グローバル教育×グローバル入試特集【TEAP】【IELTS】|大学Times

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大学Times Vol.21(2016年7月発行)

グローバル教育とグローバル入試の実際とは

グローバル入試 それぞれの特徴【TEAP】

上智大学では2017年度の一般入試にTEAP CBT(4技能型アカデミック英語能力判定試験)が採用。その背景とは。

英語の4技能をバランスよく測定するため上智大と英検とが共同開発

英語教育を取り巻く環境は、急速な変化を遂げており、大学入試において4技能(聞く、話す、読む、書く)をバランスよく測定するという必要性に迫られていた。英語検定事業に50年以上の実績を持つ日本英語検定協会と外国語教育、第二言語習得理論に知見をもつ上智大学とが約5年の歳月をかけて「TEAP(ティープ)」(Test of English for Academic Purposes)を共同開発した。

2014年7月よりTEAP利用型入試の実施を開始し、この度、2016年10月16日に実施するTEAP CBT(Computer Based Testing)を「一般入学試験(TEAP利用型)として採用することが決定した。入学希望者は事前に、TEAPあるいはTEAP CBTを受験し、学科が設定している基準スコアを満たしていれば、出願できることになる。さらに2017年度から、すべての学科で出願基準として4技能のスコアを採用する予定である。

TEAP CBTは複数の技能を統合的に運用する能力や、実践的な英語運用能力を測定できるテスト。これまでのTEAPのコンセプトを継承しつつ、グローバルに活動するために必要とされる実践的な英語運用能力を複合的に測定できるテストとしての特徴を備えている。技能を複数組み合わせた統合型問題を複数出題しており、Speaking、Writingの問題数をふやすことにより高い測定精度を保ちつつ、広範囲の難易度の問題を出題することで、幅広い能力レンジ測定を行う。また英語での指示を解釈しながら操作を行うICT問題やオンラインで実施する対面式のインタラクティブなスピーキングテストの出題がコンピュータの導入により可能になっているようだ。

出願基準を満たしていれば、自分の得意の科目に集中し勝負できる!

本学の入試はTEAP出願基準スコアを満たしていれば国語や地歴、あるいは数学や理科などの学科指定の2教科で判定するので英語以外の自分の得意科目で勝負ができ、また他学科との併願をしやすくしています。

TEAPは決して特別なテストではなく、普段の勉強をしっかりやっていれば十分得点がとれるよう設計されています。本学はもちろん、TEAPを採用する大学は広がっています。高校生のみなさんには是非チャレンジしてほしいと思います。

試験後、今後の英語学習に有効な4技能ごとのアドバイスを得られるメリットも!

TEAPを開発した時、常に意識したのは、入試を大学での英語教育へどうつなぐかという点です。本学では入学後の教育でも4技能を高めるための環境を整備し、その中でTEAPを活用していきます。

TEAPの利点は、試験結果をまとめたスコアカードに4技能ごとにスコアにもとづいたアドバイスや、今の英語力で何ができるのかを示したCan-doリストを記載するなど今後の英語学習につながる効果的な学習の道筋を提示していることです。

上智大学

グローバル入試 それぞれの特徴【IELTS】

国際基督教大学(ICU)が、IELTSのアカデミック・モジュールを、入学試験や入学後の英語教育プログラムに利用する理由。

国際基督教大学(ICU)

International English Language Test- ing System(IELTS:アイエルツ)は、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で認められていて、アメリカでも入学審査の際に採用する教育機関が増えています。国内では、日本英語検定協会が試験を実施しています。試験のタイプには受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかを判定するアカデミック・モジュールと、英語圏で学業以外の研修やオーストラリアなどへの移住を申請される方のためのジェネラル・トレーニング・モジュールがあります。

世界の基準に沿った英語力

国際基督教大学(ICU)では一般入学試験B方式で、IELTSのアカデミック・モジュールと、TOEFLの公式スコアを利用しています。入学試験における外部試験の利用は昔から積極的に実施しており、現在はIELTSを筆頭に挙げています。

どれがいいかははっきり言い切れませんが、試行錯誤を重ねた結果、ICUの基準に一番近い外部試験としてIELTSが挙がりました。本学のようなバイリンガルな大学の中できちんと学んでいくうえで、備えるべき英語力を総合的にバランスよくみるために最適なものを採用しました。また、入学後の英語のプログラムの中でも、IELTSを一つの基準として使用しています。

