開学以来の「実学主義」で未来を開く大学 東京工科大学|大学Times

大学Times Vol.12(2014年3月発行)

社会ニーズを事前にキャッチ! 進化し続ける大学 開学以来の「実学主義」で未来を開く大学 東京工科大学

およそ50年ぶりのオリンピック東京開催が決まり、話題騒然の昨今。東京工科大学の礎となった日本テレビ技術専門学校の約30名の学生が、昭和39年に開催された東京オリンピック期間中、NHKの実況中継に参加して話題となった「実学」がフラッシュバックする。「実学主義」を実践し、常に社会ニーズの数歩先を歩み、進化し続ける東京工科大学の魅力を探った。

真の「実学主義」を実践

東京工科大学は、「実学主義」を教育の根幹としている。この「実学主義」が目指すものは、単に実社会に役立つ知識や技術の習得だけではなく、どんなに社会や経済情勢あるいは技術が変化しようとも柔軟に適応できるものの考え方や、人間性の形成である。実社会で活躍するための専門性と時代への適応力を備え、最先端で活躍できる人材育成を実践しているのである。

「実学主義」による教育の特色は、他大学では見ることのない様々な取り組みに表れている。平成25年にアクティブラーニングセンターを開設し、ディスカッション、コミュニケーション、プレゼンテーション、グループワークなどの能動型学習ができる環境を整備した。また、ボランティア活動を通して社会を知り、利他的価値観を養成するための「サービスラーニング実習」や、実社会におけるニーズを想定して、実践的な課題解決を目標とする演習教育である「PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)」など新しい切り口の授業スタイルを取り入れている。

それらの推進力となっている教員も企業出身者が多く、学生が実社会において即戦力として活躍できるように、教員が自身の経験を踏まえて教育し、就職への適切なアドバイスを行っていることも特筆すべきであろう。

「実学主義」の原点、先駆者として

東京工科大学を擁する学校法人片柳学園は、産官学共同の研究機関として開設された片柳研究所、日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校、日本工学院北海道専門学校らを有する法人である。創立66年の歴史をもつ専門学校は東京工科大学の礎を築き、当初から時代の求める技術者教育を行ってきた。

昭和28年、日本で初めてのテレビ本放送が行われ、その年に同学園も「日本テレビ技術学校」を設立、テレビ技術者の養成を開始した。昭和33年、きたるべきカラーテレビ時代に先がけてカラーテレビ科を設置、昭和39年の東京オリンピック期間中には、約30名の学生がNHKの技術補助員として実況中継に参加するなど、その後も時代の社会的要請に応じる教育体制を整え続けてきた。

また、昭和41年に日本の電子計算機台数が3,000台となりさらなる普及が予想されると、同年10月に電子計算機部を設置し、いち早くコンピュータ教育に着手。ソフトウェアおよびハードウェア両面の教育体制を整え、今後伸びるであろうコンピュータ技術者教育に力を入れた。

昭和47年には公害関係法が公付され、行政機関や特定企業に対して公害防止技術者の配置が義務付けられると、公害工学科を新設した。こうして当時社会問題化していた環境問題にも即時に対応できる教育を開始したのである。 

これらの経験は現在、同大八王子キャンパスにあるコンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部の教育の原点となっており、さらに平成22年に蒲田キャンパスに設置されたデザイン学部、医療保健学部においても時代のニーズを敏感に察知し対応してきた背景を持つ。昭和62年には、医療現場で最新の医療機器が多数導入され専門技術者が必要とされた背景のもと、臨床工学技士法が成立。これを受け、わが国初の養成機関としての認可を得るなど、医療分野でも社会に貢献できる人材育成に取り組んだ。

一方で、社会が発展する中で求められている多彩なデザイン分野に通じた次世代のクリエイターを育てるため、他の美術系大学とは一線を画す教育を行うデザイン学部も設置された。デザイン学部では「発想力」「提案力」「チーム力」「実現力」「取材力」「集中力」の6つの力を体得することで、デザイン業界のみならずあらゆる業界、企業の総合職、事務職、営業職などのどのような職種についても実力を発揮できる実践的かつ実学的な人材の教育を行っている。

このように、東京工科大学を中心とする学校法人片柳学園は、新しい時代に適応できる高度な技術を身につけた人材を育成することを目的に、時代に適した学部を開設し、常に改革にたゆまぬ努力を続けてきた。

サステイナブル工学に基づいた、次代の工学部の設置を構想中

東京工科大学の次なる仕掛けとして、持続的な発展を前提とした新しい技術の開発をめざし、平成27年4月に新たな「工学部」の開設を予定している(構想中)。

この学部では、サステイナブル工学(持続的発展を可能にする技術)という概念が大きな軸になる。また、大学で学んだ知識や技術の意義や課題を発見することができるコーオプ教育(Cooperative Education=産学連携による学内外での8週間にわたる就業体験)も柱だ。コーオプ教育で培った「実践力」、そして「問題解決力」、「文章表現力」、「プレゼンテーション力」を身につけた、世界に通用する21世紀型の技術者養成に期待は高まる。これにより、学生の勉学意欲の増進、就業力が一気に向上することが見込まれている。

20世紀型の大量生産・大量消費・大量破棄による資源・エネルギーの枯渇や環境問題に対応すべく、利便性や効率性・経済性だけを追求した従前の工学から、サステイナブル工学の概念のもと地球環境、人間生活、経済活動という広い視野で技術をとらえ、原材料、製造、消費、再利用という観点を考慮したトータルな評価・設計が実現する。

機械工学、電気電子工学、応用化学の各分野において、21世紀にふさわしい知識と技術を備えた人材を養成していく構想だ。