こうとしない「内向き志向」を克服し、海外の卓越した大学との連携や大学改革によって徹底した国際化を進め、世界レベルの教育研究を行う大学、国際化をけん引するグローバル大学に重点的な支援を行うスーパーグローバル大学創生支援が文部科学省で2014年よりスタートした。名古屋大学は、世界大学ランキングトップ100を目指す力のある大学を支援するタイプA(トップ型)に採択。今後どのような大学改革を推し進めていくのか、求める学生像などについて、佐久間淳一教授、土井康裕准教授に話を伺った。

アジアのハブ大学として、
大学のあり方そのものを革新

名古屋大学がスーパーグローバル大学創生支援を申請したきっかけは?

名古屋大学では、2009年から国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択され、「名古屋大学からNagoya Universityへ」をスローガンに、2011年から学部における全ての授業を英語で提供する「国際プログラム群」を開始するなど、グローバルスタンダードに対応できる教育システムの整備を進めてきました。

しかし近年、グローバル化が急速に進展し、また、リーマンショックや東日本大震災などでこれまでの価値観が揺らぎ、変化の総体を見極めることが困難な時代となっています。このような状況下でも、大学は学問の府として、時代の投げかける課題に応えていくことが求められています。そこで、大学の総合力や国際競争力を高め、世界に挑むことができる知識人を育成するため、大学そのもののあり方を変革するために、スーパーグローバル大学創生支援を申請しました。

具体的には、どのような取り組みを行うのでしょうか?

研究面では「世界のトップを目指す先端研究の強化」を目標に、先端研究を進める海外の大学と共同で教育・研究を行うユニットの創設、若手・女性・外国人研究者の支援などを強化します。教育面では「魅力あるグローバルなNagoya University」として、教育のグローバル化を推進する国際機構を設立し、国際標準のリベラルアーツ教育の実施、留学生の拡大、日本人学生の海外派遣制度を構築し、教育の国際通用性を高めていきます。加えて、アジア8カ所(7カ国)にサテライトキャンパスを設置し、アジア諸国の国づくりに携わる国家中枢人材を育成する博士後期課程プログラムを開始し、ハブ空港のようにアジアの拠点、アジア諸国に貢献できる「21世紀、Sustainableな世界を構築するアジアのハブ大学」を目指します。

気軽に海外へ留学できるよう
さまざまな制度を創設

高校生にとって留学は魅力的な一方、不安に思うこともあります。

名古屋大学では、2013年、641名の学生を海外に派遣しました。2020年までに1000人、2023年までには、日本人の学部学生全員を海外に派遣できるような体制を整備します。そのために英語教育の拡充、単位互換校などの拡大を進めていきます。交換留学希望者と内定者を対象に単位が付与される交換留学予備教育プログラムを新設し、留学中に必要なアカデミックスキルの習得、英語で開講している専門科目の受講を指導し、現地教育環境への速やかな順応を高める取り組みをしています。また、学部1〜2年生を中心に、短期留学の仕組み「NU-OTI」を始動させます。NU-OTIでは初めて海外に行く学生でも気軽に参加できるよう、海外研修と研修前後の授業を一体化させ単位として付与します。留学+フィールドワークといった現地に特化したプログラムがいろいろ用意されており、語学だけでなくその国・地域の歴史や文化、社会情勢などをより深く知るきっかけになるでしょう。さらに、全学的に行っている「安全・危機管理オリエンテーション」は、留学前の出席が必須で、留学先でのリスク管理を徹底していきます。

名古屋大学としては今後アジアのハブ大学として、ベトナム、モンゴルなどにアジア・サテライトキャンパスを設置していくことから、日本人学生の留学先として欧米だけでなく東南アジアも想定しています。そこで、ASEAN地域に強力な病院ネットワークを持ち、日本語のできるスタッフや医師がいるバンコク病院と本学留学生の支援について協定を締結し、医療環境が不十分な東南アジアでも安心して学べる環境を整えています。

言葉が通じない、環境の違いに順応できるかといった不安があるかもしれません。しかし、海外留学を経験することで、失敗や挫折を含めて日本では得られない経験ができることは確実です。ぜひ、若いうちにどんどん海外へ出て行ってほしいと思います。 

留学するとなると費用の面も気になりますが・・・

学生が留学に踏み切れない1番の原因が、まさに留学費用にあると考えています。そこで日本人学生の留学を促進するため、毎月一万円ずつ積み立てることを念頭に置いた、「留学積立金」制度を創設するため、準備を進めています。

さらに、留学先での経験を活かしながら、その経験・学びを一層深めるため、国際通用性のあるカリキュラムを展開します。①各学部、各研究科の教育目標を担保しながら、②社会から期待されている学力・就業力にも対応し、③学位ごとに知識体系の獲得を保証し、④各事業プログラムを実現する授業科目を体系的に整理して提供しています。

国際色豊かな環境で
グローバルな視点を育む

最後に高校生へメッセージをお願いします。

名古屋大学ではスーパーグローバル大学創生支援に採択され、大学のシステムや教育が大きく変わり始めました。しかし、グローバル化は今に始まったわけではありません。留学生向け宿舎の整備や教養教育から専門教育まで英語による講義数を拡大することで、2013年には留学生が2000名に増加しました。これは学生の約13%にあたり、2020年には3000名まで拡大する予定です。教員の国際化に加え、外国人もしくは外国の大学で学位を取得した専任職員も2013年では19人ですが、2023年には35人にまで拡充していく計画です。大学にいながら国際色豊かな多層的・多極的な環境に身を置くことで、なんとなく海外に行きたいと思っていただけだとしても、より具体的にイメージできるようになるでしょう。自分なりの目標を自分で描ける好奇心あふれる学生さんにぜひ本学を選んでほしいと思います。