グローバル系大学特集学長&教授インタビュー
グローバルビジネスで活躍する即戦力人材を育成する新しい大学とは~グローバルBiz専門職大学~
大学Times Vol.50(2023年10月発行)

グローバル系大学特集
- スペシャルインタビュー 日本貿易振興機構(ジェトロ)
- 副学長インタビュー 東京外国語大学
- 学部長メッセージ 上智大学
- 教員インタビュー 学習院大学
- 副学長メッセージ 国際教養大学
- 学長&教授インタビュー グローバルBiz専門職大学
- 学部長インタビュー 獨協大学
2023年4月、グローバルビジネスを学ぶ「グローバルBiz専門職大学」が開学した。既存の大学とは一線を画し、基礎教養科目や職業専門科目に加え、4年間で600時間に及ぶ臨地実務実習(インターンシップ)を単位認定、全学挙げての手厚い就活サポートが魅力だ。「グローバルに活躍するビジネスパーソン育成の最短ルートをめざす」という学びの特徴について、平岩賢志学長と3名の教授に伺った。
専門知識や技能だけでなく“学び方を学ぶ”大学でありたい
平岩学長「本学では、時代が変わっても対応できる“方法論”を学生に伝えていきたいと考えています。グローバルビジネスに必要な個々の専門科目だけでなく、プラクティカル(実用的)な学び方を教授し、学生一人ひとりが自分で考えて自ら行動するための方法を学べる大学として、『PDCA』という手法、仮説を立てて意思決定し、実行結果を検証する重要性を徹底して教えるカリキュラムを擁しています。変化の激しいグローバルビジネスの世界にあって、大学での学びが数年後に陳腐化しても、自ら補完できる力を訓練する大学を目指して開学しました」

グローバルBiz専門職大学
平岩 賢志 学長
松本教授「学問の基本は Easy come, easy go.(直ぐに役に立つことは直ぐに役に立たなくなる)です。学びには基礎の積み重ねが大事であり、効率を優先し適度に端折って分かった気になっても、長い目で見れば、いつか綻びが出るものです。一見遠回りに見えますが、先ずは、積み重ねの姿勢で授業に臨んでいます」

グローバルビジネス学部グローバルビジネス学科
松本 昭夫 教授
(経済学、臨地実務実習など)
海外ビジネスに不可欠な教養教育と異文化理解
小張教授「インターナショナルビジネスに不可欠なのは、相手への理解です。世界中には多様な価値観や世界観があり、その違いを理解した上で信頼関係を結ばなければなりません。世界で成功した一流のビジネスパーソンの中には、大学で古典を専攻していたという逸話もあり、昨今の“学際的な先端の学び”が万能ではないと考えます。重要なのは相手を理解するための幅広い知識であり、時に許容するための教養も必要でしょう。具体的には宗教や哲学を含めた『異文化理解』『グローバル教養』を通じて世界観の違いを受け入れられるよう、勉強することです。私は外国語の学びを通じて、相手が何を考えているかを察して理解する応用力も、学生に身に付けてもらいたいと願っています」

グローバルビジネス学部グローバルビジネス学科
小張 敬之 教授
(English Writing Skills,異文化理解など)
松本教授「海外に行くとさまざまな異文化に接する機会がありますが、相手から見れば私たち日本人の常識や慣習も“異文化”として認識されます。グローバル化とは、まず私たちが、日本のことをよく知った上で相互理解を図ることが大事です」
平岩学長「ビジネスパーソンに不可欠なロジカルシンキング(論理的思考や論理的な考え方)を一つの武器として、トライ&エラーからフィードバックを繰り返す過程を積み重ねていきます。このスパイラルを体得するには時間を要しますので、本学での4年間の教育プログラムを通じて構築することが重要になります」
世界貿易の変遷から見えた専門人材育成の急務
石川教授「私は日本貿易振興機構(ジェトロ)という独立行政法人で、日本企業の海外展開に関するサポートや企業からの相談業務を行っている実務家教員です。2度の世界大戦を経て、戦後は「自由貿易が世界平和への道」としてGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が結ばれWTO(世界貿易機関)が設立されましたが、1990年代以降はその体制が変化し、無差別貿易から地域連携(TPPやRCEPなど)へ転換したことで、通関手続きが年々複雑化しました。昨今は海外でも通関手続きの煩雑さが商品価格に転嫁される事態となり、物価高騰の一因にもなっています。日本経済はあらゆる産業において、世界を相手としたサプライチェーン(原料生産から加工・商品化し消費者へ届ける流通プロセス)が生命線であり、通関貨物の取り扱い量・金額が増加していますので、次世代を担う専門人材の育成が急務です。本学では、日本の通関制度を知ることから世界の通関制度を知り、専門性を究めていきたいと考えています。貿易の通関業務を担う国家資格・通関士の取得も目標の一つになります」

グローバルビジネス学部グローバルビジネス学科
石川 雅啓 教授(貿易実務論、通関論、臨地実務実習など
現在、日本貿易振興機構(ジェトロ)貿易投資相談課に勤務)
単位認定される臨地実務実習
実社会で身に付けて学ぶこと
松本教授「自分の思っていることや頑張っていることを、どう相手に伝えるか。国内だけでなく海外インターンシップでも、会社訪問やインタビューを通じて自分の思いを相手に伝えられるようにサポートしたいです」
小張教授「ChatGPTなど英語の自動翻訳が年々便利になり、私たちも論文作成に活用しています。学生が利用するには、AIを頼り切りにせず、翻訳された文章が自分の意図した内容に沿っているかを判断しなければなりません。生成AIの使いこなしには技量が必要であり、そのための力をつける学びが不可欠となります。常にアンテナを張り、最新の情報を得て学生に伝え、加速する変化に対応できるよう育んでいきます」
石川教授「臨地実務実習では、教室での事前の学びが実際の実務でいかに生かされているかを学生が早く気付き、学ぶ楽しさを実感するきっかけにしたいです。具体的には、通関分野の業者(フォワーダー:荷主と運送人の間に立つ専門企業)での実習を予定しています。貿易に関するルールは先人の商人たちが積み上げて構築されたものであり、ルール遵守とトラブルの関連性なども知ることができるでしょう」
全学挙げて就活を手厚くサポート
臨地実務実習前の企業研究も学修
平岩学長「臨地実務実習は、本学にとっても特徴的な位置づけの教育カリキュラムです。提携先の企業・団体や機関へ赴き、1年生から4年生まで、毎年150時間(フルタイムで約1カ月間)実施し単位認定されます。1年生からリクルートの一環となり、将来の職業観を具現化して実習に向かう学生も少なくないでしょう。さらに実習前の授業時間でも、充実した事前学習を用意しています。具体的には「企業研究の企て方」として、対象企業のマーケティングから戦略とオペレーションを類推し、業績は財務諸表の読み方を通じて、イメージではなく論理的に比較検討できる策を伝授し、学生が自分で考えて決めるための手厚いケアを行います。本学法人(学校法人深堀学園:外語ビジネス専門学校)が75年築いた企業研修の実績とノウハウを、臨地実務実習をはじめとしたインターンシップに遺憾なく発揮し、全学を挙げて学生の就活を手厚くサポートする所存です」

