高大連携に関する協定締結
「高大連携活動」による地域貢献・社会貢献で地域に密着した大学づくりを実現
~淑徳大学~
大学Times Vol.47(2023年1月発行)

千葉、埼玉、東京に4つのキャンパスを設け、2023年4月には新たに学部・学科を開設し、7学部13学科を擁する総合大学へと発展を遂げる淑徳大学。地域に密着した大学づくりを実現すべく、「高大連携活動」を積極的に推し進めている。昨年11月には新たに3高等学校と高大連携に関する協定を締結し、現在まで8校と協定を結んでいる。「高大連携活動」における同大の最新動向を紹介する。
1965年、千葉市において社会福祉学科の単科大学として創設された淑徳大学。現在では千葉、埼玉、東京に4つのキャンパスを設け、2023年4月には地域創生学部地域創生学科、人文学部人間科学科を新設し、現在の総合福祉学部、コミュニティ政策学部、看護栄養学部、経営学部、教育学部、人文学部と合わせて7学部13学科を擁する総合大学へと発展を遂げている。
また同年4月から全学共通の基礎教育科目(S-BASIC)がスタートし、どの学部学科でも社会を生き抜くために必要な基本的な力(知識・技能・態度)を身につける基礎教育カリキュラムが実践される。建学の精神「利他共生」(りたきょうせい=他者に生かされ、他者を生かし、共に生きる)を原点とした学びを深め、さらなる成長をめざす。
そうした流れの中、高校と大学とが連携して行う教育活動「高大連携活動」が盛んに展開している。高校生が大学レベルの学問に触れることで、関心のある分野への理解を深めるなど、各自の進路選択を助ける効果が期待されている。また、地域に密着した大学づくりを実現させる高大連携活動で、地域貢献・社会貢献の場となるべく、淑徳大学は各高等学校と教育連携協定を締結し、さらなる連携強化の取り組みを積極的に行っている。現在までに
〇千葉県立生浜高等学校
〇千葉県立千葉南高等学校
〇千葉県立我孫子高等学校
〇神田女学園中学校高等学校
〇千葉県立松戸向陽高等学校
の5校と、そしてこのたび犢橋高等学校、鴻巣女子高等学校、成女高等学校の3高等学校との教育連携に関する協定が締結された。
今後は、各学部学科の専門課程のノウハウを、地元、地域の高等学校と連携して教育を進め、地元の高等学校と地域産業発展への貢献が活性化していくと思われる。
福祉人材の育成に取り組む
千葉県立犢橋高等学校は、1985(昭和60)年に千葉市内最後の県立高校として開校。2020(令和2)年度から、介護福祉人材の育成に取り組む福祉コースを設置。2022(令和4)年度に初の卒業生を送り出す。「福祉コース」は、「(ふ)だんの(く)らしを(し)あわせに」の心と力を身につけた生徒を育成している。
淑徳大学は、社会福祉の増進と教育とによる人間開発、社会開発に貢献する人材の育成を目的とし、社会福祉士や精神保健福祉士等の福祉系国家試験においてもトップレベルの合格実績を誇り、相互において福祉産業の活性化をめざす。

地域社会に貢献できるスペシャリストの育成
埼玉県立鴻巣女子高等学校は、全国公立高校唯一の保育科、県内唯一の家政科学科そして普通科の三つの科を設置する伝統ある女子高校。各学科とも特色ある教育活動を展開するとともに、時代の変化に対応しながら、「社会人として自立し、地域に貢献できる女性やスペシャリストを育てる」ことを目標に、幅広い教育活動を推進している。
淑徳大学は、社会福祉の増進と教育とによる人間開発、社会開発に貢献する人材の育成を目的とし、社会福祉士や精神保健福祉士、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士など、地域社会に寄与する多くの卒業生を輩出していることから、今後、双方が有する資源を活用していく。

探究型授業 自主研究ゼミで学びの本質を
成女高等学校は、「社会で活躍できる自律・自立した生徒の育成」の教育方針のもと、1899(明治32)年建学以来、一貫して地に足のついた教育を行い、5年前から将来を描くキャリアプログラムを実施。1~3年次まで自主研究ゼミという活動を展開し、生徒が自ら選んだテーマを掘り下げ、答えを見つけていくことで深い学びが得られる、いわゆる探究型授業に重きを置いている。
すでに、淑徳大学が2023年4月開設の地域創生学部の実習予定先でもある、京都府京丹後市の丹後シルクを用いた化粧品における、マーケティングやパッケージの検討など、生徒は調査・検討の授業を進め、連携を図っている。
