【注目の薬学部動向】薬学部学生を取り巻く現状と対応 神戸薬科大学の対応事例|大学Times

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【注目の薬学部動向】薬学部学生を取り巻く現状と対応 神戸薬科大学の対応事例

第100回薬剤師国家試験の全国平均合格率は63.17%、昨年に引き続き低い水準となった。巷間では薬剤師の数を絞るために、試験のハードルを上げたとの噂や学生の資質の問題、大学教育の真価などが様々な方面で議論されている。こうした中、神戸薬科大学学生就職部学生就職課 秋山幸宏課長に、国家試験結果など薬学部学生を取り巻く現状と、大学独自の取り組みについて話をうかがった。

基礎を理解しているか
問われる問題の傾向

神戸薬科大学 学生就職部 学生就職課 課長 秋山 幸宏 氏

― 今年も国家試験の合格率は、全体的に低水準のようでしたが?

秋山課長:基礎の部分を十分に理解しているか問われるような問題が多かったとの話でした。化学、生物、物理の基礎問題で基準点に達せず足切りにあうと、落胆していた学生が就職課にも来ていました。今回は得点調整も多く出ましたので、救われた学生も少なからずいたようですが、全国平均の合格率は昨年に続いて低水準でしたね。資格試験なのですから、医師や看護師のように平均合格率がせめて80%を超えるような国家試験となってもらえれば、非常にありがたいと感じています。

― 今年の就職活動の状況は?

秋山課長:就活が後倒しになった影響は大いに出ています。昨年は、もう今時分に内々定がでている学生が10人以上いましたから。今後の卒業や国家試験の準備を考えると、早くに内々定をもらった学生は安心するでしょうね。3月以降から就活が始まり、3月末まで実習に出ていた学生も戻り、4月に入ってからさらに学生の意識が加速し、今がピークを迎えています。ただ、8月の大手製薬メーカーの採用が始まるまで、学生が頑張りきれるかが心配です。それに今は、企業などのHPや就職サイトから情報をとり、スクリーニングしてしまう学生が増えています。居ながらに情報がとれる便利さの反面、雰囲気や、実際の長所短所が分からない。実際に見学に行って、雰囲気をつかむことも大切だと指導しているのですが、学生は実務実習、研究、国試対策と忙しいものだから、2〜3社に絞り込んでしまう学生が見受けられます。

COC事業採択学校の取り組み※(株)さんぽうアンケート協力校

薬局42%、病院23.4%、公務員は6%の希望進路

― 進路先に関しては?

秋山課長:薬局が42%と一番多いのですが、今回、病院が2.8%UPし、23.4%に。ただ先ほど言いましたが、病院と企業を掛け持ちする学生も多く、昨年度18%だった企業就職率が減るのではと心配しています。MRなど、臨床が分かる学生が今以上に必要になってくるはずですけどね。そうそう、公務員も6%と増えてきています。

― 公務員志望増加の理由は何か?

秋山課長:公務員試験対策講座の成果が出たようです。外部から講師を招き、90分37コマあるのですが、5回生を中心に多くの学生が受講してくれています。受講した9人は全員合格をもらいました。

― その他に、独自に取り組まれていることは?

秋山課長:今年度から、4回生の前期選択科目として、「キャリアデザイン講座」を新設しました。各業界からゲストをお招きし、病院、調剤薬局、製薬企業、CRO(臨床開発)、卸業などの色々な働き方の講義を用意しています。薬剤師の仕事の多様性を知ることで、自分の将来像を描く助けになればと考えています。
現在、200名以上の学生が受講していますが、受講後、インターンシップに行って、更に意識を高めてくれればと願っています。

薬学部の魅力は人の命に関われるところ

― 薬学部の魅力についてお話しください

秋山課長:やはり、仕事のやり甲斐でしょうか。薬剤師は、治療計画における処方薬について、求めに応じて医師への助言や薬物動態のフィードバックなど、医師や他の医療従事者とチームを組んで、人の命に関わっていく、とても大切な仕事です。今後、益々高齢化社会が進み、薬物療法の比重も大きくなる中で、その需要も当然、高まっていくことでしょう。

― 最後になりましたが、受験を目指す学生にアドバイスを一言お願いします

秋山課長:現在の医療人には、EBM(治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもの)が必要になってきています。はっきりとした根拠を説明できる能力である、理系頭を鍛えあげていってください。