【グローバル人材育成と大学の動向】国際基督教大学(ICU)/上智大学/独協大学|大学Times

大学Times Vol.11(2013年12月発行)

【グローバル人材育成と大学の動向】国際基督教大学(ICU)/上智大学/独協大学

【国際基督教大学(ICU)】
世界を舞台として人類の平和と共存に実践的な貢献ができる人材の育成

国際基督教大学(International Christian University : ICU)は、献学以来、世界を舞台とし、人類の平和と共存に実践的な貢献ができる人材を育てることを教育目標としてきた。   その目標をさらに高いレベルで実現するため、新たに立ち上げたグローバル人材育成プロジェクトは、文部科学省の平成24年度「グローバル人材育成推進事業」に採択されている。

3つのアクションプランで人材の育成を推進

ICUではこの事業のスローガンを “Expanding Potential-可能性の翼を広げよう”とし、その目的を明確にするとともに、下記3つのアクションプランを通して、グローバル人材の育成を推進している。

①「英語運用能力のさらなる伸長」
リベラルアーツ英語教育プログラム(ELA)履修学生に、諸外国大学の留学許可判定に使用される英語運用能力試験の1つであるIELTSの受験を課すことで、プログラムの目標達成度を確認すると同時に、留学への動機付けを行う。
ELAでは、4月に入学した学生全員が、それぞれの習熟度に応じた課程で英語を身につける。英語の習熟度が高い学生は短期間で集中的に学ぶことができる一方、じっくり英語力を伸ばしたい学生には十分な指導と演習の機会が用意されている。

②「英語開講専門科目履修を通じた情報発信能力(ライティング)の涵養」
ICUではグローバル人材の育成にあたり「英語で書く能力」にも重きを置いている。そのために、ELAにはResearch Writing(論文作成)という科目があり、さらに英語開講の専門科目もある。
また学生のリサーチ能力、アカデミックライティング能力の向上を目的に、英語開講の専門科目を「Wコース」(ダブルコース)として指定し、アカデミックな内容を英語で理解するだけでなく、理解に基づいて適切に表現する能力を養う。Wコースでは、専門科目担当教員の他に、学生の英文レポート作成を支援するチューターを配置する。これらの過程を経て、自らの専修分野にふさわしいアカデミックライティング力を有し、学びの集大成である卒業論文を英語で執筆することができる力を身につける。

③「教育目的達成の具体的検証としての単位取得を伴う海外留学」
海外留学プログラムの充実も大きな特長となっている。プログラムの形態は多岐にわたり、留学可能な国も20か国以上におよぶなど、一人一人の学びの計画に応じて選べる多くの選択肢が用意されている。
交換留学プログラムは、21か国66大学、定員160名(2013年11月)、その他、アメリカに本部を置く2つの非営利教育団体(IES、CIEE)が実施するプログラムに参加するなど、多彩なプログラムで学生のニーズに応える。
さらに、留学先で修得した単位は審査を経て、最大40単位までICUの単位として認定されるため、留学をしても4年間で卒業することができ、安心してプログラムに参加することができる。

国際基督教大学(ICU)

ICUはこれまでも国際教育交流体制の充実や教員のグローバル教育力の向上、さらにそれを支える職員の配置など、グローバル化を実現するための様々な取組みを行っている。今後もこれらの体制をより強化していく予定だ。

【上智大学】
時代が求める“グローバルリーダー”を育成

上智大学は1913年の創立当初から、キリスト教ヒューマニズムの精神に基づき、「他者のために、他者とともに(Men and Women for Others, with Others)」を教育の精神に掲げ、その実現のために国際性を重視し、様々な取り組みを先駆的に実践してきた。
その一つは、1949年の国際部創設以来、60年以上にわたって行ってきたすべて英語による教育であり、この先駆的な取り組みは現在の国際教養学部、グローバル・スタディーズ研究科に引き継がれている。
また、これまでに世界40か国196校の大学と交換留学・学術交流協定を締結してきた(2013年11月現在)。同学には世界中から多くの意欲のある学生や優れた教員が集まっており、キャンパスそのものが国際的なコミュニティーを形成している。

「3言語×3視座」を上智モデルとして提案

上智大学

さらに、文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」の採択を受けて、2012年10月にグローバル人材育成の中枢機関として外国語学部に上智大学グローバル教育センター(CenterforGlobalDiscovery)を設立。グローバル人材養成系の科目の提供や、留学、インターンシップ、シンポジウム等の取り組みを推進する。

この外国語学部の発展的改編を皮切りに、将来的に大学全体のグローバル・コンピテンシー(グローバル化対応能力)向上のための取り組みを高度化させ、国際社会に寄与しうる知識と能力を養い、世界を切り拓く人材を育成することを目指している。

