【特集】大学の教育力特集 大学教育力セミナー|大学Times

【特集】大学の教育力特集 学部・学科名が同様でも内容や教育成果はさまざま。その教育力で大学を選ぶ時代

(株)さんぽう主催 大学教育力セミナー

平成25年5月20日(月)に大阪市にて、高等学校の教員を対象に「大学教育力セミナー」が開催された。関西地方の大学16校と高等学校教員92名が参加し、情報交換会が行われた。教育コンサルタント亀井信明氏による講演も行われ、大学選択のポイントをお話しいただいた。

偏差値によらない大学選択のために

大学教育力セミナー

今回の教育力セミナーは、偏差値情報による学校選択ではなく大学本来の教育内容を理解し、それを進路指導に活用していただくことを目的に、高等学校の教員を対象に(株)さんぽうが主催。はじめに、かつて大手予備校「河合塾」の教育本部長も務め、現在は教育コンサルタントとして活動する亀井信明氏による全体講演がおこなわれた。講演後は、関西地方の各大学16校と高校教員との情報交換会を実施。大学は各ブースにわかれ、集まった高校教員を対象に大学が力を入れている取り組みや教育内容についての紹介を行った。

「短絡的」である高校生の考えへの警鐘

全体講演で、亀井氏ははじめに、高校生の進路選択の実態について語った。講演の中で亀井氏は、高校生の大学の学部・学科選択に対して数々の問題を投げかけた。その一つが、高校生は夢に対して短絡的に考えているケースが多いという現状だ。例えば、身の回りの高齢者や障害者の存在から社会福祉分野に興味を持っても、社会全体の福祉制度の問題となると全く関心がない生徒が多いという例を取り、この問題を指摘する。また学科名などの表面的なイメージにつられてしまう点や、第一志望校しか熱心に調べずに大学を受験する生徒など、進路選択が安易である現状を踏まえ、教員や親による助言が不可欠である点、また、特にそのような存在こそが、今の社会の動向を踏まえた社会全般の知識を高校生に与えていくべきだと主張した。

各大学の工夫のある科目に注目を

亀井氏は大学の個性をどのように見るかについても紹介した。例えば実際にパンフレットから情報を得る際にも、学部・学科名にこだわった科目やカリキュラムとなっているか、またそれらには工夫があるか、カリキュラムポリシーは守られているのかという点の大切さを指摘する。亀井氏によれば、大学のアピールが「入学から卒業までの流れを想定したものになっているか」をチェックすることが重要という。

現在各地の大学では、ギャップイヤー制度、英語開講の授業の増設、4学期制など、次々と新しい取り組みを模索している。そのような事例を紹介しながら、亀井氏は大学の改革の現状に触れた。段階を踏んだ授業の配置などよる体系化された教育課程の設置、地方大学がこれから生き延びていくポイントと指摘する大学の地域との連携強化、国が掲げるグローバル人材を育てる取り組みも、現在注目の動きだ。このような例も紹介され、今回の講演は、大学が行う取り組みについて改めて注目を喚起する機会となった。

亀井信明(かめいのぶあき)氏

【プロフィール】

亀井信明(かめいのぶあき)

株式会社高等教育 総合研究所 代表取締役
大手予備校「河合塾」において主に大学情報と教務関係の仕事に携わり、教務本部長や東京GA本部長を歴任。
97年に独立して、教育コンサルティング会社「VEGA」を設立。
2011年にVEGAの一部業務を受け継いで株式会社高等教育総合研究所を設立。