大学Times Vol.9(2013年6月発行)

ここ数年の間に、多くの大学で新設が相次いだ薬学部。手に職をつけることができる職業として薬剤師の人気は高く、大学進学では理系人気の傾向が続く現在、薬学部の人気も根強い。弊社では、日本薬学生連盟の協力のもと、実際に薬学系の学科に在籍する学生にアンケートを実施。学生自身が薬学系の学科に進学する際にどのような考えを持っていたかを調査し、結果を分析した。
志望校の決定は周りの助言も強い影響に
アンケートの結果によれば「現在の大学への進学を決めた理由」では、「偏差値」を大きな理由と答えた学生が多い。日本では偏差値による志望校選びが根強く浸透しているが、この点に関しては、薬学部に関しても同様の傾向であることがわかる。「進路選択の際の悩んだこと」に対しても、「学力」と回答した人が多い。
「大学選びの基準」は「現在の大学への進学を決めた理由」とほぼ重なる。しかし前者では「社会実績」が「親や教師のすすめ」より重視されているが、後者では「親や教師のすすめ」を要因の一番と回答する人が多く、実際に学校選びのきっかけは、周りのアドバイスが決め手となっているケースが少なくないことがうかがえる。
家庭の影響も強い、薬剤師という職業選択
アンケートでは、現在の進路を選択した理由に関する自由回答も設けた。それによれば、家族に薬剤師がいるなど、身近に医療従事者がいる影響や、自身または身近な人が病気を持っていた経験も、薬剤師を選択した理由としてあげる学生が多い。
また、実際に進路を決める際に不足していた情報に対する調査も行った。アンケートの回答によれば、国家試験合格率や就職先などの情報は、比較的得られやすい情報であるが、逆にそれら以外の学校ごとの特色や違いがわかりづらいと感じた学生が多いようだ。学校や学生のリアルな雰囲気、実際の忙しさなどがわかりづらかったという意見も見られた。

自分の能力を見定めた上での進路決定
薬学部生は卒業後、大多数が薬剤師としての就職を希望する。動機として、人と直接接することによって得られるやりがいを求め、薬剤師の道を選ぶ人が多い。逆に研究職であれば新薬開発により大勢の人を助けることができるという点が魅力のひとつだ。薬剤師と研究職の選択に関する自由回答では、「研究職には向いていない」「能力がない(から研究職は目指さない)」などの回答も見られ、「自分の能力」を見据えたうえでの進路選択を考えている学生が見受けられる。
ひとくちに薬剤師と言っても、病院内の薬剤師や調剤薬局の薬剤師など、多数の選択肢がある。薬剤師は、認知度の高い職業であるが、入学する前の薬学生の就職先や仕事内容についての理解を問う質問に対しては、「あまり知らなかった」との回答も少なくなく、職業についての詳細は、入学後に就職活動などをしてからでないとわからないという面も強いようだ。