具体的には、グローバル人材に求められる「地球的課題発見解決力」は、日本語や英語によるだけではなく、専攻語や専攻語の通用する地域の視点から世界を展望することによって形成されるとの観点から、「3言語×3視座」に基づく複合的なグローバル・コンピテンシーを養う取り組みを、外国語学部を皮切りに全学的に波及させていく。

これは、「日本語」、外国語学部各学科による「専攻語」(6言語)、国際共通語としての「英語」(英語学科は英語以外の外国語)の3言語を駆使し、日本、対象地域、グローバル化する世界のいずれをも相対化できる複合した3視座を備え、いずれにも深くコミットすることのできる「日本発信力」、「地域多様性理解力」、「地球的課題発見解決力」という3つの能力を備える人材育成を目指すものだ。

この、3言語×3視座に立脚した上智モデルを新たなグローバル教育のスタンダードとして提案し、優れたグローバル・コンピテンシーを持つ真のグローバル人材育成を実現することを目指す。

総合グローバル学部 2014年4月新設

上智大学

2014年4月には、総合グローバル学部(Faculty of Global Studies=FGS)を開設する。
同学部は、その下に総合グローバル学科を配置し、1学部1学科体制で、「国際関係論」と「地域研究」、この二つを融合させた「グローバル・スタディーズ」を三位一体として探求する。

「国際関係論」はグローバルの動きを観る学問、「地域研究」は地域の現場を観る学問。グローバルとローカルの2つの視点を併せ持つことで、世界をより立体的に、そしていきいきと理解することができるという、同大ならではの新しい複合的学問領域だ。

FGSでは、「世界を立体的に捉える視点や理論」の「効果的・効率的な習得」を通じて、「国際的公共知識人」を育てることを目的としている。

【獨協大学】
“語学の獨協”ならではの外国語教育プログラム

獨協大学の前身「獨逸(ドイツ)学協会学校」は、1883(明治16)年ドイツ語をはじめ法律、政治経済、科学などドイツの学問・文化の学習をとおして国際人を育てるという理念のもと創設された。

獨協大学はこの伝統を受け継ぎ「外国語教育」、「国際交流」、「人間形成教育」を柱に国際社会で活躍しうる人材の育成につとめている。現在、教育内容の充実とキャンパスの再編を軸に改革を進めているところだ。国際教養学部言語文化学科、法学部総合政策学科、外国語学部交流文化学科を連続立ち上げ、2013年4月には経済学部に環境科学と経済・経営諸科学を融合し、持続可能な社会の実現を担うグローバルな人材育成を目指した「国際環境経済学科」を開設。4学部11学科の学士課程体制がスタートした。

こうした専門分野の内容の充実・再編と並行して、実践的な外国語運用能力、教養知識、多角的な視点からものごとが考えられる力を確実に身につけられるよう「全学共通カリキュラム」という学部・学科横断型の教育システムを整備している。主テーマをもとに毎週違った講師が自分のテーマで講義するオムニバス形式の「全学総合講座」は、ものごとを複眼的にみる眼を養う科目、また地球環境問題から経理入門、プレゼンテーション方法、インラインスケートなど実践的で幅広い内容のものも多い。

専攻分野を学びながら英語力を身につける

獨協大学

その核のひとつが、「全カリ英語」(平成21年度文部科学省「大学教育推進プログラム」に採択された英語教育)だ。インタビュー記事の読み取り方、考えをわかりやすく伝える論文の作成法など授業内容は多彩だ。卒業後の仕事などあらゆる場面で活かせる能力となる力が身につく。英語力を高めるだけでなく、「専攻分野+英語」の力を備えた国際人の育成を目指している。

また、英語以外にも14言語(ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、アラビア語、現代ヘブライ語、トルコ語、古典語として古典ギリシア語、ラテン語)を全学科で学ぶことができる。

さらに、教員の強力なサポート体制のもと、最新の外国語学習施設がキャンパス内に張り巡らされているため、外国語習得のための4技能「読む」「書く」「聞く」「話す」すべてをバランスよく強化できる。

長期留学はもちろん短期留学のコースも多彩

獨協大学

外国語の習得とともに、その国の文化や歴史を学ぶためにも、獨協大学は留学を推進している。 学術交流協定校は13か国38大学(うち13か国33大学に学生を派遣)。長期の交換留学(協定高への留学)・認定留学(個人で選んだ大学に留学)をはじめ、短期留学の選択肢も多彩だ。

主な特徴は、以下の3つ。

①長期(交換・認定)留学中は、本学または留学先のどちらか一方の授業料が全額免除される。

②留学先で修得した単位のうち、長期留学では最大32単位まで、短期留学では4単位(通算8単位まで)が獨協大学での単位として認定されるため、留学期間を含めて4年で卒業することも可能。

③交換留学生には、獨協大学国際奨学金(年間24万円)と留学に備えた語学研修費補助(上限10万円)を支給。また、日本学生支援機構(JASSO)の「短期留学推進制度(派遣)」に基づいて、奨学金の申請が可能。