【看護学科の進学動向】看護師不足の問題で増加する看護学科 実習環境、併設学部など様々な視点から進路選びを|大学Times

【看護学科の進学動向】看護師不足の問題で増加する看護学科 実習環境、併設学部など様々な視点から進路選びを

少子高齢化し、さらに医療が高度化・多様化する現在、医療系職業への期待は高い。医療系の学科の人気も高まり、ここ数年で特に看護学科は急激に増加している。進路選択の際には、選択基準を明確にし、それぞれの違いや特徴をしっかり把握することがますます重要となる。

不足する看護師と増加する看護学科

現在日本では、看護師不足の問題が叫ばれている。看護師資格の取得者は現在約150万人いるとされているが、実際に働いている看護師すなわち「修業看護師」は約100万人であるという。つまり、資格を持っていながらも働いていない「潜在看護師」が50万人近く存在しているということになる。90%以上を女性が占めている看護師は、結婚・出産・子育てなどのために、離職率も高く、それも人材不足の原因となっているという意見もある。

上記のような状況も背景にあり、ここ数年では看護学科を新設する大学や専門学校が増加している。人材不足の傾向のため、これらの学校は卒業生の就職率も好調である。志願者数も年々増加の一途をたどっている。文部科学省の学校基本調査によれば、平成20年度に、国公私立大学の看護学系の学部に在学する学生数は43,608人であったのに対して、平成25年度の統計では、約1.5倍の65,753人へと増加している。

志願者ベースで見てみると看護学部(昼間部)の志願者数は、45,325名(※1)であり、平成20年度24,807人と比べると1.8倍の増加となっている。志願者数の増加率は在学生の増加率よりもかなり大きいことから、倍率が上がっていることがうかがえる。

※1 学部名「看護学部」の志願者数であり、この学部名以外で看護師を目指せる学部の数を含んでいない

看護学科を選ぶ観点とは?附属病院の有無や他学部の連携も

現在看護学科を募集している4年制大学は全国で229校あり(※2014年度実績。当社調べ)、全体で3割近くの大学に看護学科が設置されていることになる。看護師を目指そうと考えている高校生にとっては、かなり選択肢が広がったといえるだろう。しかし、その分どの学校を選べばよいのかという悩みも生じてくる。立地的な問題や、入学難易度は学校選びにおいて避けて通れない問題だが、他にも以下のような点も学校選びの際のポイントとして押さえておきたい。

●総合大学か単科大学か

看護学科の選択で、看護学部のみを持つ大学にするか、複数の学部を持つ大学にするかを迷う高校生も多いようである。総合大学では生活面でも学習面においても他学部の学生と交流が可能だ。特に他の医療系学部があると学べることも大きい。一方で看護学部単科の大学のように、同じ志の人だけが集まる環境の中で学べるメリットも大きい。

●実習施設・附属病院

看護学科では実習が欠かせないが、学校選びの際には、その情報も収集するとよいだろう。学校の近くに実習施設として附属病院があれば、連携のスムーズさや立地面も含め便利なことも多い。もちろん大学の附属病院が遠くにある場合もあれば、逆に附属病院でなくても、非常に連携が取れている大学もあるので、附属病院を持っている方が良いとは単純にはいえないが、少なくとも選択の際の重要なポイントの一つである。

その他にも、国家試験の合格率はどうか、新しい学部がよいか、伝統のある学部がよいか、学費や奨学金をどうするかなど、様々な点を考えるべきであろう。看護師を目指す男性にとっては男女比も気になるところだ。大学の看護学科の男子学生の割合は平均にしてみると約10%であるが、2〜3%の学校から、中には20%を超える学校もある。

一部の医療系大学だけでなく、学べる学校が増え、社会的な意義も大きい職業である看護師。進路選択の際にはますます注意が必要となってくるであろう。

看護系学部の在学者数の推移

附属大学病院を持つ看護系学科設置大学(PDF)