【これからの日本を変えるこの分野 東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科】|大学Times

【これからの日本を変えるこの分野 東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科】スポーツのみならず、祭りや遊びをプロデュース グローバルなマネージャーを育成

2020年の東京オリンピックが決定し、ますます国民のスポーツ熱は盛り上がりをみせている。スポーツイベントで活躍するのは出場選手やコーチだけではない。企画、広報、演出、集客など裏方の尽力がなければ成り立たない。東海大学ではスポーツのみならず、レジャーをも含めたイベントを支え、さらにグローバルな視野を持つ人材の育成をめざす。そのユニークな学びについて伺った。

スポーツ&レジャー学を学べる日本で初めての学科

グローバル時代に対応
英語で行われるカリキュラムも

「研究ゼミナール」の風景

東海大学の体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科は2004年に創設され、今年で10年目を迎える。今でこそ、体育学部にスポーツマネジメントやスポーツビジネスを取り入れた学科を持つ大学は全国にたくさんあるが、創設当時はまだ数校しかなく、珍しい存在だった。さらに、スポーツにレジャーを組み込んだ学科名にしたのは、東海大学が初めてである。日本人にとって、レジャーというと単に休暇・遊びという認識だが、アメリカでは学問として確立されており、イリノイ大学でレジャースタディを専攻された教授も教鞭を執っている。スポーツ&レジャーとは、登山やハンググライダー、ヨットや釣り、芸能や祭りなど広く自由な時間を楽しむために行う広い意味での「あそび(プレイ)」を指している。創設には、1964年の東京オリンピックのメダリストの方々も教員として参加し、「体育学部からはみ出すような画期的な学科を創ろう」という趣旨のもと「スポーツ・レジャーマネジメント学科」が構築された。

さらに、グローバル時代に対応するべく、国際スポーツ&レジャー論がカリキュラムに組み込まれている。この授業は英語で行われ、主に北米やヨーロッパなどのスポーツ&レジャーの捉え方や考え方、行動様式などを社会、文化的背景の異なる国や地域間で比較し、マネジメントの視点から外国人教員と日本人教員が学生を巻き込んで、ディスカッション形式で行う。スポーツ等のイベントでは、世界中の人々と関わる機会が多いことから特に英語によるコミュニケーション能力の育成を重視している。幸い、東海大学には留学生が多く在籍しており、彼らと交流を持つ機会も多いため、実践的な学びが可能だ。またカリキュラムには、2週間程度の海外実習(選択)もある。昨年はメジャーリーグの「レッドソックス」の施設見学やイリノイ大学の授業に参加、さらに、フロリダのディズニーワールドではマネジメントを学び、一般入園者では見ることのできない地下施設の見学等も行い、まさしくアメリカのスポーツ&レジャーを肌で学ぶことができた。

イベントの真の成功は
儲かる<感動を与えること

スポーツ&レジャー学を学べる日本で初めての学科

スポーツ・レジャーマネジメント学科の大きな特徴としては、フィールドワークを主体にしていることだ。
むろん、マネジメント論として消費者動向、イベントの企画・運営、組織・リーダーシップ論、財務管理等を座学として学ぶが、その応用としてさまざまなスポーツやレジャーのイベント、大学の行事、地域社会の行事の企画・運営にスタッフとして関わり、現場を体験することでマネジメントを実地で学ぶ。

大学によっては、スポーツマネジメントとはイベントにおいていかに集客し、儲けるかのノウハウを教える学問だ。
しかし東海大学では、マネジメントとは“うまくやること”であり、イベントの成功は利益を得ることも大事だが、それよりも参加する人も観る人にも「感動を与える」ことこそが大事であると教えている。この学問を学ぶ学生には、まず自分自身が楽しみ、遊びごころを常に持って学んでほしいという。
その遊びごころがクリエイティブにつながり、イベントに来てくれたお客様にも遊びごころを持たせることができるのである。

2020年東京オリンピックに
モチベーションの高いスタッフとして

東海大学の体育学部というとトップアスリートが学ぶという印象があるが、このスポーツ・レジャーマネジメント学科には、アスリート志向の学生は少ないという。もともと体育系の部活のマネージャーもしくは選手を退き、今度は選手を支える立場になりたいという希望からこの学科を選んだという学生が多い。そのため公募制推薦入試以外の入学試験に体育実技は入っていない。とにかくスポーツやレジャーをするのも見るのも好きである、イベントの企画・提案・運営に興味がある、また海外のイベントに興味があり、外国人とコミュニケーションをとりたいという希望があればこの学問を学ぶ価値がある。

この学科の卒業生は、スポーツ系(プロ野球球団やJリーグ、スポーツジム、スポーツ用品会社)以外にも航空会社や一流ホテルに就職をしている。実習や演習でたくさんの人と接することで自然にコミュニケーション能力が身につき、ホスピタリティを求められる企業からも認められるのであろう。

来る東京オリンピックには、大会を裏で支えるスポーツマネジメントに長け、国際感覚を持つ有能な人材が必要とされるだろう。世紀の祭典にモチベーションを高く持ち、活躍できる人材が多く輩出されることを是非期待したい。

日本のココが変わる

久保正秋博士

人間がゆとりを持つことで地球が救われる

日本人は生真面目で、働きすぎの傾向があります。外国人の生き方はもっとゆっくりと構えていて、昼休みなどもとても長くとっています。地球にダメージを与える一番の根源は人間だと考えることができます。働きすぎるということは突き詰めれば、地球をダメにしているのです。自分の健康を大切にするように地球の健康も考えて欲しいものです。猪突猛進ではなく、ゆとりを持ってスポーツやレジャーを楽しめれば人間そして地球にも好影響をもたらすでしょう。

久保 正秋 博士(体育科学)

1973年東京教育大学体育学部卒業、1975年東京教育大学附属駒場高等学校教諭を経て1977年東海大学助手、1996年筑波大学にて博士号(体育科学)取得、1997年東海大学教授(現在に至る)