ICUの立ち位置として、外部試験においても世界の基準を考えて採否を決定しています。ですから、国内だけで通用するような英語試験は求めていません。IELTSは世界の基準に沿って英語で学術的に「読み・書き・聞き・話す」ができるかを判定するのに、現状では最も信頼度の高い試験だと考えています。「読み・書き・聞き・話す」ということができるということは、その中にクリエイティブシンキングがあるということです。

IELTSの成績証明書を得るには、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのテストを全て受験する必要があります。全てのテストの所用時間は、約2時間45分です。スピーキングでは、試験官と実際に生きた会話をします。

リスクはあっても世界基準を採用したい

しかし、IELTSには問題もあります。例えば、ほぼ毎週のように実施しているものの、全国18都市でしか受験できないことです。また、受験料が比較的高額なのもネックになるでしょう。IELTSはかなりハイレベルな方法を採用しているので、場所も必要になるし人手もかかります。それだけ手間をかけて実施しているということはいえるでしょう。世界基準の試験を採用して、海外に出ても学術的なコミュニケーションができる人材を育てたいという思いから、多少のリスクはあっても採用に至りました。

現在の教育制度のなかで、高校生がIELTSを受験しようすることは、チャレンジングな経験になるかもしれません。しかし、それを厳しいと思っているようでは、まだ日本の教育がグローバル化していないということだし、世界基準に追いついていないといえるのかもしれません。

英語4技能試験、それぞれの特徴と対策

数多く存在する英語の試験の中から、今回は世界中の教育機関が採用している英語4技能試験TOEFL iBT及びIELTS、そして日本で開発されたTEAPをご紹介します。

国際基督教大学(ICU)

英語教育の4技能化は着実に進んでいる

従来TOEFL iBT=アメリカ留学、IELTS=イギリスやオーストラリア留学を考えている人が受ける試験だと認識されてきましたが、その区別はなくなりつつあり、どちらの試験も認める大学が増えてきています。日本国内でもAO入試や推薦入試に積極的に利用する大学の数が年々上昇しています。加えて、国内で開発されたTEAPを利用する大学も増え、英語教育の4技能化が着実に進んでいることが見受けられます。

世界で最も評価されている英語4技能試験がTOEFL iBTとIELTSです。TOEFL iBTはパソコンで受験し、IELTSはペーパーテストです。Readingはどちらも長文問題が3題出題されますが、Listeningは全く異なります。

TOEFL iBTでは主にアメリカ英語の会話や講義を聞きながら、全体像や論理の展開を把握しなければなりません。一方、IELTSの場合は主にイギリス又はオーストラリア英語の会話や講義を聞きながら、重要な単語を書き取る問題が多いため、一字一句に全神経を集中させなければなりません。

TOEFL iBTのSpeakingでは、マイクに向かって、自分の意見や、読んだものや聞いたものをまとめてしゃべります。IELTSは試験官と面接し、自分の意見を述べます。
Writingでは、どちらにも与えられた情報をまとめる問題と、自分の意見を述べる問題があります。

TEAPはTOEFL iBTやIELTSよりはやさしいですが、アカデミックな内容を扱っていることが共通しています。Readingは長文問題に加えて語彙問題やグラフ問題があることが特徴で、Listeningは様々な長さの会話や講義の他に、グラフ問題もあります。Speakingは面接で、多くはIELTSと共通しています。Writingは要点をまとめる問題と資料を参考にして書く問題があります。

練習量を増やすことが重要

4技能のうち、スピーキングやライティングが苦手だという生徒は多いですが、ほとんどの場合その苦手意識は経験不足に起因しています。逆に、ライティングやスピーキングが得意な人は、例外なく今まで大量の文章を書いたり、たくさんしゃべったりしてきたはずです。学校で練習できる量は限られているので、正しい学習法を学んで、自分で練習する量を増やすことが極めて重要になります。

英語でコミュニケーションを取れる日本人を育成するには、制度だけでなく、英語に対する考え方も大きく変える必要があるのかもしれません。「英語」は、もはや英国だけのものではなく、「アメリカ英語」もあれば、「フランス英語」もあるし、「インド英語」もあって、全ての国の人が独自の「英語」で話しています。「日本英語」があっても当然です。にもかかわらず、「発音がよくないから……」「文法がだめだから……」と悩んで、しゃべることを躊躇してしまう。そのような心配はせずに、思っていることを発信しようという強い意志を持ってみてはいかがでしょう。完璧ではない状態でも一歩踏み出してみることがコミュニケーションにおいて何よりも重要だということが実感できるはずです。