大学Times Vol.13(2014年6月発行)

現在の日本では医療制度の充実と改善が叫ばれているが、そのためには現場に従事する医療人の質が高水準であることは必須である。そのような国や地元からの要望に応えるように、近年では多くの大学で看護学部の新設が見られるが、新しく開講される大学には、当然これまでとは異なる人材の育成が求められている。今回は2015年に看護学部を新設予定である日本医療環境大学(仮称)に迫った。
一言で“看護師”と言っても、将来はどのような看護師になりたいか、どんな現場・立場で活躍したいのかなど、看護師として医療現場に従事する姿は数多く存在するが、日本医療環境大学が目指しているのは“人々の健康に寄り添うことのできる看護者”の育成である。最近では人々が住み慣れた地域で、その人らしい生活を保ちながら医療や介護を受ける地域包括ケアが進んでいる。そのためには、さまざまな医療保健福祉専門職と連携して、人々に寄り添う看護職者が求められている。
そこで日本医療環境大学は、“入学当初からのキャリアデザイン”に力を入れている。早期から生涯に向けての目標設計を進めることで、「自己分析」や「将来のキャリア形成」「職業研究」など、自己啓発による職業人意識の醸成を行い、「ビジネスマナー」や「自己アピール」などを身につけ、社会人として求められる能力・スキル・心構えをケーススタディを交えて学ぶ。そして実社会で期待に応えられる人材を育成することを目標としている。そのなかでも看護学部は、豊かな人間性、高い倫理観、高い実践能力を持った看護師の育成を目指すのみならず、研究能力を培った看護職者・看護研究者・看護教育者を育成する、大学院【研究者】への進路が大きく開かれた「総合看護学教育機関」の設立を目指している。

4年次では自身が望む強化プログラムを選択し、専門知識の取得を目指すことができる。各領域の専門教員が揃っているため、看護職者として将来の幅を広げることが可能だ。「認知症看護」「がん看護」「小児看護」「在宅・終末期看護」の強化プログラムにおいては、看護の現場で得意分野を持つ看護師を育成する。専門科目はそこからさらに9領域の看護学で構成されており、それらはライフステージの健康に寄り添うための知識とスキルを高める学びを実践している。このほか、「保健師コース」および「養護教諭コース」では、それぞれの資格や免許の取得を目指す。
少子高齢社会において、ますます要請が高まる在宅看護を重視し、終末期看護を取り入れている。在宅療養者と向き合い、尊厳のある最期をケアできる看護職者を育てる。そして現代社会に対応できる、グローバルに活躍するための国際看護の理解にも取り組む。1年次から4年次まで国際看護を系統的に学ぶことができる。また、独自の「国際看護体験プログラム」を活用することで、海外での医療施設やWHOの看護活動を視察する。これらの学びが看護師の国家試験合格に直結するとともに、看護師・保健師国家試験対策の専任教員を配置することで、勉強会や個人指導など万全なサポートを提供する。
キャンパス開設予定地の愛知県大府市は、WHO(世界保健機関)健康都市連合に加盟し、「健康都市」実現に向けた取り組みを展開している。あいち健康の森とその周辺は「ウェルネスバレー」と呼ばれており、健康や医療、福祉に関連する施設が集結しているため、大府市のバックアップを受けて、これらの施設と密接に連携することで高いレベルの教育が行われる予定である。
複雑多様化する人々の健康ニーズに対応でき、広い視野をもって活躍できる人材を育成する。日本医療環境大学(仮称)は、それら多くの声に応えるために、視野を広げて活躍できる看護師の育成を掲げ、進化し続ける看護・医療の世界への優秀な人材の輩出に取り組んでいく。