【グローバル人材育成と大学の動向】グローバル英語と学部の専門分野を併せて修得 全学部横断グローバル人材育成プログラム―Bunkyo GCI― 文京学院大学|大学Times

大学Times Vol.11(2013年12月発行)

【グローバル人材育成と大学の動向】グローバル英語と学部の専門分野を併せて修得
全学部横断グローバル人材育成プログラム―Bunkyo GCI― 文京学院大学

文京学院大学は2013年度より、多様化するグローバル社会で活躍できる人材の育成を目的としたプログラム『Bunkyo GCI(文京グローバルキャリア・インスティテュート)』をスタートさせた。欧米のみならず、経済的にも大きな成長をみせるユーラシア地域を重視。「グローバル英語」の理解と学部ごとの専門領域を修得するダブルアドバンテージを目指す本プログラムの中身に迫った。

アイデンティティーある発信を目指す「グローバル英語」

Bunkyo GCIとは、国際語としての「グローバル英語」を理解しつつ、各学部学科の専門英語も併せて修得することを目的としたプログラムで、留学や短期海外研修、海外インターンシップといった体験型カリキュラムによる国際感覚の養成とキャリア育成を行うものである。

国際語といわれる英語は、ネイティブスピーカーだけでも3億人、非ネイティブな人たちを加えると10数億人の人々が話すといわれている。長い年月をかけて世界に広がった英語は、その国の文化と溶け合い、シンガポール英語、インド英語といった、ネイティブとは異なる独特の英語(「World Englishes」)も形成された。「グローバル英語」とは、こうした「World Englishes」を認め合い、お互いの文化や伝統にアイデンティティーを持って発信し合う英語のことを指す。

これまで日本の英語教育はネイティブにいかに近づくかを目標としてきたが、Bunkyo GCIでは、グローバル英語の理念を理解し、日本文化に基づいた日本人らしい英語力を養うことを目的としている。授業スタイルも自分たちの大学を英語で紹介する大学案内の制作や国際交流イベントの企画・運営など、既存の形にとらわれないプロジェクト型の授業を取り入れている。

ユーラシア地域を中心に
多極化するグローバル社会を体感

今後世界は欧米の先進国だけがグローバル化の主要な役割を果たすのではなく、活気あふれるアジア諸国、西欧とアジアをつなぐ位置にあり、経済的にも大きく成長を見せ始めたトルコを始めとしたユーラシア諸国など、急速に経済基盤を成長させている国々の役割も重要になってくる。

そのために同プログラムでは、ユーラシア地域を始めとした国々の言語・文化・歴史の理解を目的とした海外研修やインターンシップなど多彩なプログラムを予定している。1年次の夏には「語学・異文化理解留学」として4週間もの間、タイ・フィリピン・マレーシア・中国といった国々に留学。あえて1年次という早期に行い、早いうちから異文化とリアルに直面することでグローバル人としての成長を加速させることをねらう。また、英語圏でない国の大学で英語を学ぶことで「グローバル英語」を理解し、その地域の文化体験、世界遺産見学や現地学生との交流および現地の日系企業などの訪問といった、密度の濃い異文化体験を通じて、グローバル社会で生きるということはどういうことかを体得する。さらに同校独自の取り組みとして、3年に一度ユーラシア地域の国々に赴き、同世代の学生と交流をしながら、自己と日本を発信する「新・文明の旅」プログラムもGCIのコアプログラムとして位置づけられており、2015年には選抜された学生がポーランド・ラトビア・リトアニアを訪問する予定である。

グローバルな専門力を向上させる
専門知識と専門英語

今後さらに世界のグローバル化が進めば、国内外のビジネス分野はもちろん、これからは教育者、公務員、心理職、保育士などの各専門職においても国際性が求められる時代となる。そうなれば、専門分野に関わる専門英語の修得も欠かせないものとなってくる。

GCIの特長は、学生がそれぞれの学部に所属して学びを深めながら+αで履修し、単に英語力を修得することが最終目標ではなく、身に付いた英語力をツールとして使いながら各自の専門性を活かしていくところにある。そこで各学部の専門分野の知識を深める学びを、英語を交えながら行うとともに、専門分野の特定目的英語(専門英語)を学ぶ科目を配置している。例えば外国語学部なら語学力と海外文化の知識を活かし海外または国内外資系企業、国際機関での活躍、経営学部なら海外で注目を集めるアニメやゲームなどのコンテンツビジネスの現場での活躍といった進路を想定し、授業を専門英語を交えつつ行うカリキュラムを予定している。専門分野の強みをグローバルに発揮できる人材の育成を目指す。

国内・海外でのインターシップをはじめとした
実践的キャリア開発

文京学院大学

グローバルに活躍する各業界のプロフェッショナルを招聘し、グローバルな経済や産業の動向、グローバル化が働き方にもたらす変化などを学ぶキャリア科目を1年次から設置。早いうちからグローバル社会で働くとはどういうことか、その意義や可能性を考える。2年次以降は日本企業だけでなく国内外資系の企業や海外でのインターンシップを行い、実際に現場に立ち、文化背景の違うさまざまな国の人たちと協働する経験を積むことで、蓄えた知識を働く力へとつなげていく。このような実践的キャリア開発もGCIの特長である。

2024年に学園創立100周年を迎える文京学院大学が新たな教育改革としてスタートさせた同プログラムは「多極化した世界」へと変化する時代の中、どこででも活躍できる語学力・専門知識・キャリア意識を養うことにある。同校の教育理念である「自立と共生」に基づいた実学教育をグローバルに発展させたプログラムといえよう。